ハルくん、年少さん。

 ぐりさんの教室へ来てくれるようになって
 2年目に入りました。



療育園にも通い始めて、この半年で真っ黒に日焼けし、
身体もガッチリしてずいぶん重くなりました。
ニコニコ笑顔もいっぱい増えたし、
椅子にも長く座ってこなせる作業もずいぶん増えました。

もちろんピアノも一緒に弾いています♪

 

お母さんの心配は尽きることはないと思いますが、
最近は外食や、お買い物にハルくんと一緒に行くことができるようになりました。
それさえも難しかったこれまでのことを思うと、
本当によかったと思っています。

 

10月のある日のレッスン。
なぜかいつものように机での作業に取り掛かろうとしないハルくん。
「椅子にすわろう!」という声かけも聞かず、別の椅子に座ってグズグズ。

ですが、いままでと違うのは、
ぐりさんとお母さんの顔を交互に伺いながら、

わざとゆっくりしているという感じ。

お母さんにもお願いして目線を外し、無言で待ってみる・・・。

すると、です。
立ち上がり、不思議そうにぐりさんの顔をのぞいて
視界に入ってこようとするではありませんか。

 

お母さんの方へも歩み寄って
「ママ、笑ってよ」と、言わんばかりに懸命に笑って
お母さんに自分を見てもらおうとしています。

こんなこと・・・いままでのハルくんにはありませんでした。
ハルくんに『自分を見てほしい』という感情が芽生えたということです。
そして、お母さんと目を合わせてニッコリしたい、
ニッコリすると嬉しい、そうしたいと理解しているということです。

 

すぐにでも抱きしめて喜びたい気持ちをグッとこらえて、
ぐりさんが机でシール貼りの作業を始めると、
やっぱり僕もしたいと寄ってきます。

「シール好きでしょ?楽しいよ、貼ろう」というと、

コクコクと頷くハルくん。
「じゃ、立っちゃったからゴメンナサイってして座ろうね。

ゴメンナサイ、(真似してね)はい!」


「ごっ・・・・」 

 

と大きな声で言って頭をペコリ。


思いがけない嬉しいハプニングに、

お母さんは思わず涙がホロホロ。


ずっと、この日を待っていました・・・

たとえ一音だったとしても。

 

 

初めて教室でお会いしたハルくんのお母さんは憔悴しきっておられ、
「わたしのせいで、この子が」と、

ご自身を責めてよく涙をこぼされていました。

 

決してお母さんのせいではないのですが、

そんな思いの強いお母さんだからこそのハルくんの成長です。



片道1時間の道のりを運転して毎週通ってくださり、
山笠の渋滞や病院が長引いて遅れた日も、ひとことも不満を言うどころか
「5分でもいいのでレッスン受けてもいいですか?」と。
次の方のレッスン間際まで目一杯レッスンしても、

ほんの10分程度だったにも関わらず
「ありがとうございました。楽しかったねー」

笑顔で帰っていかれたこともあります。

 

素敵なお母さんだなと、ずっと思っていました。

なかなか真似できることではありません。

 

それからヒトは初めてできた感激もいつしか薄れ、

やがて当たり前の光景になる。
それどころか、もっともっとと次を求めてせかしてしまう。
今日のこの瞬間の感動をいつまでも大切にしたいですね。


先週は「ココに座ります」と言ったぐりさんにつられて
「ココ!!」

とハッキリ言えました。

こんな日がくることをずっと待ち望んでいらしたお母さん。
楽しくおしゃべりできる日も、そう遠くないでしょう。

よかった・・。

 

ぐりはいつも信じています。
親御さんの愛情のチカラと、音楽のチカラを。

ハルくん、応援しているよ。

ありがとう。

 

 

  福岡ぐりむ療育とピアノと学習の教室です。別ブログやXの過去記事にコメントを加筆して書いていっています。

 

2011年の記事です。

 

この頃、通園施設に通われるお子さんたちが

たくさんおみえになっていました。

どちらからいらしたのか聞くと、

んぁあ゛魂

と、おもわず声が出てしまうような遠方からの生徒さんばかりなのは

今も変わらずです。

 

長いこと一般的な療育といわれるところでできなかったことが、

レッスンでできるようになる。

ぐりさんも、なぜこれまでできなかったのかが謎目

なことは多々あるのですが、

たくさんの感動的な『はじめての瞬間』に立ち会ってきました。

 

少しでもわかることを、できることを と

親御さんには本当に頭のさがる思いです。

 

しかし、いろんな経緯があり、

今はもう完全に親子分離にしています。

発達障害の特性と関わる難しさは、いろんなところにあるのですUMAくん

 

 

思い描いていた子育てとは全然異なり、

言語表出がなく、意思疎通ができないうえに

癇癪やパニックが強かったりすると、

むしろ追い詰められていらっしゃるご家庭はたくさんおありかと。

 

年齢が上がってくれば、声も大きくなり、力も強くなり、

駆け引きなんかもしてきてスパイラルから抜け出せなくなりますね。

 

そんな様子までも動画にあげてるのをたまに見かけたりしますが、

それはそれでそっと応援しとこうさぎ

どんな情報、環境に触れるかってとっても大切です。

せっせとご自身と ご自身のお子さんのことに集中して

一刻もはやく可愛い盛りを愛でて、

子育ての喜びを一つでも多く味わい、

ご家族でたくさんの思い出を作ってもらいたいと考えています。

 

子どもは あっという間に大きくなります。