DVDにて映画「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない 」鑑賞。



今更ながらという感じが強い本作品。
ちなみに、これのコミック版は8年前の2009年に読了し、書評を書いている

2017年の現在もなお、ブラック企業やら過労死やらパワハラやらが陳腐さを失うことなく存在し、政府は「働き方改革」なるものを掲げている。つまり、当時から8年経過した今も労働環境は良くなるどころか、悪くなる一方。そんなことを感じたため敢えて手に取ってみた。

まぁ、いつの時代でも、どこの会社にも性格の悪い奴(品川祐演)や腰巾着野郎(池田鉄洋演)はいるわけだ。そして、仕事により壊れていく人(中村靖日演)もいる。それは今に始まったことではない。

諸悪の根源は、人当たり良さげな人畜無害キャラにもかかわらず、何ら劣悪な労働環境に対処しようとしない社長(森本レオ演)である。違法行為を犯している意識すらないのではないだろうか。

そして、作品の締めも良くない。ブラックな労働環境に耐え乗り越えるというオチであり、「ブラック企業でも頑張れば乗り越えられる」という意識を植え付けさせようとしており、労働者に救いを与えたり、社会に対する警鐘を鳴らしたりという効果はゼロ。こんな映画に影響されて命を落としたり病んだりしたりする人が出なかったことを祈るのみ。

まぁ、今更内容についてぶーぶー言っても仕方がないか。

個人的に良い役者さんだな、と思ったのが3人。

唯一の良識派を演じた田辺誠一。主人公の心のオアシスである暖かいキャラを実に巧く演じていた。最後に主人公を陥れるのではという期待もあったが、綺麗なまま幕引き。

2人目は、生意気な後輩を演じた田中圭。彼はどの作品でも実にヒール役が似合う。「こんな零細会社、俺が乗っ取ってやりますよ!」と宣言し、コツコツと難関に向かっていく態度が印象的。

最後に、腰巾着役の池田鉄洋。私は今までほとんど彼を知らなかったが、思い出せば、「小さな巨人」で嫌味な副署長役を演じていた。あのウザさ、人間の小ささは実に見事な演技である。カッコ良くはないけれど。


ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない [DVD]
小池徹平
アミューズソフトエンタテインメント
2010-04-23