不倫
- 不倫は、するのも、誰かがしてるのを見るのも、もちろんされるのも、嫌だ。
- 一時期、周りの友達で何人か不倫している子がいた。
その子たちに対して自分の意見を言うときに、ただただ自分の偏見で正義を押し付けることになってはイカンと思い、不倫について頭をひとしきりしぼって考えたけど、結局やっぱり不倫に「嫌悪」に近い感情を抱く自分がいた。
頭ごなしに否定はしなかったし、きちんと各事情を消化してから考えをまとめたつもりだけど、やはり、伝えた言葉は強い言葉になってしまったと思う。
偏見かもしれないが、多くの場合不倫をする女性は弱くて流されやすくて優柔不断という共通点があるような気がする。
- でも、時々エゴと欲が赤ん坊みたいにむきだしになって、その人の人格のすべてで不倫をするような人がいて、私は不倫を嫌悪しながらも、そういう人の強大な磁力にひきつけられてしまう。
- 多くの女性が、歪んだ磁場にハマって不倫から抜け出せなくなるのと違い、明らかにそういう人は自身から強大な磁力を発生させ、磁場を歪めている。
- 女性の泣き顔の表紙が印象的なこの本
- 神蔵 美子
- たまもの
これは、神蔵美子という写真家が、二人の男性の間を揺れる何年かを、写真と日記で記した写真集。
彼女は結婚中に不倫して離婚し、その後その不倫相手と結婚するもまた別の妻帯者と不倫し、離婚した。その一部始終、実在の二人の男との三角関係生活を実名・写真つきでつづる。
と書くと不品行でだらしない女の記録のように思えると思うけど、まぁまさにその通りなんだけど、超自然のものに触れたときのような畏怖・異質な感じにひきつけられて、写真集にしてはけっこうな文章量を、一息つくまもなく読ませられてしまった。
一種、オカルトと言ってもいいような独特で強い、「異」なかんじ。彼女の持つ強大すぎる磁力によって歪んだ磁場を、のぞき見るようなかんじ。
読み終えて、不倫に対する私の批判的な考えは微塵も変わらないけれど、ここまで放埓な彼女を、こんな不埒な写真集を、なぜか嫌悪することができない。ただ圧倒されている。
不倫はよくない、当たり前のことだ。
手と手をからませた写真をプロフィールに載せた自己愛たっぷりの不倫ブログにはかるく嘲笑する気持ちにすらなる。
どこかから借りてきたような陶酔しきった文章や写真によって、自身の現実を直視できていないことがバレバレで、書く人の程度が伺われるからだ。
だけど不倫でも傷害でも、なんでもそういう強い感情が生まれる事象を、自我の強い人間が、切実で肉迫した文章や写真で書き留めたり写したりしたものには。
その事象自体をよく思わない私でも、「不倫」だとか「傷害」だとかいうことを超えて胸を打たれゾクっとさせられてしまうのだということに私はとても驚いた。
同じ「磁場を歪める」強い女性だと私が感じたのが、乳房、花なり。 という本を出している宮田美乃里さん。
この本はガンで余命いくばくもないことを宣告された彼女が、切除した左胸をあらわにした写真をアラーキーに撮影してもらい、自身の読んだ短歌と共に発表した写真集である。
(詳しくはこちら「きっこの日記」より )
この人の場合不倫どうこうではなく、上記写真集と同じように「自我の強い人間が、切実で肉迫した文章や写真で書き留めたり写したりしたもの」の作者として、強い磁場を感じる。
と、理屈っぽく書いてみたけど、これはとても感覚的なもので、単に二人の顔から受ける印象の「強さ」の相似性からかもしれない。