トオルくん、5年生。
彼は、難治性の病気と共に生きています。

病気のお子さんと療育ピアノレッスン | 福岡ぐりむ療育とピアノと学習教室 (ameblo.jp)

 


発表会で、作文を発表してもらいました。

レッスンで最初の1行だけ一緒に考えて
後は、トオルくんが自分の言葉で書いた文章です。

 

 

ぼくは、今、5年生です。
3年生の12月からピアノを始めました。
最初は下手でした。
緑色の本になってから楽しくなりました。
自分から「ピアノをやりたい」と言いました。
今は、やって良かったなぁと思っています。
発表会の曲は、とてもむずかしかったです。
今までで、一番練習しました。
そしたら上手になりました。
今、ぼくはピアノを弾くと、もっと弾きたいと思います。
今日は、ぼくは初めての発表会です。
きんちょうするけどがんばります。



素直な気持ちを飾らない自分の言葉で綴ってくれました。
会場からたくさんの拍手をもらって嬉しそうにしていました。

 

後日、お母さんが発表会の写真を選びながら
「トオルは、写真があんまりないけんねぇ」と、ポツリ。

生後、間もなく手術をしてから入退院の繰り返しだったトオルくん。
あぁ、そうか・・・と胸がつまります。

筋肉が弱いのも病気の症状の一つだそうで、
ピアノを始めた当初、か細い指でバラバラに動くはずもなく、
小さい小さい音を出すのが精いっぱいでした。

もちろん体力もなくて、学校だけで消耗してしまい、

フラフラでやってきてはピアノの前でウトウトしたかと思うと、ゴンッと頭をぶつけたり笑

手指が硬く突っ張った状態だった以前のトオルくんを知っているお友達が、発表会に応援にいらしてくださって、バリバリ両手でピアノを弾いているトオルくんをみて大変に驚かれたそうです。
また、ミュージカルをしたり、カメラに向かって笑顔でピースする姿にもさらにさらに驚かれ。

「以前はカメラなんて向けたら、スグうつむいて拒絶でした」と、お母さん。

 

えええええええええええええええええーーーーーーーーーーーっ?!
そんなコやったん?笑

なんて思うくらい見違えます。

初めて教室に来てくれたときのトオルくんって
ずっと黙ってうつむいたまま、鍵盤の下にあるサイレントのツマミをネジネジネジネジ・・・ネジ取れちゃうかと思いました笑

「レッスンを受け始めてからは、この子が病弱で体が小さくてそんな子だったってことを私も最近だんだん思い出すことも減ってきましたけどね」
と、お母さん。

そんなこと・・・と、また、ぐりさんは胸がつまります。

 

トオルくんが発表会で演奏した曲は、

『ピアノランドマーチ』『踏まれた猫の逆襲』の2曲です。
音楽的にも非常によく弾けていました。
 

全員2曲のノルマでしたが、それをこなせたのはトオルくんだけでした。
1年半前は指が全然動かなかった彼が、どれほど『じょうずになった』のかをお察し頂けると嬉しいです。

写真だけからははかり知ることのできない、人には聞いてみないとわからない思いってありますね。

お母さん方が、皆さん、楽しそうに写真を選んでいらっしゃったお姿に、
ぐりさんも隣で見ていて、とてもハッピーな気持ちにさせてもらいました。

そして、改めて写真の良さを感じたのと同時に、
たくさんの人を笑顔にしてしまうような写真を撮ってくださった、
かつきしょうへいさんに撮影をお願いして良かったと心から思っています。

みんなありがとう。


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写真家 かつきしょうへい
おでかけふぉとぐらふ 福岡の家族写真出張撮影 

 

 

  福岡ぐりむ療育とピアノと学習の教室です。別ブログやXの過去記事にコメントを加筆して書いていっています。

 

2014年の記事です。

 

この発表会を最後に、それ以降 発表会はおこなっていません。

やはり発表会は子どもさんたちにノルマを課してしまうことになり、

特性による様々な困難を抱えながらの発表会は負担になると同時に、

親御さんにも過度なストレスを与えてしまうと感じたからです。

 

そして、そんなとこまで手が回らないのが現実でもあります。

 

その代わりといってはなんですが、

上手に弾けてたらXの動画投稿でアップさせていただいたりしてます。

もっと多くの人の目に触れることとなりますが汗うさぎ

 

別のところで長らく療育を受けていらっしゃいましたが、そこではなかなか思うような成果を得られなかったというトオルくんです。

だからこそ、ぐりさんのレッスンへのご理解が深いお母さんでしたし、

トオルくん自身も自分の成長を実感してもらえたと思っています。

 

レッスンは、一般的な療育とは趣旨も指導内容も全く異なります。

 

難しいことは頭のいい人におまかせして、

特性のいろいろは声の大きい人におまかせして、

ぐりさんは目の前の生徒さんに全集中するのみです。

 

親御さんに子育ての喜びを味わっていただき、

ご家族で一つでもたくさんの楽しい想い出を作っていただくことが

ぐりさんの願いです。

 

思ってもみなかった生活はあります。

さぁ遠慮なく伸びてくださいびっくりマーク