秋に訪れた折りに 祈祷をしたので
その縁で 送って下さった
おどけた鬼が 踊り笑いながら
災いを振り払ってくれそう
自分の病気を 知れば知るほど
ご祈祷や健康食品で
どうにかなるものではないと 痛感
(このお札は嬉しいです。
他、何事もないように祈ります)
でも 30代はじめの頃は
まだわかっていなかった
だから あんなことも…
ある日 出張 手相占いの広告を目にした
料金はなんと500円
学生の時から 両親が病気
そのため 周りの友人との環境の違いに
不平等さを感じていた
おまけに自分にも 遺伝疾患
思えば 自分の人生は 障害ばかり…
そんなことが頭によぎり
ついつい 会場へ足を運んでしまった
30代くらいの男性と対面し
手相占いが始まった
その時は 特に悪いことも言われずに
続いてなぜか 姓名判断が始まった
「これは…あまり良くない。
あなたの人生は障害だらけです」
当たってる
男性の説明に どんどん吸い込まれ
最後には 全ての元凶が 名前の画数だとしか
思えなくなってきた
名前が災いしてたのね
私が そう納得したところで男性は
「人生 変えたくないですか
変えられますよ」と言い そこで
印鑑購入の話を持ちかけてきた
30万円の印鑑を目にし
少し目が覚めかけて 躊躇していると
「お値段高いですよね?
でも1日300円のコーヒーを我慢すれば
人生が変わるんですよ
安いと思いませんか」と言われ
また男性の巧みな言葉で
呪われた人生の思考が復活しそうになる
私の人生 何とかしたい
いや、これはおかしいでしょ
頭の中で 二人の私が葛藤
そのうち次第に
おかしいと思う私が有利になり
断り続けたけれど 男性は全く引かない
とうとう…押しきられ
契約をするに至ってしまった
ペンを動かしながら
(絶対にこれはヤバイ…詐欺だ…)と
完璧に冷静さを取り戻した私は
男性の反応を確かめたくて こう言ってみた
「私の友人が消費者協会にいるんですけど
時々 悪徳商法の話を聞くので
なかなか信用できなくて…」
私は その時
男性の表情の変化を見逃さなかった
一瞬 視線を反らし 目が宙に浮いた
そして それまでの熱弁とは異なり
少し 上ずった声で
「そうなんですか…?」と言った
あなた…完全に 黒だわね
強気になった私は 騙された振りをして
次は 揺さぶりまでかけた
「まぁ、滅多にそうゆうことも
ないでしょうけど…ふふふ」
男性も ハハ…ハハと笑っていたけれど
帰り際 こう言ってきた
「もしやっぱりいらないと思ったら
30日以内ならクーリングオフできますから」
いえいえ、帰ったら真っ先に
消費者協会に電話をかけますとも
そして無事 契約は無効となり
バカ高い 印鑑を買わずに済んだ
そんな経験をした私は
オレオレ詐欺などには
絶対に引っ掛からない自信があると
自分では思っている
長い私の昔話に
お付き合いして下さって
ありがとうございます