A子は素直で正義感もあり、善良な中学生だが、金髪だ

金髪であっても色んな種類の悪さをするグループには属さず、普通に社会のルールを守って生きていた
煙草も酒もしないし、暴走行為にも加わっていない
性の乱れもなく、学校での活動も真面目にこなしていると自覚する
破っているのは大人の社会では無意味な校則であり、人の道に反していないから私は真面な人だと思っている点が幼稚であると気がつかない普通の中学生だった

他人の気持ちに思いが及ばないのが普通の中学生だから、くだらないと思っている校則を破る意味が分かっていないので不幸を呼び込んだ

イジメのキッカケは無数にあるが、中学生では仲間意識がその主因となる
仲間ではないからイジメの対象となる

金髪であっても良い印象を与える言動であればイジメの対象とならない事もある
だが中学生の集団では異質であることに変わりはない
だから給食のライスの中に金髪が混入するととても目立つ結果となる

イジメの主犯格となる人間は自分の中の残酷性を制御出来ない脳の機能の欠陥がある頭の回転の早い者がなる
そんな人のライスの中に金髪が混入してしまっただけのことだが、その日からA子はイジメの対象となった

目立つこと自体の危険性を知らないのは当然だが、どのグループにも加わっていないことの危険性も知らないので、イジメは加速した
正義感があり、几帳面な性格であれば尚のことイジメを受け入れずに孤立を深めていく

イジメにもその存在の意味はあって、人の悪意の存在を認めるという若者には受け入れ難い命題がある
誰もが皆悪意ある人であると幼くして経験した者はイジメに加担する
イジメを行う者の心は傷つき、善悪の基準が狂ってその判断を誤らす病を抱えている

素直で正義感もあり、几帳面なA子にはそんな人の考えが理解出来ないでいたし、イジメを許さない気持ちは強まって蛮行に及んでしまった

A子は校則を守る意味を理解しない自意識の強さがある点からも他者への報復を行ってしまったのかもしれない
自分という存在を強く意識すればする程、人は攻撃的になってしまう瞬間がある
A子の場合は私は人と違う金髪にするけれど、敵を作らずに普通に生きていることを認めさせたいという欲があった
欲はどんな欲であろうとも、敵を作り、身を滅ぼしかねないものだ

欲がなければ人は生きていられなくもないが、欲の種類や程度を誤れば確実に仲間外れになるのは当然の結果となる

A子は金髪であったから仲間から殺され、その報復行為により社会から殺された結果となった

人が鬼になる
イジメを行うものはA子にとって鬼に思えるし、イジメに対する報復に走ったA子も周りから見ると鬼だ

様々なイジメに耐えていたA子だが、昼休みに無理矢理金髪を黒く染められてマダラになった髪を見たのをキッカケにして隠し持っていたナイフを振り回すことになった
5限と6限の短い休み時間にマダラ鬼は次々とイジメに加わっていた級友を切りつけ、刺し、辺りは血が飛び散り、正に血生臭い修羅場へと変貌していった

クラスを越えてイジメに加担していた者にまで危害を加えようと隣のクラスに進入する姿を見て
「鬼が来た!」と叫び声が響いたに違いない

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自分ばかり自由に生きている人への嫉妬
親の為に我慢して生きる人の嫉妬

校則を守らない人のみならずその親までが子どもにルールを守らせない無責任な大人となることへの批判的な視線がある
もし仮にその金髪少女の親が、ルールを守ることが大切だと教えている自分の親が尊敬していない類いの人だとなれば、尚のこと関わるなと諭される
君の知らない他人の人生があって、そこから得られた無数の教訓や善悪の基準をあなたも否定することは叶わない

単に善良な一市民の気持ちで生きていても、他人からはそう見られないことはある
なぜなら偏見はとても簡単に人を分類して楽に生きる為の知恵としての側面があるからだ
金髪、tattoo、自由な服装はルール違反となる事実こそが意味を持つという偏見を君も否定出来ない
自分は否定されたくないのに、大多数の人が守るルールを破ることは許して欲しいという発言が如何に幼稚で反社会な危険な行いだと知って、大人になるまでは謙虚に生きることを学ぶ方が正しいと思う

仮に自分がキチンとした学生らしい生活態度でいれば校則を犯して金髪にすることを見逃して欲しいと願うのは、未成年の義務教育中の学生にはその権限はないと分かるし、偏見を持たないで欲しいと願っても社会的な生き物である人、和を保つことにこだわる日本人、それと親の存在からその考えは無意味となる


義務教育中の子どもであるあなたが服装頭髪の自由を主張しても、親が軽んじられたり、子どもにルールを守らせない秩序を乱す敵と認識されるだけのことだ
反抗期が適切な年齢に現れることは精神発育上好ましいし、反社会である事はもし社会が変革を求める状況にあれば必要な態度でもある

だが学校存在の意味とは、集団生活を学ばせる場所であり、校則が大人の世界では無意味となるルールであることは事実だが、その事自体には意味がなくともルールを守ること自体に意味があるのだから、それは守られなければならないと考える方が大勢を占める

勿論、大人になれば自己責任により服装頭髪を選ぶ自由はあるし、反社会的な人間になる自由もある
テロの全てが悪い訳ではないとする発想は否定し切れないから現に多く世界に存在する

金髪は単に目立って人をイラつかせる事もあるから、偏見、ルールを守らない存在への不満、反感情もあるのが人の世界だ
あなたに心があるのと同じく、他の人にも自由に物事を感じる心がある

故に学校では他人とのトラブルを避けるという日本的な発想を守ることの意義を知らなければならない為に学生には無意味なルールがある

要はあなたはまだ子どもだからと認識して大人になる為の思考と道徳観念を身に付ける為にクソくだらない校則は守らなければならない

在るものを否定せずに考えなければ、無ければいいとだけ考えて身勝手な行動をすると、鬼達に裁かれる
間違えてることは間違えてると言えるのは素晴らしいことだが、制度もそうだがそれを変えるのは容易でなく、正しいやり方でその変革を行わなければまた、必ず様々な形で報復を受けるのも事実だから、何に命を懸けるのかもう少し慎重になっても良いと思っている

武士道でも、刀は一度しか抜かない生き方の話はあって、中学生ならまだ学ぶことを優先しても良いんじゃないかな?

軍曹も多くのイジメに遭う機会があったが、その都度助けがあって今の子が受けている酷いイジメは経験していないが、イジメられない様に形を変える気持ちは持っているし、それがマイナスな面だけでなく、社会で活動する上でプラスの要素があってそれは必要だと感じている

悲しいことだが、社会が人の悪意で満ちているから子どものイジメは無くならない
一つでも多くの善意を人は示して悪意を抑えることに努める方が良いと思う
善意を持って唯無心に生きるだけで人の人生は賞賛に値するし、互いに楽しく生きられる力になる



 
汚れっちまった悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れっちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる

汚れっちまった悲しみは
たとえば狐の革裘(かわごろも)
汚れっちまった悲しみは
小雪のかかってちぢこまる

汚れっちまった悲しみは
なにのぞむなくねがうなく
汚れっちまった悲しみは
倦怠(けだい)のうちに死を夢(ゆめ)む

汚れっちまった悲しみに
いたいたしくも怖気(おじけ)づき
汚れっちまった悲しみに
なすところもなく日は暮れる……