読書Review
「自転車ツーキニスト(疋田智著)」
TBS社員の疋田智氏による自転車エッセイである。疋田氏は自宅から赤坂のTBSまでの約10kmを自転車で通勤する「自転車ツーキニスト」。

かく言う私も少し前までは「自転車ツーキニスト」だった。現在は名古屋の北部から三河地方の刈谷までの通勤(約33km)であるため自転車通勤は出来ないが、この3月までは6年ほど職場が自宅から15km圏内だったため、天気や気候が良い日に限って自転車通勤をしていた。

例えば3年前の瀬戸オフィス勤務のときは片道14km超だったため、1時間30分を行きと帰りに運転していたことになる。

人からは「無謀な」「通勤だけで疲れちゃわない?」と呆れられるが、やれば出来るものである。お陰で、地理には詳しくなったし、よさそうなお店も発見できたし、足腰も強くなった。もし汗をかいても職場のシャワーを浴びたり、着替えすれば大丈夫。基本的に仕事でスーツを着ないことも功を奏しているかもしれない。

さて本書。

疋田氏は昨今の自転車業界をとりまく環境について嘆いておられる。それは激安自転車の存在である。自転車を安く手に入れられることは我々消費者にとって悪くないことではあるが、その安さは材料が悪かったり、工程が省かれていたり、組立てが粗雑だったりという「犠牲」を前提にして成り立っているという。私も経済的な理由から激安自転車消費者である。15000円も出せば、オートライトや5段変速が付いていて、デザインもそこそこのものが買える。確かに10万円くらいの自転車に乗りたいとも思うが、今まで散々自宅や駐輪場で自転車盗難に遭ってきた私としては、いつ盗られるとも分からない自転車にそこまでお金を掛けられないのだ。ただ、高級自転車は材質や作りの関係から軽くて走りやすいらしく、私も乗ってみたいという憧れはある。

本書ではほとんどが自転車をとりまく文化的エッセイだったが、運転テクニックについても述べられており、参考になった点を挙げてみたい。

「自転車でカーブを曲がるときには内側の方のペダルを上に向け、ペダルは踏まない」

著者はこのテクニックを意識していなかったため、皇居前で横転倒事故を起こしてしまう。カーブで踏ん張ったペダルが地面に触れたらしい。私も今まで意識してこなかったが、気を付けようと思う。

自転車やサイクリングの魅力について語ろうと思えば、それこそこのブログだけでは語り尽くせないほどである。

ただ、興味のない人にどれだけ語っても中々響かず、暖簾に腕押しではあるが。最近は中々自転車で遠出をしていないが、今度妻が娘を連れて実家に帰省したときに出掛けてみようかな。また、一度くらい思いっきり早起きして刈谷まで自転車通勤するのも面白いかもしれない。自転車は私をワクワクさせる。
自転車ツーキニスト (知恵の森文庫)自転車ツーキニスト (知恵の森文庫)
著者:疋田 智
販売元:知恵の森
発売日:2003-06-06
おすすめ度:4.5
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