「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書(和仁達也著)」読了。

著書の作品を読むのは「世界一受けたいお金の授業」、「お金に好かれる人嫌われる人」に引き続き3作品目。

脱サラしてコンサルタントとなり、本書執筆時点でコンサルタント16年目を迎える著書が、年間報酬3000万円超えが10年続くような高額報酬を得るコンサルタントになるためのやり方や心構えが語られている。
image

不思議なもので、本書を読んでいると、いとも簡単に高額報酬が得られる錯覚を持ってしまいそうになる。実に爽やかにかつ論理的に高額報酬を得られる仕組みを公開しており、自分も同じことを真似したら稼げるようになるのでは、と。コンサルタントを夢見る読者が本書を読むと勇気が湧いてくるかもしれない。

が…、

そう世の中は甘くない。

まずは、自分自身が高額報酬を払ってもらえるだけの付加価値を持った人間かを見直さねばならない。
報酬の何十倍も何百倍もそのクライアントに儲けさせるだけの知恵や戦略を持っているのだろうか、と。
更に、良い知恵や戦略を授けてもすぐに飽きられず、顧問契約が延々と続くような「美味しさ」を自分自身が備えているのだろうか、と。

肝心なこの点については、本書に全く述べられていない。

私が不思議に思うのが、著書がMBAや公認会計士はもちろん、税理士や社労士すら持っていない無資格者であり、いったいクライアントに何の知恵や戦略を売っているのだろうということである。

著書いはく、「肩書きがないからこそ、相場に縛られず、高額報酬を要求出来る」とのことだが、私の疑問解決には繋がっていない。

やはり、一番大事なことはこうした書籍には語られておらず、企業秘密ということなのだろう。

おそらく、著書はこうした書には公開していないもの凄いコンテンツを持っているのだと思う。

つまり、本書を読んで高額報酬を得られる人間は極々僅かであり、その僅かな人とは元々独自のコンテンツを持つ人達なのだ。何の付加価値も持たない人、ありきたりな芸しか持たない人が、本書を読んだところで高額報酬が得続けられる訳がない。

著書のコンテンツを教えてもらおうと、著書の開くセミナーやらコーチングやらプログラムに参加しても無駄である。単に著書の私腹を肥やすのに貢献するのみなのだから。

著書はコンサルタントを育てるコンサルティングに力を入れておられるようだが、高額な授業料を払ってそんなものに参加している者は、永久に搾取される側から抜け出せない。

これはネットビジネスや投資教育などと同じであり、成功者が情報弱者をたくさん集めて高額な授業料を搾取する構図と変わりはない。価格設定を敢えて高額にすることで価値があるものと錯覚させ、自分自身の下に子がいて成立するビジネス。悪しきネズミ講やマルチと同じ、とまでは言わないものの…。

年間報酬3000万円超え、というのは、一般のクライアントのみならず、こうした同業者や情報弱者から巻き上げる授業料込みという事実に気付いた読者はどれほどいるだろうか。

とまぁ、随分と辛口な書評になってしまったが、改めて感じるのが著書の頭のキレが素晴らしいこと。

本書のような作品を世に出し続ける限りは、この方は高額報酬を得続けられるのだろうな、と思った。そして、私も何度かお会いしたことがあるのだが、人間性がとても良い。爽やかな語り口と表情、内面からにじみ出る誠実さ。

本書を読んで夢見る読者は儲けられないが、著書は儲け続ける。皮肉だな…。まるで「年収300万円」本を出版して多くの下層階級からの印税で儲け続ける森永拓郎氏のよう。

ちなみに、私はコンサルタントに転身しようという方向性は全くない。人様に与えられるようなコンテンツは持ち合わせていないし、独立して死ぬまで稼ぎ続ける自信もない。

私のようなサラリーマンは、大きく夢を見ず、自分なりに人生を楽しめれば良いのだ。これぞ、サワーグレープか(笑)