私は、出先からクルマに乗って帰宅した。

何台かのクルマが、私の前を走っていた。
最短時間と言ってよいくらいの
所要時間であった。

私のクルマだけが道路を走っていたなら、
そのスムーズな流れも頷けるのである。
 
しかし、出会っては、
右や左に逸れて行くクルマ、
交差点から合流するクルマも
もちろん居るのである。

それでも、私の乗ったクルマは、
一向にペースを落とさない。 
一定のペースで走り続けるのである。
私のクルマのペースは、私が作り出したものなのか。 
いや、そうではない。 
出会っては去って行ったクルマと、 
私のクルマの作り出したペースなのである。
周りのクルマとの調和が作った流れ。
打ち合わせも何もない中での出会いと別れ。
私は、ひとりではないのである。

私達は、日々の生活の中で孤独を感じることもある。
しかし、少し視野を広げてみよう。
自らが自らの生活を自身だけで
生きているのだろうか。

空を見上げれば、青空があり、花が咲き、鳥が囀る。

まあ待てよ。
自分のことしか感じられないことも
あるかもしれないが、
周りの多くの人々に、
支えられ関わってもらっている、
自分も居るのではないか。
立ち止まって、
今こうしている自分を考えてみると、 
自分だけではない自分が見えてくるのではないか。


 捨てたものではなさそうだ。