アローラ(こんにちは)。本日もよろしくお願いします。第7話、スタートです。

 先日、ククイ研究所で、ツキさんとハウさんは島巡りの証を授かり、本格的に島巡りの挑戦者となりました。このまま島巡りを開始してもよいとは思ってましたが、ククイ博士がツキさんとハウさんのために、どこかへ申請したようです。

 そこは…


ハウオリシティ-トレーナーズスクール

生徒「新入生来るって知ってるか!」
生徒B「ホントか!」
生徒「あぁ! それに3人だ!」
担任教師「はいみんな座って」
生徒たち「はーい」
担任教師「本日は、新しいお友達を紹介します。さ、入って」
生徒たち「どんな奴だ…?」
 教室の扉を開け、男の子が入室しました。担任の先生に言われるままに、自己紹介を始めます。
ツキ「ツキだ」


ポケモンムーン
  月 詠 の 記 録


【記録.7】
お試しスクールライフ -


ツキ「なに考えてるんだよあの変態博士!」
 一日の授業が一通り終了し、私たちはトレーナーズスクールのちょっとした広場に集まっていました。トレーナーズスクールに入れられたのはツキさんだけではなく、私とハウさんも同じです。クラスは違いますが。
ハウ「でも学校も面白いよー。ねーアシマリ」
アシマリ「マリー!」
リーリエ「そうですね。この感覚はなんだか久しぶりです」
ツキ「バトルはまともにないし、授業は当たり前のことばかり…。なんだかなぁ…」
リーリエ「これは私の推測ですが、ククイ博士は、島巡りに旅立つ前の事前予習というものを用意したかったのではないでしょうか」
ツキ「事前予習…か」
ハウ「ところでさー、俺おなかすいたよー。みんなでマラサダ食べて帰らない?」
 ハウさんの立案で、私たちはハウオリシティにあるマラサダショップに立ち寄ってから、それぞれ帰宅しました。

 そして翌日。今日は各クラス合同の授業があるらしく、ツキさんのクラス。私とハウさんのクラスが一緒に授業を受けます。
女性教諭「はい。それでは皆さん。今回の授業の説明を改めて行います。今回、皆さんには、ツキくん、そしてハウくんのレッスンに協力してもらいます。」
生徒たち「レッスンの協力?」
女性教諭「はい。彼らは島巡りへ挑戦するトレーナー。丸一日スクールライフを楽しんでもらった後、このレッスンをお願いされたのです。ククイ博士からですね」
 ククイ博士からの申し出と聞き、生徒の皆さんは驚きの声を上げています。
ツキ「バトルか!」
男子生徒B「お前、そんな強いのか! レッスンって相当きついぞ?」
ツキ「楽勝だろ」
 ツキさんは余裕の表情を浮かべています。
男子生徒C「大丈夫か、ハウ」
ハウ「みんな強いんだよねー。あははー」
 ハウさんもハウさんで、余裕そうに見えます。
女子生徒D「リーリエちゃんは…何もないのね」
リーリエ「はい。私は戦うことのできるポケモンさんを持っていませんからね」
 カバンの中え暴れるほしぐもちゃんを隠すことで精一杯です。
女性教諭「ツキくんとハウくんには、4人の生徒、または先生と戦ってもらい、1敗もせずに勝利することをレッスン成功の条件とさせていただきます。よろしいですね?」
ツキ「バトルさせてもらえるなら」
ハウ「俺たちも頑張るよー」
リーリエ「私、応援していますね」
ツキ「任せろ」
 戦う生徒さんは、生徒さんたちからの推薦で3名。そして、最後の1人はクラスメイトさんからの情報によると、あの担当の女性の先生と戦うことになることが多いそうです。
女性教諭「では、授業を始めます。ツキくん、ハウくん。前へ」
ツキ「最初はどいつだ」
ハウ「ドキドキしてくるよねー」
男子生徒E「ツキさんの最初の相手は俺だ! 負けないぞー!」
女子生徒F「ハウさん、よろしくお願いします」
ツキ「お前からか」
ハウ「よろしくねー」
男子生徒E「トランセル!」
トランセル「セルゥ」
ツキ「行くぞ、モクロー!」
モクロー「クロォゥ!」
女子生徒E「お願い、レディバ!」
レディバ「ディバ!」
ハウ「アシマリー!」
アシマリ「マリー!」

 それぞれポケモンさんを繰り出し、準備万端です。
女性教諭「始めてください!」
男子生徒E「かたくなる!」
トランセル「セルゥ」
男子生徒E「防御力を上げれば、攻撃は通りずらくなる。防御は最大の攻撃!」
ツキ「このは!」
モクロー「クロォォゥ!!」
トランセル「セル・!」

 「このは」が決まりました! …しかし、あまりダメージは与えられていないようです。
男子生徒E「このははくさタイプの技! むしタイプのトランセルには効果いまひとつだよ!」
ツキ「そうだな」
男子生徒E「次はこれ! いとをはく!」
トランセル「セルゥ!」
モクロー「クロッ!?」
男子生徒E「よし! これでモクローの動きにくくした!」
 「いとをはく」は、対象ポケモンさんの素早さを下げてしまう技。自身の防御を上げ、相手の素早さを下げる。これも、補助技で成すことができる戦術です。
ツキ「そう簡単には負けねぇよ。つつくでいとを切れ」
モクロー「クロォゥ!」
男子生徒E「あぁっ!」
ツキ「つつく!」
モクロー「クロォゥ!」
トランセル「セルゥ…!」

 モクローさんを縛っていた糸を「つつく」で切り、そのまま「つつく」で反撃です!
ツキ「このは!」
モクロー「クロォォゥ!!」
トランセル「セルゥ…!」
男子生徒E「あっ!」
モクロー「クロゥ!」
トランセル「セルゥ…」
女性教諭「トランセル戦闘不能。勝者、ツキくんとモクロー!」
生徒たち「おぉ!!」
ツキ「どんなもんだ」
モクロー「クロゥ!」
 自身の防御を上げたはいえ、ひこうタイプ「つつく」は効果抜群。それに、くさ・ひこうタイプのモクローは、ひこうタイプの「つつく」は同じタイプの技で、威力も上がるのです。
ハウ「アシマリー、みずでっぽう!」
アシマリ「マリー!」
レディバ「ディバ…」
女性教諭「レディバ戦闘不能。勝者、ハウくんとアシマリ!」
ハウ「楽しかったー!」
アシマリ「マリー!」
リーリエ「お二人とも、まずは1人目撃破! ですね」
ツキ「あぁ。次はどいつだ」
 それぞれ2人目の生徒さんが前へ出てきて、第2戦が始まります。

ツキ「モクロー、このは!」
モクロー「クロォォゥ!!」
ウソハチ「ウッソー…!」
女子生徒G「ウソハチー!」
ウソハチ「ウッソ…」
モクロー「クロゥ!」
女性教諭「ウソハチ戦闘不能。勝者、ツキくんとモクロー!」

ハウ「行くよアシマリー! チャームボイス!」
アシマリ「マァリィ!!」
ピンプク「プクゥ…」
女性教諭「ピンプク戦闘不能。勝者、ハウくんとアシマリ!」
ハウ「やったねアシマリー!」
アシマリ「マリー!」

ツキ「ツツケラ同士の戦いか。エコーボイス!!」
ツツケラ(ツキ)「ケェラァ!!」
女子生徒H「負けなんだから! エコーボイス!!」
ツツケラ(生徒)「ツツー!!」
女子生徒H「技の威力は互角…。あっ!」
ツツケラ(ツキ)「ケラァ!!」
ツツケラ(生徒)「ツツ!?」
ツキ「つつく!」
ツツケラ「ケラァ!」バァン
ツツケラ(生徒)「ツツー…!!」
女子生徒H「ツツケラ!」
ツツケラ(生徒)「ツツー…」
ツツケラ(ツキ)「ケラァ!」
女性教諭「ツツケラ戦闘不能。勝者、ツキくんとツツケラ!」
ツキ「ツツケラ対決は俺の勝ちだな」
ツツケラ「ケラー!」

キャモメ「キャー!」
ピチュウ「ピチュ!」
男子生徒I「頑張れキャモメ! 相性だからって負けないぞ!」
ハウ「追いかけるよピチュー! でんじはだよー!」
ピチュウ「ピチュ!」
キャモメ「キャー・・!!」
男子生徒I「しまった! 麻痺状態…!」
 状態異常、麻痺。それは、素早さを下げ、さらには攻撃できる可能性をも下げてしまう状態異常です。キャモメさんのスピードが、先ほどより格段に落ちています。
男子生徒I「お、追いつかれるー!!」
ハウ「でんきショックだよー!!」
ピチュウ「ピィチュゥウ!!!」
キャモメ「キャメー…!!」
ピチュウ「ピチュ!」
キャモメ「キャー…」
女性教諭「キャモメ戦闘不能。勝者、ハウくんとピチュー!」
ハウ「やったねー!」
ピチュウ「ピチュ!」

 ツキさん。ハウさん。お二人とも、生徒さんをそれぞれ3人撃破です。残るは1人ですね。

ツキ「次が最後か」
女性教諭「はい。次が最後です」
ツキ「…先生?」
女性教諭「はい。私が相手をします。我が教え子を倒したあなたは凄いですね」
ツキ「自分で自分褒めてる?」
女性教諭「それだけ自慢の生徒たちということです。では、ツキくん。あなたから行きましょう」
ツキ「あぁ」
ハウ「ツキー! 頑張れー!」
アシマリ「マリー!」
ピチュウ「ピチュ!」
リーリエ「頑張ってください、ツキさん」
女性教諭「では、私から手の内を明かしましょう。コイル!」
コイル「ジリリ」
ツキ「コイル…!」
リーリエ「あっ」
ハウ「どうしたの?」
リーリエ「まずいですよ…」
 先生の繰り出したポケモンさんはコイルさん。ツキさんのポケモンさんは、モクローさんに、ツツケラさん。でんき・はがねタイプのコイルさんには、どちらも不利であり、技から見ても、対抗打がありません。
ツキ「…さっそく試す時が来たらしいな」
リーリエ「…え?」
 現在のツキさんのポケモンさんたちでは、申し訳ありませんけど、対抗しにくいというのに、ツキさんはどこか余裕の表情です。
ツキ「ツツケラ!」
ツツケラ「ケラァ!」
ツキ「行くぞ。つつく!」
ツツケラ「ケラァ!」
ドォンッ
コイル「ジリリ!」
ハウ「効いてないよ!」
 効果いまひとつに加えて、コイルは防御力の高いポケモンさんです。ツツケラさんの攻撃に、ビクともしていません。
女性教諭「今度はこちらの番です。でんきショック!」
コイル「ジリリ!!」
ツキ「っ…! エコーボイス!!」
ツツケラ「ケェラァァ!!」
 2つの技が相殺しました。
ツツケラ「ケラァ・!!」
ツキ「飛べツツケラ!」
ツツケラ「ケラッ!」
女性教諭「逃がしませんよ。マグネットボム!」
コイル「ジジジ!!」
ツツケラ「ケラ! ケラァ!!」
 空を味方に付けることのできるツツケラさんが、マグネットボムから逃れます。そして、少しずつコイルに近づいていきます。
ツキ「行けっ!」
ツツケラ「ケラー!!」
女性教諭「あの体勢。つつくでしょうか。でんきショック!」
コイル「ジリリ!!」
ツキ「突っ込めー!!」
ハウ「うそー!!?」
リーリエ「えっ!?」
ツツケラ「ケラァァ!!!」
ビリリリ
 無謀にも、ツツケラさんは、コイルさんの放ったでんきショックへと飛び込んでいきました。コイルさんにとっては、効果抜群に加え、タイプ一致。ツツケラさんが一撃で倒れてもおかしくない。そんな技の中に、飛び込んでいきました。
女性教諭「自分から…倒されに来たの?」
ツキ「…」
女性教諭「…ふ。惜しかったですね」
ツキ「残念だったな。その言葉、そっくり返してやるよ」
女性教諭「え?」
 先生が不思議そうに返答すると、でんきショックが乱れていきます。
女性教諭「こ…これは!?」
ツキ「行けツツケラ!! いわくだきだ!!」
ツツケラ「ケェラァァァァ!!!」
女性教諭「ま、まさか! いわくだきででんきショックを!?」
ツキ「ご名答!!」
ツツケラ「ケラァ!!」

 なんとツキさんは、ツツケラさんに効果抜群な「でんきショック」を、「いわくだき」を使って打ち破って見せたではありませんか。
コイル「ジリリ!!?」
ツキ「いわくだき!!」
ツツケラ「ケェラァ!!」
コイル「ジリリリリ…!!!」
ハウ「やったー!!」
アシマリ「マリー!」
リーリエ「いつの間に、ツツケラさんが新しい技を…!」
 先日のククイ博士との戦いで、イワンコさんに対してのツツケラさんの有効打がないと言っていましたが、ツキさんはその課題を克服していました。
コイル「ジリリ…!!」
ハウ「効果抜群! それに、防御力も下がったよ!」
ツキ「もう一度、いわくだきだ!!」
ツツケラ「ケェラァァァ!!!」
女性教諭「くっ…! コイル、でんきショック!」
コイル「ジリリ!」
ツキ「早いのは、ツツケラだー!!」
ツツケラ「ケェラァァ!!」
コイル「ジリリリ…!!」
女性教諭「あっ!」
コイル「ジ…リリリ…」
ツキ「俺の、勝ちだ」
ツツケラ「ケラァ!」
生徒たち「やった! やりやがったー!!」
ハウ「やったねツキー!」
アシマリ「マリー!」
ピチュウ「ピチュ!」
リーリエ「以前の課題を克服しての掴んだ勝利! ですね」

女性教諭「おめでとう。完敗です。まさか、でんきショックをあんな風に突破するとは、驚かされました。」
ツキ「相性悪いからな」
女性教諭「そうですね」
 ツキさんと先生が話していると、学び舎から1人の青年が出てきました。
青年「実に面白い勝負でしたね」
ツキ「…誰だ?」
リーリエ「えっと…」
女性教諭「あなたも見ていましたのね。 イリマ くん」
ツキ「イリマ?」
ハウ「あーっ! この人、確かメレメレ島のキャプテンだよ!!」
ツキ「キャプテン? キャプテンって…7人いるっていう…あのキャプテンか!?」
 ツキさんにハウさん。島巡りに置いて重要な人物となるキャプテンの登場に驚いています。そして、イリマと名乗る青年は、改めて自己紹介を行います。
イリマ「はい! 僕が、 キャプテン のイリマです」
 トレーナーズスクールのレッスンでポケモンバトルについて実践演習で学び、キャプテンのイリマさんの登場。島巡りはまだ、始まったばかりです。



◆ お試しスクールライフ ◆

 

 

 

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