「警官の血 下巻(佐々木譲著)」読了。

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いやぁ、まさに大河ドラマだった。戦後に警察官として任官した安城清二の長男:民雄、そして民雄の長男:和也の三代記。
昭和から平成の現代に至るまでの一警察官を丁寧に描いており、読み応え充分。改めて佐々木譲の筆力に感じ入った。

2代目の民雄も父親同様、あっさりと謎の死を迎えてしまい、一瞬拍子抜けしたものの、最後は3代目の和也がしっかり締めてくれた。

清二と民雄の死、東京は谷中における戦後混乱期の殺人事件など、謎だらけで進行していくが、そのキーパーソンが最後の最後に明らかにされる。正体はやはりミステリーの王道らしく、作品冒頭に登場した人物。

今まで数多く佐々木譲作品を読んできて、そのほとんどが尻切れトンボな結末だったので、「今回ばかりは勘弁してくれよ!すっきりした結末を見せてくれ~」と祈りながら読み進めるも‥

やはり佐々木譲作品、今回も余韻をたっぷり残し、読書に色々考えさせるような終わり方。幾つかの伏線は回収されないまま、特段の説明もないまま終了。例えば、清二の同期生が警察学校で給料袋を盗まれた件や、和也が上司に彼女を取られた経緯など‥

それでも充分楽しめた。ま、私が佐々木譲作品に慣れてきただけなのかもしれないが。