アローラ(こんにちは)。本日もよろしくお願いします。第11話、スタートです。
ハウオリシティを出発した私たちは、スイレンさんと再会し、木の実農家のご夫婦さんの下を訪れました。そこで〝スカル団〟が現れましたが、スイレンさんとチョンチーさんが二人のスカル団さん相手になんと1人で勝利。本当にお強い方でした。
スイレンさんと別れ、私たちはイリマさんの試練の行われる「茂みの洞窟」へやってきました。
ツキ「ここが茂みの洞窟か」
ロトム図鑑「僕にインストールされているメレメレ島マップによれば、ここで間違いないロト!」
ツキ「まぁ、その辺は正確…なのか?」
リーリエ「ここで正確なのなら、イリマさんがいるんじゃないですか?」
ツキ「偶然が合わさりすぎじゃないか? 俺イリマの連絡先とか知らないし、この時間に行くとか言ってないぞ」
イリマ「そうですね。僕もそれを相談しておくべきでした」
ツキ「い、イリマ!?」
イリマ「こんにちは」
突然姿を現したキャプテンのイリマさん。あまりの突然の登場にツキさんも驚きを隠せませんでした。
そして、イリマさんもしっかり時間について話すべきだったと言ってることから、長いこと待たせてしまったことが判明しました。
ポケモンムーン
月 詠 の 記 録
【記録.11】
- ヌシへの挑戦 -
茂みの洞窟
イリマ「ようこそ、茂みの洞窟へ。改めて、キャプテンのイリマです」
ツキ「ここが試練の場所か」
イリマ「はい。初めての試練を前にして、気分はどうです」
ツキ「特に何にも。ただ、結構でかいところは予想外だ」
リーリエ「私はツキさんの試練の様子を応援していますね」
ツキ「あぁ。前のようにはいかないからな!」
ロトム図鑑「マラサダの試練のことロト!」
ツキ「黙れ」
イリマ「あはは。では、僕イリマの説明を始めさせてもらいますよ」
ツキ「説明? イリマとバトルするんじゃないのか?」
ロトム図鑑「確かに」
イリマ「僕とのバトルではありませんよ。試練は各キャプテンの定めたことを第一にクリアしてもらいます。それをクリアした後、第2試練。 ヌシポケモン との対決が待っています!」
ツキ「ヌシ?」
イリマ「はい。この洞窟にはヌシと呼ばれる凄く強いポケモンが住み着いています。第2試練ではそのヌシポケモンと戦い、勝利すること。マラサダの試練でリスペクトしていたのはこの部分ですね」
リーリエ「まずは第1試練ですね!」
ツキ「その第1試練ってなんだよ」
イリマ「あちらを見てみてください」
ツキ「あっちか?」
イリマさんの差す方向を振り向いた先には、洞窟内に存在するいくつかの巣穴。しばらくするとその巣穴からポケモンさんが出てきました。
コラッタ(アローラ)「コラッ」
ツキ「コラッ…タか?」
イリマ「コラッタです。ツキさんはカントーのご出身でしたよね?」
ツキ「あぁ」
イリマ「カントーのコラッタとは違うと思います。アローラの姿ですね。アローラの姿の言い方、しっかり覚えていますか?」
ツキ「アローラの姿の言い方?」
リーリエ「あぁ! この間のイリマさんの特別講義で!」
イリマ「そうです。ここで復習です」
ツキさんはしばらく考え込みますが、ロトムさんがツキさんの発言を待たずに答えを言ってしまいました。アローラの姿の別名は「リージョンフォルム」ですね。
ツキ「とにかくだ。あのアローラコラッタをどうしろってことだ?」
イリマ「はい。ここにはあのように巣穴に隠れるコラッタが3匹存在します。それらを見つけ、戦って勝利してください」
ツキ「結局バトルか!」
イリマ「そうですね。ただし、しっかりと探してください。そして3匹、ヌシポケモンを倒した後、Zクリスタルを手に入れて試練達成とします。ポケモンと息の合ったコンビネーション。それを試します」
リーリエ「モクローさんとツツケラさんとのコンビネーション。ツキさん、頑張ってくださいね」
ツキ「任せろ」
ツキさんに期待はしていますが、これまでスイレンさんやマラサダショップオーナーさんに言われたことが思い当って不安もあります。ですがツキさんは自信いっぱいです。
イリマ「では、始めましょうか」
ツキ「…来い!」
イリマ「イリマの試練、はじめ!」
-
コラッタ(アローラ)A「コラッ?」
モクロー「クロォォゥ!!」
ツキ「そこかぁ! このは!」
モクロー「クロォオォゥ!!」
コラッタ「コラァ…!」
モクローさんの繰り出したこのはがコラッタさんへ命中しました。
ツキ「よし! ツツケラ、コラッタ見つけたか!」
ツツケラ「ケラァ!」
コラッタ(アローラ)B「ラッ!」
ツキ「攻撃? ツツケラ、いわくだき!」
ツツケラ「ケラァ!」
コラッタ「ラァ…!」
モクロー「クロォゥ!」
ツツケラ「ケラァ!」
コラッタ(アローラ)A&B「コラァ…」
前回のマラサダの試練の反省からか、今回はしっかり役割分担して早くも2匹のコラッタさんを撃破。残すは1匹です。
ツキ「あと一匹! どこだ!」
モクロー「クロゥ」
ツツケラ「ケラァ」
ツキ「ひこうタイプ2体だし、予想通り探すのは難しくはないんだけどなぁ…」
モクロー「クロゥ」
ツキ「こうも広いと、残り少なくなった時が大変だな。これが試練…なのか?」
ツキさんがモクローさんに顔を向けて怪訝な顔を見せていると、何やら後ろで騒いでいる連中がいました。
スカル団したっぱB「あのイリマの奴の試練を邪魔してやるヨー、スカル団参上だヨー!」
スカル団したっぱA「でもあいつだよ…」
スカル団下っ端B「かまわないヨー! 行っていいスカ?」
スカル団下っ端A「策は」
スカル団下っ端B「全く!」
スカル団下っ端A「よし行こう」
仲の良いいつものスカル団お二人組が、出撃を決意した瞬間です。
ツキ「見つけたー!!」
コラッタ(アローラ)C「コラッ!?」
ツキ「覚悟しろよ。モクロー! ツツケラ!」
モクロー「クロォォ!」
ツツケラ「ケラァ!」
スカル団下っ端B「ちょーっとちょっと、待つんだヨー!」
ツキ「は?」
モクロー「クロゥ?」
スカル団下っ端A「イリマの試練、邪魔入りにスカル団参上!」
ツキ「まーたお前らか」
スカル団下っ端B「ということは覚えているっスカ! それは嬉しいっスカねー?」
スカル団下っ端A「やっと覚えられたと思えれば。さぁ、手始めにオマエのポケモンを奪ってやる!」
スリープ「スリィ!」
スカル団下っ端B「ズバット!」
ズバット「ズバァ!」
スカル団のおふたりはそれぞれスリープさんとズバットさんを繰り出します。
ツキ「今試練中なんだから勘弁してくれよ…」
モクロー「クロォォォ」
ロトム図鑑「どうするロト?」
スカル団下っ端A「試練の邪魔入り作戦、大成功中」
スカル団下っ端B「このまま行けるっスカー?」
イリマ「僕の試練を邪魔をしているのはあなたたちですか?」
スカル団下っ端B「俺様たちスカル団~♪」
スカル団下っ端A「…? あっ」
スカル団下っ端B「どうしたっスカ? あっ」
イリマ「お仕置きが必要ですね」
スカル団下っ端A&B「イリマー!!?」
イリマ「デカグース!」ポーン
デカグース「デカグゥスッ!」
イリマ「デカグース。戦友を連れてきてもらえますか」
デカグース「デカグゥ!」
ツキ「盟友?」
デカグース「デェェカグゥゥゥゥゥ!!!!」
デカグースさんが雄たけびを上げると、それに応えるかのように、とあるポケモンさんの鳴き声が返ってきました。そして足音がどんどん近づいてきます。
ツキ「…なんだあいつ?」
スカル団下っ端B「なんか来たヨー! なんだあれー!」
イリマ「やぁ、ラッタ」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!」
ツキ「あいつ…ラッタか!」
デカグース「デカグゥ!」
ラッタ「ラッタァ!」
スカル団下っ端A「やばそう」
イリマ「さぁ、同時攻撃です!」
デカグース「デカグゥ!!」
ラッタ「ラタァァ!!」
ドォォンッ
スリープ「スリィ…」
スバット「ズババ…」
スカル団下っ端B「強すぎィ!」
スカル団下っ端A「もう戦えないから帰る!」
そう言い残すと、スカル団さんお二人はあっという間に走り去っていってしまいました。
イリマ「お騒がせしましたね」
ツキ「俺は全然いいけどさ、そのアローララッタはなんだ?」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!」
ロトム図鑑「僕が調べるロト! ラッタ、アローラの姿。ねずみポケモン。あく、ノーマルタイプ。餌の味と頻度にこだわるグルメなポケモン。ラッタの住むレストランは当たりと言われる。」
ツキ「なんか…でかくないか?」
イリマ「アローラのラッタは美食家ですからね通常のラッタより、実に7キロも重いと言われます」
ツキ「ほぉ。そういえばさっきのコラッタどこ行った」
リーリエ「あそこです」
ツキ「おぉいたいた。さーて倒すか」
モクロー「クロォゥ!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
ツキ「っ! なんだよ危ないだろ!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!!」
コラッタ「コラァ!」
ツキ「…なんだ?」
イリマ「なるほど。ツキくん、奥へ参りましょうか」
ツキ「奥?」
イリマ「はい」
イリマさんの言われるがまま、私たちは茂みの洞窟の奥地を目指して進みます。
ツキ「外…?」
モクロー「クロゥ?」
イリマさんとデカグースさん。及びラッタさんに案内されたのは、茂みの洞窟奥地。そしてその最奥に、輝く何かが置いてありました。
リーリエ「ツキさん。あれってもしかして…」
ツキ「あれ? あの光ってるやつのことか」
その光っている何かに近づくと、それが何かがわかりました。
ツキ「Zクリスタル!? って、これ取ったら試練終わりだろ。ヌシいないぞ?」
モクロー「クロゥ」
イリマ「いいえ。もう既に姿を現していますよ」
ツキ「もういる…?」
イリマ「はい」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
ツキ「なっ!」
Zクリスタルの前に、先ほどのラッタさんが立ちはだかりました。
ツキ「まさかヌシって…こいつか」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
コラッタ(アローラ)「コラッ!」
イリマ「茂みの洞窟のヌシポケモン。ラッタ!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
リーリエ「あのラッタさんがヌシだったんですか!?」
ツキ「ヌシってことは…倒すしかないよな! モクロー! ツツケラ! 行けっ!」
モクロー「クロォゥ!」バッ
ツツケラ「ケラァ!」バッ
イリマ「ラッタ、ゼンリョクですよ。ヌシバトル、はじめ!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!!」ゴゴゴゴ
ツキ「なんだ!?」
ラッタさんが突如謎のオーラを纏いはじめました。これはいったいどういうことなのでしょうか。ヌシポケモンラッタさんとツキさんの戦いが始まりました。
ツキ「モクローこのは!」
モクロー「クロォォゥ!!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
ツキ「どうだっ! っ!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
ヌシのラッタさんにこのはが命中です! …しかし、
ツキ「ほぼ無傷かよ。ならこれだ! ツツケラ、いわくだき!」
ツツケラ「ケラァ!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
ツツケラ「ケラッ!?」
ツキ「素早さを落とされた…!」
ラッタさんの「こわいかお」により、ツツケラさんの素早さが大きく落ちてしまいました。
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
ツツケラ「ケラッ・・!」
ツキ「攻撃力も結構あるな…!」
ロトム図鑑「重たい体重が、攻撃力を上昇させているロト!」
ツキ「素早さは下げられるわ、攻撃は一撃が重いわ…ヌシってホント〝ヌシ〟の名前に恥じてないな…! モクロー、ツツケラ! だったらなきごえだ!」
モクロー「クロォォ!」
ツツケラ「ケラァ!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ・!」
リーリエ「攻撃力を2段階減少です!」
ツキ「これならどうだ!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
モクロー「クロォゥ・!」
ツキ「ダメか!?」
ロトム図鑑「体重の重さを利用した一撃…! 攻撃力自体は下がっても、その重みがそのまま来ているロトぉ!」
ツキ「何が効くんだよ…こいつ…! このは!」
モクロー「クロォォォゥ!!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ・!」
ツキ「エコーボイス!!」
ツツケラ「ケラァ!!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ・・!」
ツキ「効いてる。…そういうことか!」
ロトム図鑑「何かわかったロト!」
ツキ「こいつは防御も固けりゃ、攻撃も強い。だが、特殊技には弱い! そっちで攻める!」
ロトム図鑑「なるほど! 名案ロト!」
ラッタ(アローラ)「ラッタ。ラッタァァ!!」
ツキ「なんだ!」
コラッタ(アローラ)「コラァ!」
ツキ「これは…!」
ツキさんがマラサダの試練で苦しめられた、〝仲間を呼ぶ〟です。ヌシのラッタさんに呼ばれ、先ほどのコラッタさんが加戦します。
ツキ「来やがったな…!」
コラッタ(アローラ)「コラァ!」
ツツケラ「ケラッ!?」
モクロー「クロゥ!」
ツツケラ「ケラァ・・!!」
ツキ「でんこうせっかか…!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
ツキ「今度はなんだよ…!」
イリマ「ひっさつまえば。決める気ですね、ラッタ」
デカグース「デカグゥ」
ツキ「ひっさつまえば…! そんな技、受けてたまるかよ! モクロー、このは!!」
モクロー「クロォオッォゥ!!」
コラッタ(アローラ)「コラッ!」
ツキ「コラッタ…っ!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァァァ!!!」
モクロー「クロォォゥ・・!」
ツキ「ツツケラいわくだき!!」
ツツケラ「ケラァァ!!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ・・・!!」
ツキ「決まった!」
ラッタさんがモクローさんへ辿り着くまでもう少しという状況で、ツツケラさんがその間に入り込み、ラッタさんへ効果抜群の「いわくだき」を炸裂させてみせました。
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
ツツケラ「ケラァァァァ…!!!」
ツキ「ツツケラ!」
モクロー「クロゥ!」
ツツケラ「ケラァ…」
リーリエ「ツツケラさんが!」
イリマ「モクローを庇うことはできたものの、力尽きましたか」
ツキ「だが…、これで行くしかないだろ! モクロー、つつく!」
モクロー「クロォォゥ!!」
コラッタ(アローラ)「コラァ!」
ツキ「でんこうせっか、かかってこいよ!」
モクロー「クロォオッゥ!!」
コラッタ(アローラ)「コラァ!!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
リーリエ「ツキさん! モクローさん! 上!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
コラッタさんの「でんこうせっか」に対抗したモクローさんの上を、ヌシのラッタさんが取ってしまいました。このままではモクローさんは挟み撃ちです。
ツキ「勝負だラッタぁ! 飛べモクロー! たいあたり!!」
モクロー「クロッ! クロォォゥッ!!」
コラッタ(アローラ)「コラッ!?」
イリマ「攻撃対象の変更!?」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!」
モクロー「クロォォォォゥ!!」
リーリエ「正面からのぶつかり合い…!」
ロトム図鑑「モクローじゃパワー負けするロトー!!?」
モクロー「クロォォォゥ!!」
ツキ「誰がいつどこで正面から戦うって言ったぁ! モクロー、旋回しろ!」
モクロー「クロォォゥ!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!!?」
イリマ「ぶつかり合いを避けた…!」
勢いを乗せたたいあたりで、ラッタさんの上空からの落下攻撃を旋回で対処してみせたツキさん。モクローさんはそのまま上空へ。そしてラッタさんは、仲間のコラッタさん目がけて突っ込んでいきます。
コラッタ(アローラ)「コラァ!!?」
ラッタ(アローラ)「ラァァ!!!?」
ツキ「どうだっ!」
コラッタ(アローラ)「コラァ…」
ラッタ(アローラ)「ラァァッッ・・・!!」
今の激突で、コラッタさんは力尽き、ヌシのラッタさんもかなりのダメージを負っています。そして上空を占拠したモクローさん。ツキさんの指示は、もう決まったようなものでした。
ツキ「このは!!」
モクロー「クゥゥゥウロォォォォオッゥ!!!!」
ラッタ「ラッ…タァァァァァ…!!!」
モクロー「クロォォゥ!」
モクローさん渾身のこのはが、大きなヌシのラッタさんを空中へと吹き飛ばしました。その後、その大きなラッタさんは地面へと砂埃と衝撃を起こして落下しました。
ラッタ(アローラ)「ラ…ラッタァ…」
ツキ「…勝った」
モクロー「クロォォゥ!」
イリマ「…素晴らしいトレーナーです。ツキくん。僕たちで鍛えたラッタを、倒されてしまいましたね」
デカグース「デカグゥ」
リーリエ「やりましたね! ツキさん!」
ツキ「あぁ! やってやった!」
モクロー「クロゥ!」
ツツケラ「ケラァ!」
イリマ「ラッタ。協力、ありがとうございました」
デカグース「デカグゥ」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ」
イリマ「ツキくん」
ツキ「…試練達成だよな?」
イリマ「はい。とても良いコンビネーションでした。最後のラッタの激突ダメージ。あれはツツケラのいわくだきによる防御力ダウンが響いていたことからでしょう。イリマの試練、達成とします!」
ツキ「じゃあ、あそこのZクリスタルを…」
イリマ「はい。お取りください」
ツキさんはZクリスタルが輝く壇に近づき、モクローさんとツツケラさんの見守る中、Zクリスタル、 ノーマルZ を手中に収めました。
ツキ「ノーマルZ! ってことは、前イリマが使ってた奴か」
イリマ「そうです。ノーマルタイプの技を使うポケモンに持たせて、このポーズで発動します。やりますから、見ていてくださいね」
そう言うとイリマさんは、ノーマルZを使用したZワザのポーズを始めます。
両腕を顔の前で交差させ、その後両腕斜め下の角度へと振り下ろし、胸の前で両腕を前方に組み、Zワザ発動を促せるポーズをとりながら、イリマさんは続けます。
両手を右下の角度へと上半身ごと傾けた後、体を起こし、左上を見つめながら左腕を斜め上へ、右腕を斜め下にまっすぐ伸ばし、右手を握り締めた状態で胸の位置で右腕の肘を「一」の字になるように曲げ、左腕の肘を額の高さでこちらも「一」の字になるように曲げ、左右の腕の形が美しい「Z形」を描きます。
ツキ「それがポーズか」
イリマ「はい。ウルトラダッシュアタック、決めてあげてください。ちなみに、なきごえのようなノーマルタイプの補助技にも使用できますからね。試してみてください」
ツキ「そのうちな。…これで一応、Zクリスタル1個目なのか」
リーリエ「クサZは色が消えてしまって、今は使えませんからね」
ツキ「こいつはいつ、また使えるようになるんだろうな」
モクロー「クロゥ」
イリマ「改めて、試練達成おめでとうございます!」
デカグース「デカグゥ!」
ラッタ(アローラ)「ラッタァ!」
ツキ「あぁ、ありがとうな」
モクロー「クロォゥ!」
ツツケラ「ケラァ!」
そして私たちは、茂みの洞窟を出た先のポケモンセンターへ戻ります。その中で、ツキさんの左腕につけたZリングに、Zクリスタル「ノーマルZ」が輝いていました。
◆ ヌシへの挑戦 ◆
旧タイトル:【記録.11】ヌシへの挑戦