110番した夜
キャー!! おニャンコ専務グレよぉ~!
昨夜、ベイビー*プラネットから、110番したのー!!
あぁ~、もぉ~、怖かったわー!!
夜。
社に残っていたのは、ヨーコと大木のふたり。
静かなオフィスにパソコンのキーボードの音だけが
カチャカチャと響いていたの。
すると突然!!
ジリリリリリリリリリリ~!!
と、けたたましい非常ベルの音!
ヨーコびっくり!
その時、大木は…!!
ビルトインになってる冷房の電源を切った。
ヨ「何してるの?」
大「あれ? あれ? 冷房の故障じゃないんだ…」
じゃねーよ(-。-)y-゜゜゜!!
非常ベルは、なおも鳴り続ける。
ナニナニナニナニ???
縮み上がるふたり。
ヨ「1Fの店に電話してみようか」
大「そうですね…もしもし…え? 非常ベルなんか鳴ってない? どうも~」
1Fの店は鳴ってなくて、4Fのベイビー付近では大音量で鳴ってる?
どういうこと~!??
とにかく、非常ベルが鳴るくらいだから、非常事態には違いない。
強盗? そうだ、きっと団体様でやってくる窃盗団か何かが、
このビルを荒らしてるんだ!
女ふたりで太刀打ちできるはずもない。
こりゃ、110番よー!!!!!
ヨ「110番するからね」
大「しましょう」
ヨ「1、1、0。 あー初めてかける~」
すると交換手さんが出た。
交「事件ですか? 事故ですか?」
事件!? 事故?
ヨ「どっちでもなさそうで、スミマセンm(__)m」
おやおや、謝っちゃったよー!!
交「煙は出てますか? 匂いはしますか?」
ヨ「ここからは見えません、匂いもしません(お菓子の匂いくらいしかね)」
交「向かってます」
ちょっとホッ…として電話を切ったところで、警報音が止まった。
大「止まりましたね」
ヨ「もう大丈夫かな」
シーン。。。
あわてた自分たちがバカみたい。
ヨ「とにかくだねー。人間なら何とかなるけど、怖いのは火事だった場合だ。
避難経路を確保しよう」
大「どうします?」
ヨ「前から考えてある。会議室の窓から隣のビルに飛び移るんだよ」
大「ムリですよ、遠いですよ」
ヨ「いや、近かったよ。飛び移れるって前から思ってたもん」
ふたりで会議室に行って、窓を開ける。
ガラッ。
ヨ「ほら!!! …あれ? 遠い…(ToT)/~~~」
大「ムリですよ~」
ヨ「こういうことが今後もあるかもしれないから、
非難はしごを買っておこうね。今回は大丈夫だったけど…」
その時だ!
ジリリリリリリリリリリ~!!
また非常ベルが鳴り始めた。
ギャ~~~~~~!!
手に手をとりあって、会議室からオフィススペースへ引き返すふたり。
大「どうしましょう」
ヨ「どうしよう…そうだ。写真を撮っておこう」
大「写真?」
ヨ「記念に」
大「そうですね」
ヨ「もしものことがあった時、ふたりが生きた証しに」
そして二人で記念写真を「自分撮り」した。
見直してみると…
イケてない…(-。-)y-゜゜゜
これが人生最後の写真になるなんて…
でもそこで、さすがの二人も気がついた。
ナニしてんだ!?
そうこうするうちに、非常ベルが止まった。
二人「ゼェゼェ、ハァハァ…、もぉ~。怖いよねー!!」
大「ヨーコさん、会社にまだ用事あります?」
ヨ「いや、家でも出来る。帰りたいよねー」
大「帰りましょう」
ヨ「でも、怖くて出られないよ」
大「ケーサツが来たら、一緒に出ましょう」
ヨ「遅くない? ケーサツ。どこから来るのかな」
大「恵比寿駅前ですかねぇ」
!?????
恵比寿駅前交番?
そこにはヨーコの「運命の人かもしれないおまわりさん」がいる。
以前、ヨーコが雨の夜中に酔っ払って鍵もなくしてケータイも持ってなくて
途方にくれていた時に助けてくれた王子様。
今年、プライムスクエア恵比寿の前で交通事故にあった時に、
助けに来てくれたのも、そのおまわりさんだった。
ヨ「大木さん、どうしよう、またあのおまわりさんが来たら?」
大「それはもう確実に運命ですね」
ヨ「だよね」
大「そうなったらもぉ、火事どころか、ハートの火を消すのに大変ですよ」
ヨ「そうだね、わたしも結婚してるしなぁ~、マイッタなこりゃ~」
非常事態を忘れて恋の話に花が咲くトコは女子!
とりあえず、帰る準備をすることに。
お互いのデスクに戻ってパソコンをシャットアウトしたりしていると…
ジリリリリリリリリリリ~!!
ま、まただよー!!!!!!!
大木が飛び上がって、ヨーコの方へ走ってくる!
ロングスカートの裾を両手で握り上げて、
慌てて走るその様子は…
おかっぴき!?
ヨ「大木さん、なんでスカートの裾を持つの?」
大「あ…(-_-;) 怖いとなんかこうなりません?」
ヨ「ならない」
そうこうしてるうちに、非常ベルは止まった。
ヨ「ちょっと慣れてきちゃったね」
大「これでまた鳴ったら、ドリフのコントですよ」
ジリリリリリリリリリリ~!!
コントだ…(-_-;)
ヨ「おまわりさん、遅いね」
大「ホントですね」
ヨ「もしこれで私たちが強盗に口と鼻をガムテでふさがれてたら、
窒息して死ぬよ。
気絶はしても、救急車で運ばれたら蘇生できるくらいの時間には
来てほしいよね。じゃないと都会に住んでる意味、ないじゃん。
山奥なら諦めもつくけどさぁ。。。そもそもねぇ~(愚痴モード)。
するとやっとのことで…
ピンポーン。と、ドアチャイムが鳴り、おまわりさんがやってきた。
ヨ「本当におまわりさんかどうか、よく見て!」
大「はいっ!」
ドアの覗き窓からガン見!!
そしてドアを開けた。
ヨ「待ってましたよぉ」
警「火災報知機の誤報みたいですね」
大「なんだー!」
警「よく誤報が鳴るみたいって2Fの人が言ってました」
ちょっとー!!!
2Fの人とか、いろんな人と、話してから、ようやく来てくれたのかよー!
もぉ、心臓が飛び出るような気持ちで待ってたのにぃ~。
遅いと思ったよー。
早く来てるなら、来てるって言ってよー!!
しかも、うちの会社もけっこう不夜城ですけど、
非常ベルの誤報なんか聞いたことなかったよー。
誰か間違って押したんちゃうー??
解決すると強気になる。
やってきた、おまわりさんは、ヨーコの王子様じゃなかった。
とにかく、ヨーコと大木は帰ることに。
はぁ、もぉ、ビックリしたね。
二人でエレベーターを下りると、1Fの分電盤のあたりで、
おまわりさんたちが、あーでもない、こーでもないと話し合っていた。
警「どうやったら止まるかなぁ」
そんなことまでやってくれるんだ。
ありがとう、日本の警察。
見ると、ヨーコの運命の王子おまわりさんは…、
分電盤の前で機械と格闘していたわ。
4Fに来てくれていたらねぇ~。惜しいわぁ~。
いやいや、ナニが惜しいんだか。。。
これが、ベイビープラネット110番騒動の一部始終でしたっ。
******************
帰り道。心拍数が下がらないヨーコはなんとか落ち着こうと
実家に電話して母に誓っていた。
ヨ「あのさー、わたし、月曜日、絶対、避難訓練するけん」
母「勝手にしなさい」
ヨ「あのさー、わたし、月曜から、空手習うけん」
母「なんで?」
ヨ「自分を守れるのは自分だけよ、やっぱ。
空手の師範とかなるかもしれんけん、よろしく」
母「なんでもなりなさい…」
ヨ「あのさー、わたし、フリークライミング習うけん」
母「なんで?」
ヨ「社員をおぶってでも、素手でビルを下りれるようにしとかんと
みんなを守れんもん」
母「みんなにも少しダイエットしてもらい~」
Fin