ガンダムSEEDFREEDOMを見る前に | 軍手のブログ

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徒然なるまま………なのか?

さて久しぶりのブログの日記でのガンダム解説です

26日から

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM

が公開ですね

仕事仲間から「キービジュアルのラクスの「あなたの中に私はいますか?」のセリフどう思いますか?」とたずねられたので、僕は答えました

「そもそも僕はキラの心の中にはフレイが残ってると思うよ」…と


その事について過去のブログで僕なりのキラの解釈をお話していたので、再掲しておきます


ここからは、ガンダムSEED見た方という前提で話をします(笑)



ガンダムSEEDの前半で、もっとも注目すべき人!
それは……トール・ケーニヒです

はぁ?

と思った方、まあ聞いて下さい

そもそもSEEDの世界では、コーディネーターに対しての偏見や差別が想像以上だという事を思い出して欲しいのです
その中で、彼、トール君は誰よりも、誰よりも人格者でした
まずトールはキラの友達です
普段の学校生活を見る機会は殆どないのですが、トールはキラに対して、差別的ではなく、何だったら世話まで焼いているんです
この頃は分かっていませんが、あの史上最強のコーディネーターとして生まれたキラの世話を焼いてるんですよ
そしてキラもナチュラルのトールを見下す様な事はしてません
むしろ頼りにしてるんです
対等な関係を築いている二人
二人とも良い両親から育てられたんですね
(´ω`)
サイはキラにコンプレックスを持ってるし、カズイはコーディネーターだからキラは凄いって、コーディネーターを差別するけど
トールはキラに何かあると、例えばフラガやマリューにキラがコーディネーターとバレた時、真っ先にキラを守ったのがトール
キラしか乗れないMS、キラにばっかり辛い思いをさせられなと、ブリッジで援護したいと言い出したのもトール
キラがピンチになった時、スカイグラスパーで真っ先に飛び出したのもトール

トーーールーー
(T^T)

と、トールは中盤で戦死してしまいます

視聴者的には、キラとアスランの元親友同士の殺し合いに感情を持っていかれがちです(もちろん僕もそうでした)が、その引き金になったのは、キラの理解者トールと、アスランの理解者ニコルの戦死で、共にお互いの理解者を殺してしまうから、二人は激しい殺し合いを始めてしまうんです

その後ですが、キラ・ヤマトは殆ど感情を表に出さなくなります
アスランとの戦闘がきっかけだと思いますが、僕はトールの死こそ、キラの心に穴を開けた要因であったと思います

終始呆然としていたキラは、ラクスの言葉で立ち上がりますが、ここからキラの心の成長……うーん……言葉が違う気がします、キラの感情が表に出て来る事、ある種の諦めにも似た悟りが開いていきます

僕には怒りや喜びの感情が希薄になっていった様に思えます

それまでのキラは、自分しかMSを動かせない、アークエンジェルを守れない状況を「卑怯だ」とマリューやフラガに怒ったり、優しくしてくれたフレイを守る為にサイに怒ったり、トールとミリアリアと笑ったりしていたのに

トールが死んだ頃から、感情が希薄になったのか、それとも圧し殺しているのか分かりませんが、その後は、ずっと泣いている様に思えます

トールが死ぬ前は、どちらかと言うと悲しみや辛さを隠しているように思えます
だからフレイがどう思っていようが、フレイの優しさは、キラには救いだったし
ナチュラルの戦艦の中で、自分だけがコーディネーターという事実、その哀しみや不安は誰にも言えなかった
フレイもキラを利用していたんだろうけど、キラも不安の捌け口にフレイを求めてしまった
サイとフレイの仲を壊してしまった

オーブに戻った時も両親には会わないキラ
理由は「なんで僕をコーディネーターにしたの?」って言っちゃいそうだったから
望まれて生まれた命、作られて生まれた自分は、そのせいでこんなに辛い思いをしている

それを誰にも、親にも言えない

こんなに辛い思いをして
自分を好きだと言ってくれた女性が、本心でそう言ってないのをわかっておきながら、寂しさを紛らわす為に利用してまい、傷つけ
自分の出生すら憎く思え、親を恨んでしまい
友人を殺され
親友を殺そうとした

キラは優しい男です
世界に絶望してもいいくらいに、身を削り、心を傷つけたのに、世界の皆が同じ思いで戦争をしていると感じ、それを止めたいと望み、自分は既に人を殺し、誰かを傷つけたのだから、平和の為に人を殺める事をしなければいけないのなら、自分がやるんだと立ち上がる
キラは後半では不殺を心掛けていますが、それは最小限に憎しみの連鎖を止めたい、そして殺すなら、自分が殺らなければいけないと感じているからだと僕は考えます
だから不殺と言っておきながら、戦艦やクルーゼを落としているのは、そういう思いなのではないかと

かくしてキラは自分の感情を殺し、フリーダムで戦地を飛ぶのですが、その後の展開は知っての通りです

キラは、コーディネーターの中でも、最優秀の遺伝子操作で、母親の体ではなく、人工の子宮から生まれた
完全な人間を目指して作られた
一番に人の営みから外れた存在

生まれたのではなく
作られた存在だったのです

コーディネーターはあくまでも受精卵の段階での遺伝子操作です
つまり両親が子供が欲しいと願い、その結果の子供です
しかしキラは、最高のコーディネーターを作るという目的の為に、人工的に受精され、作られた子供

そこには、愛も無い

それを同じく、出来るからと言う理由で作られたクローン人間のクルーゼに、その事実を突き付けられます

クルーゼは愛もなく、親(オリジナル)と同じ寿命しか生きられない不完全なクローンとして作られ、自分と言う存在を、アイデンティティーを求めている時に、自分より長く生きられる人間同士が、お互いの感情や生まれだけで、殺しあってるのを見て、本当に世界に絶望したでしょう

この戦争で、自然の営みから外れ、お互いを憎み合い、殺しあう人間なんて、滅んでしまえばいい

そこに唯一の成功体のキラを発見してしまいます

戦場ので、偶然に生き残っていくキラを見て、クルーゼすらも、最高にコーディネーターの可能性を信じてしまいそうになりますが、それすらもコーディネーターだからと言われれば、それまでなんだと、クルーゼは最終戦でそんな話をします

クルーゼ
「知れば誰でも望むだろう、君のようになりたいと、君のようでありたいと!ゆえに許されない、君という存在を!」

キラ
「力だけが僕の全てじゃない!」

クルーゼ
「それが誰に分かる?何が分かる?分からぬさ!誰にも!!」

と続いていきます

この会話はキラにどう突き刺さったでしょう
僕が思うに
自分は最高のコーディネーターとして作られた
その結果、クルーゼの言うように、知れば皆キラみたいな力を欲するに決まっています
キラは、戦場ので生きる力としてコーディネーターの可能性を示してきました
これはラスクやアークエンジェルのクルーも同じだし、なんなら視聴者も同じはずです
キラが居れば、キラとフリーダムが居ればどうにか勝てる、生きていける……と
でもキラは知っているんです

力だけが僕の全てじゃない

例え最高のコーディネーターとして作られ生まれても
親友を殺そうとした
女性を傷つけてしまった
両親(育ての親だけど)の愛を疑った
一番自分を信頼して理解してくれる友人を、自分のせいで殺されてしまった

それが誰にわかる?

確かにクルーゼの言うとおり

自分の辛さは、自分の生きてきた道は誰にもわからない
でもそれは、キラじゃなくても、僕達にも言える事だと思います

そしてこの会話の後に、フレイがクルーゼに撃たれ、死亡します

さらにクルーゼは呪いの言葉を吐き続けます
世界が悪いんだと
お前もその世界から作られ、負の結果だと
自分と同じだと
だから滅ぶ世界を受け入れろと

そしてキラは叫びます


それでも、守りたい世界があるんだ!


このセリフの時、声優さんの演技なのか、演出なのか、僕の妄想なのかはわかりませんが
キラはとても微妙な表情と、怒りでも悲しみでも無い声で、このセリフを叫びます

今まで圧し殺してきた怒り、悲しみ、キラの感情が再び表に飛び出したようなセリフでした




以上を踏まえて

最後のフレイとキラの会話を


キラ「ぁ…ぁ…」
フレイ「キラ…」
キラ「そんな…フレイこんな…」
フレイ「ありがとう。ごめんね」
キラ「どうして…」
フレイ「ずっと、謝りたかった」
キラ「…どうして君が…フレイ!」
フレイ「苦しかった。怖くて、ずっと、知らなかったから。私、何も解ってなかったから」
キラ「フレイ!」
フレイ「でも今、やっと自由だわ。とても素直に、あなたが見える」
キラ「僕は…」
フレイ「だから、泣かないで」
キラ「畜生!僕は!」
フレイ「あなたはもう泣かないで」
キラ「君に何も…」
フレイ「護るから。本当の私の想いが。あなたを護るから」


泣いてもいいと言ったラスクと
泣かないでと言ったフレイ

人は泣けるから、全て貴方なのだからと言ったラスク
私の想いが貴方を護るから、泣かないでと言ったフレイ

キラの全てを受け入れ、どんな出生だろうと、どんな道であろうと受け入れるとラスクは言ってるんだと思います

一方フレイは、そのままのキラでいい、生まれとか、ナチュラルとか、コーディネーターとか関係ない、どんなに辛い事があっても、私が護ってあげるからって事かなと

どっちが


それでも、守りたい世界があるんだ!


と、クルーゼにいい放った力になった言葉かなと考えます

僕はフレイではないかと

それはトールと同じ関係性って事です
男女違いはもちろんありますが、トールと過ごして笑っていた世界
それはフレイが言ってる私の想いが貴方を護ると同じ事で、互いに認めあって、コーディネーターだろうが、守ってくれる友人が居た
差別もなく、認めてくれた人が居た
全てを知って認められたのではなく
知らなくても、友人になれる世界

それが、キラが守りたかった世界ではないかな?と


以上が過去に解説した僕なりのキラの心情です

SEED FREEDOMでどうなるかはわかりませんし、全然解釈が違って僕の考えを改める事が出来たらそれはそれで面白いなーっと思ってるので、公開が待ち遠しくなってきましたw


では✋