「私の名は、叶絵コウノ。あなたたちがアルターの親友」
“Run“ことユランとその妹・ヒユリの前に立ち、対戦席に座るAKIの隣に座る1人の少女。その手にはヴァンガードのデッキが握られている。
「AKI、チームのもう1人って話は…この人のことか?」
「どうやら、彼女のようだね。アルターが寄越した代理人…と言うべきかな」
バーチャルストリーマー・アルターの代理人として、ユランたちの前に現れたという「叶絵コウノ」と名乗る少女。
AKIがユランを誘ってチームを組んだ3人目が彼女であると言うが…。
ヴァンガードファイター・「Run」。カードゲームを通じて様々な出会いと経験を果たす物語。
チャンピオンシップに向け、ついにチーム結成!とは、思うようにならないようでー。
ヴァンガード Extend-Run.
数日前―。
「負けたー!」
「惜しかったね、ユラン」
この日も、ユランはAKIと共にカードショップ・leadingでヴァンガードのフリー対戦に励んでいた。
「この間の新弾のカードでデッキを強化したけど、オーダーカードが増えた分ガードに回せるカードも減っちゃったんだよなぁ…」
「ユランのデッキはそういうデッキだから、割り切るしかないね。“アテナイアー”の強みはオーダーカードを複数使えること。そしてオーダーカードを使った分強力なユニットを用意できることだけれど、その分シールドを持たない使い切りのオーダーカードを複数デッキに組み込む必要がある」
「けど、爆発力は前とは全然違う。攻撃力はかなり上がった…!」
「そうだね。ピースが揃った時の今の“アテナイアー”の出力は脅威だ。その出力を出すための構築は、見ていて理解できた。後はその構築をキミが生かせるか…」
デッキについての雑談を交わしていると、AKIのスマホが鳴った。AKは確認すると、どうやらアルターからのようだ。
「アルターからだ。…チームのことね」
「チーム…か。そういえば、大会は1チーム3人だろ? もう1人はどうするんだ?」
「目星は付けている。というか、決まっているかな」
「そうなのか!? 誰だ?」
「今度、彼女に出会う機会を作っている。彼女からの招待がちょうど今来たね」
そう言うと、AKIは今来たばかりのアルターからのメッセージをユランへと見せる。
「それアルターじゃん。じゃあ、チームのもう1人はアルター!?」
「よく見るんだ、アルターは人を紹介すると言っているだろう? その人物と今度会う機会を作ってくれたわけさ」
「ほんとだ。つまり、アルターの紹介した人ってことか」
「次の日曜日。場所はここleadingだ。その日は空いているよね?」
「あぁ。なんとか。その日にチームが初めて揃うってことか」
「そうなるね。よし、今日はここまでにしよう。また次の日曜日にこの場所で会おう」
AKIは一足先にカードショップ・leadingを後にする。
チャンピオンシップまで残り約1か月。2か月前に初めて出場したショップ大会でAKIに出会ってから、ユランはAKIや、紹介されたアルター、そのアルターから紹介された熱と言ったファイターたちと出会いその実力を磨いてきた。
そして迎えた新弾での所持デッキ、ストイケイア・“アテナイアー”の強化。デッキの中のカードが複数変更され、慣れ親しんだ構築から変わったという初めての転換期を迎えた。
以前、新弾で追加されたカードを熱にデッキ相談に乗ってもらいながら構築した今のデッキ。AKIとのファイトではその変化を実感したものの、まだ使いこなせているとは言い難い状況。
「まだ…時間はある。大会までに、もっと俺がこのデッキの理解を深めないとな…」
今日AKIと対戦して得た知識と実績と共に、ユランは帰路へ着いた。
―ユラン宅
「ただいまー」
「あ、おかえりお兄ちゃん! 今日は遅かったね、AKIさんとずっとやっていたの? もうアルターちゃんの配信始まってるよ」
自宅へ帰ってきたヒユリは、既に家事当番もすべて済ませて寛ぎやすい恰好をしていた。タブレットでアルターの配信を見ているようで、相変わらずアルターの配信にくぎ付けだ。
「あぁ。次の日曜日にやっとチーム揃うって」
「ほんとに! 私も行こうかな! お兄ちゃんとAKIさんのチームメンバー気になるし!」
「それが、アルターが紹介してくれるみたいなんだよな」
「アルターちゃんの紹介? 前の熱さんかな?」
「正直、熱とは考えにくいんだよな…。なんか、前アルターから熱にAKIのことは話すなって言われてるいるし、実際AKIにもなるべく熱のことは離さないようにしているけど」
以前アルターから熱を紹介された際、ユランは熱と出会うことに対してアルターから注意を受けていた。そのことの真意についてはわからないが、ユランはその注意を聞いてこのことに関しては少し気を付けている。
「なら…アルターちゃんの他の知り合いってことだね。その人、AKIさんのことは知っているのかな?」
「それはわからないな。AKIもアルターを通してその人のことを聞いていたみたいだし」
「へぇ~。けど、アルターちゃんの紹介したファイターは熱さんみたいな強豪かもしれないし、チームメイトとしては申し分ないよね! AKIも加えて、お兄ちゃんのチームは安泰だね!」
「あとは俺だな…。ヒユリ、ちょっと付き合ってくれるか?」
「アルターちゃんの配信が終わってからね~」
ヒユリはタブレットに向き直り、相手にされなくなったことを感づくと、ユランは一先ず着替えに部屋へと上がっていった。
―そして次の日曜日。
カードショップ・leadingへとやってきたユランとヒユリ。どうやらAKIと、アルターからの紹介者はまだ到着していないようで、2人は一先ずカードシングルコーナーを見ながら到着を待つことに。
「やぁユランくんにヒユリちゃん。おっと、ユランくんはRunくんだったね」
「小幅さん、お疲れ様です」
ユランたちに話しかけてきたのは、このショップの店員であり自身もヴァンガードファイターである小幅 イチキ。以前ユランとファイトした時には勝利しており、ユランが初めて使ったデッキである“オーバードレス軸ニルヴァーナ”を強化したグレード4デッキを使用している。
「今日もAKIと待ち合わせているのかい」
「はい。まだ来ていないみたいですけど…。珍しいな」
「珍しいって…AKIさんの方が先に来ていること多いの?」
「まぁな。…そういう日もあるから、対して気に掛けることでもないけど」
「それにleadingでやるってことはアルターちゃん、今日は来ないんだよね」
「紹介するとしか聞いてないし、いないだろうな」
「ま、ゆっくりしていくといい。それはそうと、新弾の爪牙オーダーカード。もう手に入れた?」
イチキはショーケースの中にある、その新弾で強化された“アテナイアー”に新たに与えられた爪牙オーダーカードを見ながら問いかける。
「はい。ゲットしました! このカードのおかげで、先攻も強くなったし、最大出力も上がって!」
「それはよかった! 今回の収録カードの中でもかなり強い1枚だと思うから、手に入れたか気になってね。けど、手に入れることができたみたいで安心した!」
「この間新しいお兄ちゃんのデッキとファイトしたけど、一方的に私が負けるか、その逆だったんです。あのカード強いですね!」
先日あれから数戦ユランとヒユリはファイトしたが、ヒユリの現段階のデッキも以前アルターとのファイトで使用したコンボ重視のデッキとなっていたため、お互いにパーツが揃った時に爆発的な出力を出せるデッキ同士の対戦となった。
結果、先にその出力を出した方が勝つという非常にわかりやすいファイトになっていたようだ。
「なるほどねぇ。まさに暴れ馬、乗りこなせるかはそのデッキを使うファイターの技量が問われるということだ。面白いデッキになったじゃないか! いやぁ勧めた僕もいいデッキを進めたなぁ」
そう言って笑っていると、AKIがショップに到着したようで、ユランたちを探し始めていた。
「あ、小幅さん。AKI来たんで、俺たちはこの辺で」
「それじゃあまた~!」
「あ、あれ? あぁ! 今日もがんばれよ~」
……
「AKI、お疲れ様」
「こんにちは!」
ユランとヒユリは、一足先に対戦席へと着いたAKIを追って声をかける。
「やぁ、ユランにヒユリ」
「その人は?」
AKIの隣には、1人の少女が座っていた。少女はうつ向いた顔を上げユランとヒユリに目を合わせる。
「私の名は、叶絵コウノ。あなたたちがアルターの親友」
その手にはヴァンガードのデッキが握られている。
「AKI、チームのもう1人って話は…この人のことか?」
「どうやら、彼女のようだね。アルターが寄越した代理人…と言うべきかな」
バーチャルストリーマー・アルターの代理人として、ユランたちの前に現れたという「叶絵コウノ」と名乗る少女。
AKIがユランを誘ってチームを組んだ3人目が彼女であると言うが…。
「あなたたちかぁ。私のチームメイト」
「わ、わたしは違いますよ!」
ヒユリは間違えられていると焦ったのか慌てて手を振っている。
「知っているよ。ヒユリン。私がチームを組むのは、隣のAKIくんと…ヒユリンの隣のお兄さんのRunくん」
「ヒユリンって呼び方、それに俺のことも知っているんですか…」
「それくらいの前情報、アルターから聞いているから。じゃあAKIくん、とりあえずチームが全員対面したことだし、さっさとチーム登録しちゃおうよ」
「そうだね。Run、チーム登録はもちろん初めてだよね」
「チーム登録…?前のショップ大会でいう参加登録と同じようなものか」
「うん。今からやるから、改めてキミの登録名と使用国家を教えてほしい」
「名前はRun。国家はストイケイア…」
それを聞くと、AKIは持参したタブレットからチャンピオンシップの参加登録画面を開き、使用者名とその使用国家を入力していく。
「私はダークステイツ。登録名は…そうだな。Kさんかな」
「Kさん…、コウノさんはダークステイツ使うんですね!」
「アルターの代理だからね。私も彼女と同じデッキを使おうと思っているの」
「つまり、ギィルゼクスを使うんだ!」
「アルターと同じデッキなら、前ヒユリとの試合を見ているから俺たちにもわかりやすいな」
AKIはチームの入力を続け、以下のように入力した。
1.プレイヤー名【Run】使用国家【ストイケイア】
2.プレイヤー名【Kさん】使用国家【ダークステイツ】
3.プレイヤー名【AKI】使用国家【ケテルサンクチュアリ】
チーム名【】
「あとはチーム名だね。何かいい案はあるかな」
「チーム名は任せるかな。Runくん、いい案ある?」
「えっと。うーん」
「『エクステンド』」
そう言って、4人のもとへ来たのは店員の小幅。
「エクステンド、悪くないですね」
「私も、異議はないかな」
AKIとコウノはすんなり賛成。
「キミたちは今個人個人だ。だけど、チームとなることでその輪を広げていく。そう意味を込めて…『エクステンド』! 2人は納得してもらっているみたいだ。AKIくんは?」
「俺も、いいと思います! AKI、チーム名はこれで行こう!」
「3人とも納得みたいだね。チーム名は『エクステンド』。これで決まりだね」
「チーム結成だね! お兄ちゃん!」
「ちょっと待って」
チーム結成! となる展開を遮ったのは、コウノだった。
「Runくん。アルターから聞いているけど、あなたは熱と接触したでしょう」
「熱…? あぁ、確かに。…あっ! この名前をAKIの前で出すの」
ユランは以前アルターから忠告されたこと。“AKIの前で、熱の名を出すな”。この忠告を改めて思い出し、思わずAKIの方を見る。
「…どうしたんだい? Run」
しかし、その割には思ったよりもAKIの反応はなかった。
「それにしても、Kさん。ずいぶんと情報通のようだね」
「知っているよ。けど、Runくんはそれを知らない。あなたとチームを組む以上、このことは知っておかなければならないとは思わない? AKIくん」
「僕はどちらでも。あくまでも僕たちはヴァンガードのチャンピオンシップでチームを組む同士であるということだけだよ」
「…そ」
Kさんこと“コウノ”の振りかけた話題を簡潔に収めたAKI。その2人に対し…
「待ってくれ。AKIに何か事情があったとりても…それでも、組むよ。俺はAKIからこの話を持ちかけられたんだ。だから、AKIにどんな理由があっても、俺はAKIとチームを組む!」
「…へぇ、Runくん。思ったより頑固なんだね。ちょっと意外かな。いいよ、その代わり私と勝負してよ。AKIが認めたその実力、実際に私に見せてもらおうかしら?」
AKIに隠された謎を知ろうとすることもなく、AKI自身から持ち掛けられた話を実際に了承したことからAKIとチームを組む姿勢を曲げないユラン。
そのユランに対し、AKIも認めた実力を試したいとコウノ(Kさん)はユランに勝負を申し込む。
「チームを組むんじゃなかったんですか…?」
「それとこれとは別。このファイトで私を失望させるようなことがあったら…、私はあなたと同じチームを組む気にはなれない!」
「AKI…、どうする」
「僕とチームを組むことに了承してくれた。それはキミの選択。ならば、キミの選択はどうだい?」
AKIとチームを組みたいユラン。対してアルターからの紹介者であるという“Kさん”ことコウノはAKIが連れてきた人物。
「…俺が勝てば、俺が実力を見せれば。あなたはチームを組んでくれるってことですよね。わかりました。…このファイト、受けます!」
「お兄ちゃん!? これで負けたら、チームはどうなっちゃうの!」
「今はこのファイトにだけ集中する。…AKI。初めて会ってからここまで教えてもらったこと…全部出す!」
ユランはAKIへ向かって決意表明すると、AKIも承諾。心配そうにその様子を見守るヒユリを隣に、ユランは改めて自分のデッキを取り出し向き合う。
「ファイトしましょう! Kさん!」
…
対戦席へ着くと、ユラン(Run)とコウノ(Kさん)はファイトの準備を始める。
山札のシャッフル中、コウノのライドデッキの枚数が5枚であることを確認したユランは、改めて彼女のデッキがアルターの使うデッキである“ギィルゼクス”・デッキであると理解する。
「ライドデッキの枚数からあなたの予想する通りに私の使うデッキは“ギィルゼクス”。以前アルターのファイトを見たことがあるでしょう? 基本的な動き方は理解しているでしょう」
「ファイトの始まる前から、自分の使うデッキの情報を言っていいのか?」
ユランは以前“熱”からアドバイスされたことを元にコウノ(Kさん)へと問う。
「私も今回はあなたの使うデッキは理解しているし。問題ないよ。私の後攻ね」
2人は手札の引き直しを行い、先攻のユランは2枚、後攻のコウノは3枚引き直した。
「準備できました。スタンドアップ!」
「私も。さ、始めましょうか! スタンドアップ・レッ…。」
『『ヴァンガード!』』
●第1ターン(ユラン/Run)
ユランはライドデッキからグレード1・“黄昏を射る弓 マキン”へとライドすると、能力で山札から爪牙オーダーカード“気高き轟きの鼓舞”を手札に加える。
●第2ターン(コウノ/Kさん)
「私のターン・ドロー! “スチームスカラー サルゴン”を手札より捨て、ライドデッキよりグレード1・“貴願の重爪 ギィルゼクス”へライド! ドロップより“サルゴン”をソウルへと招待し、山札から手札に加えますカードはオーダーカード“逆転の一手”! その後、私のライドデッキがRunくんより多いため1枚ドロー!」
【G1ギィルゼクス】(自動)〇このユニットが「ギィルゼクス」を含むグレード0からライドして登場した時、【コスト】[ドロップからノーマルユニットを1枚ソウルに置く]ことで、あなたの山札から「逆転の一手」を1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。その後、あなたのライドデッキが相手より多いなら、1枚引く。
「すごい…アルターちゃんと言葉遣いまでそっくりだ…!」
コウノの特殊な言葉選びにアルターに通じるものがあったことから、バーチャルストリーマー・アルターのファンであるヒユリがつい反応する。
「手札より右前列へと“スチームバトラー グングヌラーム”をコールしてソウルチャージ!」
【グングヌラーム】(自動)〇このユニットが(R)に登場した時、【ソウルチャージ】(1)。
「続けて今加えたばかりのオーダーカード“逆転の一手”を手札よりプレイします!」
「いきなりか!」
「ソウルの“怪訝な支配人 ギィルゼクス”をライドデッキに表で置くことで、このオーダーカードをライドデッキに置いてソウルチャージ! ソウルより“サルゴン”をヴァンガードの後ろへとコール!」
【逆転の一手】[コスト:ソウルから「ギィルゼクス」を1枚ライドデッキに置く]〇このカードをライドデッキに表で置き、【ソウルチャージ】(1)。あなたのソウルから、あなたのヴァンガードのグレード以下を1枚まで選び、(R)にコールする。
「さぁバトル! “サルゴン”のブーストで“ギィルゼクス”がヴァンガードにアタック! ドライブチェック! “華縁の涙 ティボウシャン”!」
ユランのダメージゾーンに1枚目のダメージ、“紺碧の勇気 エルペス”が置かれる。
「続けて“グングヌラーム”でアタック!」
「そこは“レェナ(ドロートリガー)”でガード!」
●第3ターン(ユラン/Run)
「俺のターン、手札からオーダーカード“気高き轟きの鼓舞”を捨てて“大空を狩る爪 ヒイコ”にライド! そして…左後列に“真紅の波導 マカーディア”をコール!」
「早速来たね、新カード」
「“マカーディア”はリアガードに登場した時、山札の上から3枚見て、爪牙オーダーを手札に加えることができる。“気高き轟きの鼓舞”を手札に加え、残りはドロップゾーンに置く!」
【マカーディア】(自動)〇このユニットが(R)に登場した時、あなたの山札を上から3枚見て、爪牙カードを1枚まで公開して手札に加え、残りを捨てる。
残りの2枚の“エルペス”と“アラナ(クリティカルトリガー)がドロップに置かれる。
「“マカーディア”の強みは、山札から爪牙オーダーを手札に加えながらドロップゾーンにカードを増やすことができることにある。ドロップからのコールを行う“アテナイアー”をサポートするには申し分ない」
AKIが語る通り、ユランの使う“アテナイアー”デッキは、特殊なオーダーカードである爪牙オーダーをプレイすることで“アテナイアー”の能力が発動し、ドロップからユニットカードのコールを行いつつ特殊状態“煌爪状態”にする。この“煌爪状態”も攻撃に非常に重要になるため、そのユニットカードをコールするための“爪牙オーダー”を探しつつ、ドロップにカードを増やすことでコール対象を増やせる“マカーディア”は“アテナイアー”を手助けしてくれる。
「“マカーディア”の前に“一身の剣 アキナ”をコールしてバトル! ヴァンガードの“ヒィコ”でアタック!」
「“スワンキィ”でガード!」
パワー10000のアタックに対してコウノ(Kさん)はシールド15000のクリティカルトリガー“スワンキィ・エンスローラー“でガードする。
「ドライブチェック、ドロートリガー(晴朗の乙女 レェナ)! 1枚引き、“アキナ”にパワー+10000! “アキナ”に“マカーディア”のブースト、パワー28000でアタック!」
コウノ(Kさん)はノーガードし、1枚目のダメージに“ギャンブリング・ジャグラー(ヒールトリガー”が置かれる。
「ターンエンド」
●第4ターン(コウノ/Kさん)
「私のスタンド&ドロー! さて、ここからRunくんをどうしてあげちゃおうか? 手札より“華縁の涙 ティボウシャン”を捨て、ライドデッキよりグレード2・“鮮なる杯 ギィルゼクス”へライド!」
「(さっきのターン、いきなり“逆転の一手”とプレイしてきた…。グレード1の“ギィルゼクス”で手札に加えた“逆転の一手”はもう手札にはないけど…。いや、あのデッキには確か)」
ユランはコウノ(Kさん)の次の行動を予測する。
「グングヌラームを後列へと移動し、その前列へコールしますは、“浸食する刃 ヴェリオグ”! 登場した時、山札から“逆転の一手”を手札へ加えます!」
【ヴェリオグ】(自動)〇このユニットが(R)に登場した時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札から「逆転の一手」を1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。
「やっぱりか…! となれば」
「Runくんのご想像の通り。でもその前に左前列へ“サークリッド・ギドラ”をコールして起動能力を発動! ソウルへ置いて、山札から“華縁の涙 ティボウシャン”をソウルへ招待」
【ギドラ】(起動)〇【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたの山札を上から5枚見て、ユニットカードを1枚選び、ソウルに置き、山札をシャッフルする。
「そしてお待たせの“逆転の一手”をプレイ! ソウルの“ギィルゼクス”とこのカードをライドデッキに置いてソウルチャージ。ソウルから“サークリッド・ギドラ”を左前列へコール! “ギドラ”はソウルから登場したことで新たなる能力を獲得します!」
【逆転の一手】[コスト:ソウルから「ギィルゼクス」を1枚ライドデッキに置く]〇このカードをライドデッキに表で置き、【ソウルチャージ】(1)。あなたのソウルから、あなたのヴァンガードのグレード以下を1枚まで選び、(R)にコールする。
【ギドラ】(自動)〇このユニットがソウルから(R)に登場した時、「ギィルゼクス」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、そのターン中、このユニットは『【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、相手のリアガードを1枚選び、ソウルに置く。あなたのライドデッキが5枚以上なら、ソウルではなく山札の下に置く。』を得る。
“逆転の一手”のソウルチャージで“ディアブロスガールズ ナタリア(フロントリガー)”がソウルチャージされた。
「展開したRunくんのリアガード、私が食らっちゃうよ。“ギドラ”でアタックする時、獲得した能力発動! Runくんのリアガードを1枚ソウルに置く。けど私のライドデッキは今6枚! 5枚以上だからソウルではなく山札の下に置く! 後々面倒な“アキナ”は先に対処させてもらうよ、“アキナ”を山札の下に! そしてパワーは10000!」
【ギドラ】(得)〇このユニットがアタックした時、相手のリアガードを1枚選び、ソウルに置く。あなたのライドデッキが5枚以上なら、ソウルではなく山札の下に置く。
「山札の下は痛いな…! “レェナ(ドロートリガー)”でガード!」
「せっかくコールした“アキナ”が山札の下に置かれちゃった。これじゃ、インターセプトとかでドロップに置いた後の再利用ができないよ」
「いや、でも“マカーディア”で増やしたドロップがある! 大丈夫だ」
「“アキナ”を1枚山札に置いた程度じゃ揺らがないか。ヴァンガードの“ギィルゼクス”、“サルゴン”のブーストでアタック! “サルゴン”によるアタックヒット時能力を“ギィルゼクス”へと与えるよ」
【サルゴン】(自動)〇このユニットがブーストした時、このユニットにブーストされているユニットを1枚選び、そのターン中、『【自】【(V)/(R)】:このユニットのアタックがヴァンガードにヒットした時、あなたのドロップから2枚まで選び、ソウルに置く。』を与える。
「ドロップのカードをソウルには置かれるけど…ノーガード」
「ドライブチェック、“ステムディヴィエイト・ドラゴン”。クリティカルトリガー発動! ヴァンガードにクリティカル、リアガードの“ヴェリオグ”にパワー+10000!」
「2ダメージ…っ! 1枚目、“アテナイアー”。2枚目、“リフラーニャ”、トリガーなし…!」
ユランのダメージが3まで置かれる。
「アタックヒットによって、ドロップから“スワンキィ(クリティカルトリガー)”と“ティプシャン”の2枚をソウルへ招待」
【G2ギィルゼクス】(得)〇このユニットのアタックがヴァンガードにヒットした時、あなたのドロップから2枚まで選び、ソウルに置く。
「“ヴェリオグ”でアタック! “グングヌラーム”のブーストでパワー28000!」
「ノーガード! ダメージチェック、クリティカルトリガー」
ユランのダメージゾーンに“憧憬の乙女 アラナ”が置かれ、これでダメージは4になった。
「ターンエンド」
「…早い、ダメージ4か」
「音を上げちゃった? まぁ、3回の攻撃に加えてクリティカルトリガーの恩恵も受けちゃったから」
「…けど、負けられない。俺は…AKIとチームを組む。そして、Kさんとも」
「それはつまり、この状況を押し返すということね。…やってみるといいよ! それができるならだけどね」
「勝ちますよ。…絶対に!」
続くー。
盤面整理
〇ユラン/Run(先攻)
ヴァンガード:大空を狩る爪 ヒイコ(グレード2)
左後列:真紅の波導 マカーディア
手札:4枚
(1) 核心を貫く刃(2)リズミカル・キウイ(治)(3) 気高き轟きの鼓舞(4) 憧憬の乙女 アラナ(☆)
ダメージ:4枚(裏0枚)
◇コウノ/Kさん(後攻)
ヴァンガード:鮮なる杯 ギィルゼクス(グレード2)
中央後列:スチームスカラー サルゴン
右前列:浸食する刃 ヴェリオグ
右後列:スチームバトラー グングヌラーム
左前列:サークリッド・ギドラ
手札:4枚
(1) ステムディヴィエイト・ドラゴン(☆)(2) 逆転の一手(3) ステムディヴィエイト・ドラゴン(☆)(4) ディアブロスガールズ ナタリア(前)
ダメージ:1枚(裏1枚)
ライドデッキ:6枚(表4枚/裏2枚)
…第4話(2)へ続く。
〇注目カード●
『逆転の一手』
所属国家:ダークステイツ
ノーマルオーダー
グレード:1
「ギィルゼクス」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、【コスト】[ソウルから、ライドデッキにしたカードを1枚ライドデッキに表で置く]ことでプレイできる!
このカードをライドデッキに表で置き、その後、以下から1つ行う。
・【ソウルチャージ】(1)。あなたのソウルから、あなたのヴァンガードのグレード以下を1枚まで選び、(R)にコールする。
・相手のヴァンガードがグレード3以上で、あなたのライドデッキにこのカードと同名のカードが2枚以上あるなら、あなたのライドデッキから「ギィルゼクス」を含むグレード4を1枚まで選び、【スタンド】でライドする。
【永】:このカードは、このカードの持つ能力以外でライドデッキに置けない。
アルターと同じデッキを使う“Kさん”ことコウノの“ギィルゼクス”を核であるオーダーカード。グレード3の“ギィルゼクス”へとライドした後の能力を解放するための役割を担っており、このカードによってライドデッキのカードを増やしていく。ソウルチャージしつつソウルからのコールを行えるため、序盤から盤面展開に一役買う。
●登場人物
加我矢 ユラン(加我矢 癒爛)/Run(H.N.)
使用デッキ:ストイケイア/アテナイアー(オリジナル)
加我矢 ヒユリ(加我矢 日癒璃) )/ヒユリン(H.N.?)
使用デッキ:ドラゴンエンパイア/グランドハイター・ドラゴン(オリジナル)
樋野 アキト(樋野 愛生人) /AKI(H.N.)
使用デッキ:ケテルサンクチュアリ/メグリビ(オリジナル)
叶絵 コウノ(叶絵 香乃) /Kさん(H.N.)
使用デッキ:ダークステイツ/ギィルゼクス(オリジナル)
小幅 イチキ
使用デッキ:ドラゴンエンパイア/オーバードレスG4ニルヴァーナ
ヴァンガード Epoch-Run 4話:不滅の真理 (1)