いっぴきの でんでんむしが ありました。
ある ひ その でんでんむしは たいへんな ことに きが つきました。
「わたしは いままで うっかりして いたけれど、 わたしの せなかの 
からの なかには かなしみが いっぱい つまって いるでは ないか。」
この かなしみは どうしたら よいでしょう。
でんでんむしは おともだちの でんでんむしの ところに やって いきました。

「でんでんむしの かなしみ」  新美南吉より




こんにちは。はぴヨガmasamiです。


前日に続いて、南吉さんです。

絵本は、本当は大人の読み物ではないかなぁと
思うことがよくあります。
大人になったからこそ、味わうことができる。



かなしみを何度も経験したからこそ、でんでんむしにもなれる。



このでんでんむしは、たくさんのおともだちに相談しにいくんです。

そして、誰もが自分と同じだったことを知ります。
みんな 「せなかの からのなか」に「かなしみ」が
いっぱいつまっているということを。


そして、自分のかなしみを受け入れるんです。



いろんな感情を経験したからこそ、
他人に共感することができます。



映画を観て、本を読んで、涙を流すことができるのは、
共感する力があるからです。




子どもは、大人のように泣くことができません。
まだ、共感の力が養われていないから。


うれし泣きやもらい泣きができるのは、人間だけ。

 

「かなしみ」や「くるしみ」や「思い通りにならないこと」は、
「うれしいこと」や「たのしいこと」と同じくらい
わたしたちを豊かにしてくれるものかもしれませんね。


ツライことも、まんざら悪いことでもないかもね。

 

でんでんむしのかなしみ/新美 南吉

ごんぎつね (日本の童話名作選)/新美 南吉
 
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