トムくん年長さん。

車で1時間くらいかけて通ってきてくれるようになり、

かれこれ半年が過ぎました。

幼稚園が終わって、ちょっとおやつを食べ、
そんな長い時間 車に揺られると・・・眠い。

最初の頃は、寝起きで半ベソかきながら教室まで来ていました。

緊張と眠いのとで、感情がうまくコントロールできず、彼自身とても大変そう。
お母さんもこの状態をどうにかせねばとの緊張と申し訳ないという困惑・・・。

お母さんは心を鬼にして、彼一人を玄関に入れてドアを閉めます。

 

いざレッスンが始まると時間ギリギリまでピアノを弾いて、

大きな声でうたったりと、帰りにはいつもニコニコご機嫌。


ぐりさんは、玄関までのペースがつかめない彼を
毎週ぐったりして連れてきてくれるママの方も心配でした。


“本人はどうかわかりませんが、小さな一つ一つが

何か親子で挫折感を感じてしまう今日この頃です。
一瞬一瞬を楽しんでトータルで楽しい日々にしてほしい”



この頃のお母さんのメールには、こうありました。

 

 

お子さんに悩みや心配を抱えながら

幼稚園や小学校に通わせているお母さんは、
『衝撃のできない現場』を目撃する機会が圧倒的に多く、
恥ずかしさ、怒り、焦り、虚しさ…

想像以上にボロボロになってることがあります。
 

 

ピアノは、たくさんの曲を見なくても弾けるほど覚え、
負けず嫌いっぷりを発揮しながら、

毎週ぐりさんと競争で1冊弾ききります。

わかっているのに先にお手本を弾かれると、

「もぉーっ!!」(`へ´*)ノ

プハハ。すぐ怒る。

あ、牛だ!!もぉー!!あはは、トムくんの真似、もぉー!!あはは

「・・・ブゥー」( ̄- ̄)ニヤリ

あ。次はブタに変身した!!

 

こんな軽快なやりとりも楽しめるようになりました。

 

 

トムくんは間違えたり、わからないときに
『どうしてよいのかわからない』ということも含め、
とにかく『怒る』ということで表現し、
そのうえ引っ込みがつかなくなることがあります。

わからないときの聞き方を教え、
安全な場所、スグにフォローできる場所で
何度も何度も練習する必要があるのです。
するとそのうち、笑ってやり直せるようになりますし、
外でもすすんでやってみるようにもなります。



お母さんが、とても心配なさっていた今回のコンサート。

ピアノソロも弾きましたし、

『グーチョキパーでなにつくろう』を一人で歌いました。
みんなの前で。

右手がパーで、左手がチョキで・・・

うーん、、うーん、、まちがえたかなぁ…困ったよぉ… 

 

全然平気なのだ!! 

なんと!! 新種のカタツムリ発見です(笑)

 

会場から拍手喝采!!

 

モジモジしながらも、みんなの前で最後までやりきりました。
しかも長い時間、最後までずっといすに座っていられました。


自信がついたのか、次のレッスンで

「鍵盤が何個あるか数えるよ」
20以上はつっかえながらも、ぐりさんも手伝って88まで数えきりました。

自分で発見するからこそ面白い。
そんなときは必ず最後まで見守っています。
88まで初めて数えて、本当に晴れやかで嬉しそうないい顔でした。


トムくんは このところずっと、

玄関のドアを開けるとニコニコして立っています。
怒ることもほとんど見られなくなりました。

彼だけでなく、お母さんも、
この半年で自信がもてるようになったのではないでしょうか。
小さな『できた』の積み重ねは、親子ともに笑顔の素ですね。

 

道中 車の中でズボンの下に手を入れて寝ていたのか、
手の甲に繊維の模様が付いていた 。

エヘヘと照れながら「あ、先生の手も線が付いてるよ!!」


=( ̄▽ ̄;)⇒


あのね、、、ぐりさんのは、、、

ぐりさんのはさぁ、
線じゃないのだよねぇ、、

ね・ん・れ・い!!チーン


トムくん、いつも頑張ってるの、しってるよ。
遠くから通ってくれてありがとう。

 

 

  福岡ぐりむ療育とピアノと学習の教室です。別ブログやXの過去記事にコメントを加筆して書いていっています。

 

 

2012年の記事です。

 

当時は、まだ高機能自閉症とかの診断の頃です。

 

園の行事でも、こだわりと些細なことから癇癪が爆発してしまい、

ハチャメチャを起こして中断させてしまったりのようでした。

また、人が集まっているのが苦手で、

ましてやソコで座っているのは難しいタイプ。

 

就学相談では通常学級の判定でしたが、

高機能自閉症とはいえ、今でいう『標準の下』くらいかなという見立て。

学習面は、やはり低学年から大変な苦労が予測されました。

 

それはパッと見、お母さんでさえもわからないでしょうが。

 

『療育』といわれているところに何年も通っていらしたのですが、

やはり、なぜそこで癇癪のコントロールが身につかなかったのかは謎UMAくん

こんなに早く切り替えもできるようになったし

楽しいやりとりができるのに。。。

 

そしてその謎は、10年たった今も

お問い合わせいただいた方のお話から

変わってないことの一つだなと感じています。

 

ぐりさんの教室が、この頃から一般的なピアノ教室カラーから、

療育カラーがどんどん強くなってきた頃。

 

ブログには登場していない自閉症、発達障害、知的障害の生徒さんが

「受け入れてくれるところがなくて」と、

たくさん通ってくださっていました。

今でこそそんなお教室は街中にたくさんありますが、

まだまだそんな時代だったのです。

 

こむずかしいことはエライ人におまかせして

特性、療育のあれやこれやは声の大きな人におまかせして

 

長年 培ってきた知識と経験で

いま、目の前にいる人を笑顔にすることの

お力になれたら嬉しいなと考えています。

 

もう、お越しくださるちびっ子は孫のような感じになりました笑

伸びてしまえびっくりマーク