「絶対、読んでもためにならない本(矢野通著)」読了。
新日本プロレスで独特の存在感を持つ「崇高なる大泥棒」矢野通。私が大好きなプロレスラーの1人である。そんな彼の著書があると聞き、図書館で借りられないか調べたところ、「該当図書なし」。そりゃこのタイトルだもんな(笑)。と言うわけで購入して読んでみることに。

本作品は、矢野通の半生を自ら振り返ったもの。どこであの崇高なキャラクターが形成されたのか興味津々で読み入ったのだが、どうやらそれは父親の影響が大きいようだ。顔もよく似ているのだが、ちゃっかりした性格や、ずる賢さなどは父親譲り。はちゃめちゃに見えて実はしっかり計算された言動により今の矢野が形成されていったのだろう。例えば、父親の結婚相手の選び方が「体の大きい女性」ということで選ばれたのが今の母親。理由は体の大きい子供を産むことで、自分が成し遂げられなかったレスリングでのオリンピック出場を果たすため。本当に計画通り、体の大きい矢野通が生まれ育ち、オリンピックには出られなかったが、プロレスビジネスで大成功を収めている。
面白かったのが、
「天山と小島がテンコジ警察を名乗っていたが、警察官は公務員試験をパスして警察学校を修了しないとなれないのに、あいつらはパスも修了もしていないから違反だ。一方、私もハサミを持ち出して棚橋の髪を切ってバーバー矢野を名乗ったが、棚橋から散髪代を取っていないから違反ではない」
というくだり。さすが矢野の論理は明確!
今まで数多くの新日本プロレス関連本を読んできた。新日本プロレスがV字回復を成し遂げた要因が棚橋、中邑、オカダというスター選手の存在が大きくクローズアップされることが多いが、矢野通などの名脇役の存在も大きいのだと思う。プロレスはスター選手のみでは成立できないのだから。
いやいや、この作品、読んでもためにならないと謙遜しているが、随所にこの世を生き抜く術が載っており、結構ためになる。もちろん、新日本プロレスファンなら読むべし!
