レッスンを始めてからの急激な伸び。
子どもたちのこの劇的瞬間を何度となく目にしてきました。

 

9歳〜12歳頃の年代では、

神経系の発達がほぼ完成に近づいているだけでなく、
まだ脳の可塑性(かそせい=柔軟な性質)も残っている時期でもあり、
かつ、筋肉や骨格の発達も進み、

いろいろな動作を習得する準備が整ってくる時期でもあります。

あらゆる動作を極めて短期間に覚えることが可能になる時期でもあるわけです。

お子さんには、昨日までできなかったことが、
今日になって突然できるということがよくありますよね。
 

レッスン1年半。

リョーくんに今、まさにそのシーズン到来したのです!!

ぐりさんは、ピアノだけが伸びるということは無いと思っています。

レッスンの充実は、

学校生活の充実、健康面の充実、内面の成長、他の得意なことの上達だったり

生活が全般的に伸びることだと考えています。



 折鶴をこんなにキレイに折ってくれました♪
 

 先端がキレイに尖がっています!!



これはリョーくんのピアノを弾く姿を見ていても頷けます。
●座った姿勢が美しく、様になっている
●指先の感覚を把握し、力をコントロールできるようになった
●両目を使って紙の重なりがわかるようになった
●『キレイ』だとか、『上手』とかが認識できて意識できるようになった
●その気持ちを先生と共有したい!!と思ってくれる 


めちゃめちゃ嬉しい♪


3年生になる直前にピアノを始めたリョーくんです。
最近、なにげなく流れてくる曲を聴いて、
「あ、この曲は、あのCMの曲と同じだ!」
などと、反応するようにもなっています。

聴覚優位とか視覚優位といった言葉をご存知かと思いますが、
きくチカラの困難に関してざっくり言うと、

『カクテルパーティー効果』といったりするのですが、
複数の音の中から目的の音を識別できる能力、
興味関心が高い情報ほどひろいやすくなる能力

この機能がうまく働かないということがみられます。

たとえばピアノのレッスンで、隣で一緒に弾くと
たくさんの音の中から自分の弾いている音を拾えなくなるのと、
音の洪水で騒音の状態になってしまい、
「せんせい、ひかないでー」と懇願してくる生徒さんも多いです。

 

リョーくんは、意識しなくても音の選別や調整がうまくなってきました。
音楽の楽しさがわかると、レッスンの取り組み方も変わりますね。


発達障害を研究なさっている杉山登志郎先生が、
発達障害の治療、教育の是非を調べることは実は簡単である。
成人になるまで待って、成人になってからの状態を比較すれば良いのだ。

と、著書に記していらっしゃいます。

しかし、実際には今の時代、そんなにのんびり待っていられませんし、
ある程度は時間に限りがあると考えざるを得ないのが現実ですよね。

 

そういった視点からは、リョーくんはレッスンの開始時期としては
ギリギリだったかもしれませんが、
目覚ましい成長を遂げられたのは、

ご両親の深いご理解によるものだといえます。


『子どもに変わってもらいたければ、まずは自分たちから変わらなければ』
と、ご両親からのありがたいお言葉。

口にするのは簡単かもしれませんが、
それを実行し続けるのはなかなか容易なことではありません。

レッスン以前の漠然としていたものがわかるようになり、
自己の確率、才能の覚醒とともに
今までの自分や、今の自分の状態、
ご両親に対するやり場のない怒りのエネルギーを
全てお母さんにぶつけていた1年前のリョーくん…レッスン開始から半年の苦しかった夏休み。
 

勝手に何もできないと決め付けて、

何もできない子にしていたのは私たち親の方でした。
信じていると思っていたけど、

実は依存していただけだったんだと反省ばかりです。
お父さんを中心に、たとえゆっくりでもできることからはじめていきます。

 

これは、お母さんから頂いたメールの一文です。

「フツーでいいんです、もうフツーにやってくれるだけで・・・。
そうなるといいなぁー。そんな日なんてくるのかなぁー」

と、泣いていらした、あのリョー君のお母さんが。

 

いまみえる景色は、決してあの時と同じではないはず。
そして、願っていたこと以上のものが

カタチになるということを実感できていらっしゃるはず。

 

「ボク、あと1ヶ月で誕生日です♪」

ぐりさんがハッピーバースデイをピアノで弾くと、
涙を流しながら、嬉しそうにリョー君が産まれた日のことを

思い出してリョーくんに話していました。

憔悴しきっていたあの日から1年。
いまでは笑って「あんなときもあったなぁー」なんて振り返れるまでに。

リョーくんが生まれて10年。
やっと、子育ての喜びを噛みしめる時期がきました。

10歳のお誕生日おめでとう
どうぞ、ご家族でたくさんの楽しい思い出を。

ぐりは、いつでも応援しています。

 

  福岡ぐりむ療育とピアノと学習の教室です。別ブログやXの過去記事にコメントを加筆して書いていっています。

 

2012年の記事です。

 

DQ85、通級判定でした。

5年生くらいから、通級先の児童にからかわれることが始まり、

6年生になってからは、通級にいくことをやめ、

通常学級で過ごしてご卒業。

 

中学校の就学相談で、

あまりの落ち着き具合と対応ぶりに面接の先生をうならせて、

ものの数分で通級を外され、通常学級で入学となった逸話の持ち主です笑

 

子育ての喜びを味わっていただきたい

ご家族での楽しい思い出をひとつでも多く

 

それが ぐりさんの願いです。

 

特性は『よくなる』とか『治る』とかいうものとは異なり、

いかにうまくつきあうか、だと考えています。

なかなか受け止めるのはお辛いかもしれませんが、

その時点では将来なんて思い描けなくても、

みなさん、気づけば選択肢ができている、

 

レッスンの先には

そんな、思ってもみなかった生活はあるのです。