「水滸伝 第六巻 風塵の章 (北方謙三著)」読了。

いつの間にか本作品の3分の1を読了していた。もはや難解さはまったくなく、人物を見失うこともない。心地良いスピードで物語は進んでいく。このあたりは著者の力量が伺える。

前巻で楊志を失った梁山泊は、その後継者として青州の将軍・秦明に目を付け引き入れることに成功。そして対する官軍は梁山泊対策強化のため青蓮寺に聞煥章を送り込む。両軍ともにパワーアップしていくさまが、今後の展開に期待を持たせてくれる。

また、諸国放浪の身の宋江。武松、李逵を従えながらの旅すがら、欧鵬、馬麟(のち王進の下へ修行に出される)、陶宗旺が従者となっていく。彼らは宋江のボディガードという役割を果たすことになる。

本作品には様々なタイプの人間が登場するため、人事の勉強になる。どんなタイプの人間が、どんな部署で力を発揮するかまたは腐るかが存分に紹介されているのである。

例えば本巻では登飛。魯智深を女真の地から救い出してきた功績はあるものの、隊長の器ではない。というより向いていない。自分勝手に動きたがり、命令に従わないこともあり、隊長として指揮をさせると兵を無駄死にさせてしまうからである。
そこで双頭山(秋風山と春風山)の隊長である雷横と朱仝は、登飛に通信の責任者という仕事を割り当てる。初めは不満がるものの、水を得た魚のように仕事にのめりこむこととなる。この通信の技術が後々闘いの重要なツールとなっていくことになるのだが、結果、登飛の人事は成功したといえる。功績ではなく、適応性をもって人事を決定するべしとはよく言われることであるが、中々それが出来ていない組織は多い。例えば、創業社長の片腕となった功労者を役員に据えたはいいが、経営能力が欠如しているという話はよく聞く。

さて、本巻の最後には再び宋江が青蓮寺に包囲されるというピンチが描かれていた。どうやって切り抜けるか、次巻が楽しみである。
水滸伝 6 風塵の章 (集英社文庫 き 3-49)水滸伝 6 風塵の章 (集英社文庫 き 3-49)
著者:北方 謙三
販売元:集英社
発売日:2007-03-20
おすすめ度:5.0
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花粉症のせいで鼻が詰まり、口だけで呼吸をするからか、喉が痛い。

予防薬のお陰で症状はいくぶんかマシではあるものの、これからが本格的な花粉症シーズンである。予防薬がきれたので2週間ぶりに耳鼻科へ。何とかこれくらいでおさまって欲しいものだが。