それが shogiotome & shogimadame。
今、大会へ向けての特訓(任意参加)が行われています。
先生からメンバーへ向けて、毎朝メールで指令が飛んできます。
この教室と少しだけ関わりを持つ不肖私が、昨日1日だけ指令を出しました。
ただ先生とは違い、それほど皆さんに直接お会いすることもありません。
なので、この場を使って少しだけフォローを入れておきたいと思います。
(Twitterにも書いたのですが、おそらく読みにくいと思いますので…)
まず参考までに、課題も書いておきます。
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【本日の課題】
0.(自己紹介なので省略)
1.解いたことあるはずの詰将棋を、玉方(ぎょくがた=相手側)から見るだけで
解けなくなることは、上級者でも生じます。と、いう訳で。
【ABチーム】「やさしい詰めの形」を開き、本を上下逆さまにして解き、
全問正解。目標10分以内で。
【Cチーム】同様の事を、目標15分以内でどうぞ。
【Dチーム】角による詰みの形を、10分以内に解く。
この章は少し難しい問題もあるので、分からないものは諦めて盤に並べてください。
2.平手で対局1局。ハム将棋でも何でも良いです。
終わったら、仮に1人でも内容を振り返りましょう。
自分と相手は、それぞれ何を考えていたのか。
お互いの手で何が良くて、何が悪かったのか。
5分ほどでも良いですから、丁寧に振り返ってみてください。
3.棋譜並べを1局。↓の棋譜でも並べてみましょうか。
実際に盤に再現してみてください。
超手数の難しい将棋で、解説を読んでも難しいので、別に読まなくても良いです(笑)。
意味が分からない手があっても、構うことはありません。私だって分かりゃしません。
両対局者が、一つひとつの駒にどうやって息を吹き込んで行くか、お楽しみください。
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/53/oui201205300101.html
(リンク先:2012年5月30日に行われた、第53期王位戦挑戦者決定戦棋譜中継)
4.猛特訓の中で、歩の手筋に関する課題が、これまで再三再四と現われています。
一歩千金、上手く使えれば非常に頼りになる駒です。
それに関連して…『羽生の法則1 歩の手筋』という本は、きっと面白いと思います。
読めとは言いませんし、全部理解しろなんてことも言いませんが、
機会があれば手に取ってみてください。おススメできます。
羽生の法則〈1〉歩の手筋/日本将棋連盟
¥1,365 Amazon.co.jp
将棋連盟文庫 羽生の法則1 歩・金銀の手筋/毎日コミュニケーションズ
¥1,155 Amazon.co.jp
5.以下のリンクを開いてみて、ここに名前のある棋士(※)の誰かについて、
何か面白い話が無いか調べてみる。
何か面白い話が見つかったと思ったら、秋の猛特訓掲示板に手短に書いてみる。
(※名人とA級棋士。
具体的には森内・羽生・渡辺・三浦・谷川・屋敷・郷田・佐藤康・橋本・深浦)
http://www.meijinsen.jp/game_list/meijinsen/A1.html
(リンク先:名人戦棋譜速報 第71期A級順位戦)
6.一歩ずつ前へ。
進もうとする心意気、具体的な蓄積、省みる冷静さがあれば、
きっと初段ぐらいまでは行けます。
7.あと10日ほど。
焦りはあるかもしれませんが、肩に力を入れても解決しません。
深呼吸して、頑張りましょう。
大きな花が咲きますように。
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でもって本題です。(前振り長いな)
tweetを転載・編集してお送りします。
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昨日の指令に少しフォローを入れておきたいと思います。
1.の詰将棋。見慣れた問題が難しく感じた…という人が少なくないはずですが、
多くの人が経験する感覚なので大丈夫です。
自玉の安全度を見極めるための練習とお考えください。
「逆から見ると解けなくなる現象」は、体で知っておいて損はありません。
同じ詰将棋本を何度も楽しめる、ということですから(笑)。
ただ、私の設定した目標タイムは、見返してみるとキツすぎたかもしれません。
2.の対局。仮に負けて熱くなっても、感想戦は大事です。
昨日より今日、今日より明日と歩いていくために。
人間ですから、三歩進んで二歩下がることもありますが、
落胆する必要はありません。
自分の状況を見ているもう一人の自分がいるということは大事です。
3.の棋譜並べ。サラッと並べてください。
なんとなくでも熱戦の雰囲気が楽しめれば、もう十分です。
「良い手は指が覚えている」 …郷田真隆棋王の言葉です。
流れを感じることが大事で、ウンウン唸って考える必要はありません。
…かと言って、それだけで放りだしてしまうのもあんまりなので、
以下、流れを簡単に文字にしてみました。
【序盤編】
藤井「四間飛車で行こう」
渡辺「じゃあ振り飛車の美濃囲いよりずっと堅い、
最強の居飛車穴熊にしようかな…チラッ」
藤井「許すまじ、藤井システム(※居玉のまま速攻して潰す…という戦法)だ」
(※四間飛車は藤井九段の看板戦法。
一方で渡辺竜王の居飛車穴熊も無茶苦茶強い。)
渡辺「居玉のまま戦うというんですか、一応こっちは囲ってあるので、
穴熊は止めておいて、このまま戦いにしましょうか…?」
(※藤井玉がやや無防備・渡辺玉はある程度安全なので、藤井九段は戦いづらい)
藤井「一回ゆっくりした将棋にしよう…玉をスルスルっと囲って」
渡辺「手を出そうとして見たり、引っ込めてみたりと、藤井さん忙しいですねえ。
その間に私は、金銀四枚の堂々たる囲いを創作しましたよ」
藤井「美濃囲いも堅いので、この辺で戦いにしていきましょうか」
50手目あたりから戦い(中盤)に。
【中盤編】
藤井「角をバサッと相手の銀と交換して、攻め続けます。
まだ遊んでいた桂馬も使って(△3三桂)…と」
渡辺「(6六の金を取らせながら)お好きなように。
私も3三の桂を頂きました。この局面は私の駒得ですね」
藤井「寄せに行きましょうかね」
72手目以降は終盤へ。
【終盤編】
渡辺「私も寄せに行きましょう。(73手目▲4二と)
▲5二と△同金、と形を崩して▲3一飛を王手で打ちたい」
藤井「(74手目△4一歩)フッ…▲3一飛を打ちこんでも、
王手にならないような状況を作ってみせましたぞ」
渡辺「う~ん…こんな何でも無い歩なんか取って、
また4二に戻る(▲4一と~▲4二と)のでは時間が勿体ない…。
王手にはならなかったけれど…飛車を打とう」
藤井「私の美濃囲いは非常に堅い…渡辺さんの囲いは薄くないですか?
そろそろ反撃へ移らせて頂きますね。
中央にいる角を活かして寄せきります」
渡辺 (必死に抗戦)
…100手目あたりまで来ると、先手玉は風前の灯になっていますが、
寄せ方も逃げ方も色々ありそうな難しい局面で、藤井九段は一分将棋に。
…ひたすら攻め続けます。
最後の決め手を与えないように、粘り続ける渡辺竜王。
ひたすら難しい進行の中で、藤井九段にも誤りが生じたようです。
渡辺「(151手目▲6四角)相手玉は詰めろ(※次に詰ますぞ、という状況のこと)だ。
…この角は攻めにも守りにも働いているぞ」
局面が難しいのは竜王にとっても同じ。直後に誤りが生じていたようです。
藤井「(156手目△3五桂)竜など相手に渡しておいて、ここで寄せきる!」
渡辺「自玉は詰む…相手玉は詰まない…か」
藤井 (逃げ切ってお茶を飲む)
渡辺「負けました」
以上、3.課題棋譜の流れ(概略版)でした。十分長いって…すみません。
4.棋書紹介でおススメした『羽生の法則(1) 歩の手筋』は、
目から鱗が、ポロポロ落ちること請け合いです。
5.は遊びですね。
6.と7.はおまけですね。
冗長なのでここで終わります。
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以上です。ここまで読了くださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
星つむぎ