「ルーズヴェルト・ゲーム (池井戸 潤著)」読了。

2014年4月~6月のTBSドラマの原作本。昨年、結構楽しみに観ていたのでようやく原作を手に取ることが出来て嬉しい。同じ池井戸作品でも「空飛ぶタイヤ」は原作→ドラマの順で観たので、今回はその逆。
ドラマの感想はこちら。

うーん、やっぱり池井戸作品は面白い。先日読了した「民王」はファンタジーいっぱいだったため何か肩すかしをくった気分だったが、本作品は原点に戻ったと言える企業ドラマ。最後はハッピーエンドで読後感もいい。主舞台ともいえる野球部は廃部になるのだが、下手に全国優勝させたり存続させたりするよりもリアルでいい。

3か月にもわたるドラマではいくつか独自のエピソードが盛り込まれていたが、原作は結構すっきり。長ったらしくなくて数時間で読めてしまう。文系である私はイメージセンサーと言われてもピンとこないが、それでも苦も無く読めてしまうのは著者の筆力なのだろう。「下町ロケット」の時もそうだった。

ドラマを先に観ているので、ついつい俳優のイメージをもって読み進めてしまうのだが、私が魅力に感じた登場人物は笹井専務。ドラマでは江口洋介がクールで若々しい役員という描き方だったが、原作では若干異なっていた。失業時代に経理を独学しただけであるのにそのやる気を青島社長(当時)に買われ、一心に青島製作所に尽くしてきたと思ったら外部からヘッドハンティングされた細川に次期社長の座を奪われる。それでも腐らずに仕事の姿勢がぶれず、ミツワ電器との合併後の社長という甘い餌にも飛びつかず冷静。ラストではそれまで冷たくとらえていた野球部に対して温かい態度をとる。この笹井専務の存在が本作品の面白さを引き立てているのは間違いないだろう。いやあ、実に巧い、池井戸氏!

だんだん、未読の池井戸潤作品が減ってきた。今年中に全作品読めるかな…。
でも既に並行して読み始めている「BT63」はファンタジー系で長くてそれほど面白くないんだよなぁ・・・
私の池井戸潤作品の書評はこちら。
「オレたちバブル入行組
「オレたち花のバブル組
「ロスジェネの逆襲
「仇敵
「ようこそ我が家へ
「鉄の骨」
「銀行総務特命」
「果つる底なき」
「銀行狐」
「下町ロケット」
「空飛ぶタイヤ 上巻」
「空飛ぶタイヤ 下巻」
「金融探偵」
「M1(エムワン)」「架空通貨」
「最終退行」
「民王」
「ルーズヴェルト・ゲーム」
「かばん屋の相続」
「銀行仕置人」
「BT'63 上巻」
「BT'63 下巻」
「不祥事」
「七つの会議」
「シャイロックの子供たち」
「株価暴落」
「MIST」
「銀翼のイカロス」