リョーくん5年生。
ぐりの教室に通ってくださるようになって3年半になります。

ずいぶん長くレッスンしているような気がするけど、
あー、まだそのくらいなんだな・・・と感じるほどに
濃すぎる時間を過ごしたように思います。


この間、ぐりは『ご家族の結束』によるリョータくんの成長、
ご両親の変化の過程をそばでずっと見てきました。
リョーくんにおいては、昨冬からは内面の目覚しい成長が続いています。

自分とは異なる『相手の立場』に気づいて

気遣いができるようになりました。

 

レッスンで入れ違いになる小さな生徒さんと顔見知りになり、
ひとりっこのリョーくんに『おにいちゃん』が芽生え、
ちょっと声をかけてくれたり、手を振りあったりと、
とても微笑ましくなるような光景を何度か見かけます。


玄関を開けたところに置いてある

ナノブロックのピアノは
リョーくんが作ってくれたものです。




以前はプリント課題の問題を読むだけでもイライラしてしまうほどでしたが、
こんな細かい作業ができるようになっているなんて・・・

チビッ子たちが靴の脱ぎ履きをするたびに
「あ、ナノブロックー!!ピアノやーん!!」と、よく眺めています♪

 

 

リョーくんは、不安の強め。
部屋で1人になる、1人で何かするということが難しく、
そのことが他のスキルの獲得の妨げにもなっていると考えられます。

レッスン開始前に1分くらい部屋に一人でいる練習を3ヶ月間してもらいました。

そんなことから?!とビックリされるかもしれませんが、
教えなくても知っているはず、覚えるでしょと、気にも留めないことでも
わからない、できないことが潜んでおり、
一つずつ細分化して教えていく必要があるのです。

アクシデントは一人でいるときに起こりがちです。
『そうならないように』教えることも大切ですが、
『そうなってしまったとき』にどうするかを教えることも重要なポイントです。


失敗してもすぐにフォローできる安全な場所で
何度も何度も練習をかさねることが必要ですね



困難を抱えるお子さんたちが、
かなりの率で苦しんでいることのひとつに、
『指示や問題の独自の解釈』が原因で
うまくいかなかったり間違えてしまうことがあります。

 


●同じものを見ても、出てくる名詞や言葉が違う
●思い込みから間違えていることに気づかない
●わからない言葉や気になる言葉に意識が向いて聞こえなくなる
●知識や概念の不足…etc


だからといって、
間違えること、指摘されることに拒絶とも受けとれるほどに抵抗も強く
ややこしくなってしまいがち。

自分独自の解釈で回答→間違える→(イラッ)→解説の途中で正解に気付く→(わかってたのに~イライライライラ)

日々こんなことの連続であれば
モチベーションを保つことのほうが難しく、
周囲の人にとっては、なんてことない些細なことでも、
ふてくされて、閉店ガラガラ~状態になってしまう気持ちも

わからなくもありません。

 

問題にも相手にも、自分にも、
もう、そこいらじゅう在るもの全てにイライラしてしまうのでしょう。

課題の問題を読んでは腹を立て、
お道具をうまく扱えずに腹を立て、
消しゴムで紙がグシャッとなっては腹を立て
しまいには鉛筆が落ちては腹を立て・・・

いつもいつも、リョーくんはよく怒っていました、本当に。

しかし、それも地道にレッスンをこなしていくうちに、
随分と緩和されていきました。

「ボク、ここのおかげで図形の問題はクラスで上位です!」
そんなことを嬉しそうに教えてくれたこともありました。

 

念願のブルグミュラーに進級しました。

まさか以前は低緊張で姿勢を保つことが難しかったなんて、
誰が想像がつくでしょうか。


ピアノを弾く男の子って、カッコイイです♪


さてさて、リョーくんのこの著しい成長は、もちろんご両親のおかげ。

「フツーでいいんです!!もう、フツーに過ごせたらそれだけで…」
と、よく泣いていらしたお母さん。

「先生だったら、きっとこう言ってくれる!!と考えられるようになりました」

もう、ぐりが慰めたり、励ましたりする必要もなくなりました。
というより、本来のお母さんを取り戻されたというべきでしょう。

これまでのお母さんの気持ちが、
一つずつ昇華していくというか、
見方を変えれば、心づもりができていくとでもいうのか。

 

大きな会社を経営なさっていらっしゃるお父さんは

「以前は、社員に対してなんでできないんだろう?と思っていたけど、
最近は、どうしたらできるんだろう?ドコで躓いているんだろう?
という考え方をするようになったんです」



(´;д;`)ブワッ


嬉しすぎる・・・
ありがとうございます。

お父さんが全面的に出てこられてうまくいくケースは本当に稀です。

家族が一丸となって、
正しい方向で、正しいやり方で、
小さな変化や工夫をコツコツ続ける。
しかし、実は続けるということが何よりも非常に厳しく難しいと感じます。

 

 

正しい方向

正しい方法

圧倒的な量とスピードでの取り組みの継続


 

困難を抱えた子どもたちにも明るい未来を切り開いていくチカラを
手に入れる王道だと思います。

ぐりは、いつでもリョーくんを応援しています。

ありがとう♪

 

  福岡ぐりむ療育とピアノと学習の教室です。別ブログやXの過去記事にコメントを加筆して書いていっています。

 

2013年の記事です。

 

リョーくんは2023年秋現在、21歳で専門学校に通いながら

レッスンも続けてくださっています。

只今 夢に向かって邁進中ロケット

 

ライナスの毛布のような場所でいられたらと思っていますが、

それも、あと少しかな。

 

独り言や癇癪、過度な不器用さと過敏に偏食、

体幹グニャグニャ、変顔で跳びはね、

突発的な眠気、担任への反発、

朝弱め、行事後の腹痛、疲れやすさ、

先延ばし、コミュ面…etc

 

大なり小なり今も変わらずしんどいながら

時分のことをよく理解できおり、

ここまでよくぞご無事でという思いです笑い泣き

 

立派な青年になっています。

 

継続は力なり 

 

ご両親あってこその、リョーくんの今。

 

レッスン12年半。

思ってもみなかった生活はありますね。