今回はKSC P226R HWのスライドの動作を調整します。
KSC P226 HWではスライドを手で引ききったところで「ゆっくり、そっと」引いてる手を離すと
スライドがリコイルスプリングの力で戻らないことがあります。
(勢いよく引いてパッと引いてる手を離せばスライドは戻ります)
これの原因は①「トリガーバーとスライドの摩擦」と
②「ハンマーとブリーチの摩擦」と③「リコイルスプリングが弱い」の
3つがあるわけですが、今回は①への対策を行います。
*安易に「トリガーバーを削ってスライドとの当たりを減らす」をすると
トリガーバーとスライドの摩擦は減りますが、
トリガーバーが正常にディスコネクト(セミオート動作)できない状態となってしまうので
これは行わない方が良いですね。
調整の為、トリガーバーが外せる状態まで分解します。
左:ノーマル 右:調整済み
まずトリガーバースプリングを「トリガーバーの押し上げが弱くなるように」調整します。
「トリガーバーの押し上げ」が弱くなればトリガーバーとスライドの摩擦が減ります。
P226ではこのトリガーバースプリング1個で「トリガーバーの押し上げ」と
「トリガーのリセット(トリガーバーを後方へ押す)」を行っている為、
「トリガーバーの押し上げ」を弱くし過ぎるとトリガーの戻り(リセット)も悪くなってしまいます。
「トリガーのリセット」に不具合が出ない範囲で調整します。
トリガーバーの押し上げが弱くなるようにトリガーバースプリングを調整すると
ハンマー打撃時にトリガーバーがディスコネクター(赤丸部分)の下に逃げ易くなってしまうので
トリガーバーが逃げ難いようにディスコネクターを少し下向きに曲げてやる必要があります。
(曲げ過ぎるとトリガーバーがディスコネクトされなくなってしまいます)
スライドが前後動する際にハンマーと擦れる「トリガーバーの後端」を削ります。
トリガーバー後端の「ハンマーと当たる角度」を変えることで
ハンマーとの接触で発生する「摩擦力」を減らします。
*ちなみにブローバック動作時(トリガー引いてる時)は
トリガーバーは後退するスライドに押し下げられて
ディスコネクターの下へ「ディスコネクト」されてしまうので
トリガーバーとスライドの摩擦は弱くなります。
ついでにロッキングインサートの前端にピッタリ形状に切った1mm厚のゴム板を接着して
バッファーとして機能させてます。
(ブローバックの度に金属製ロッキングインサートとスライドが衝突する構造なのです)
更についでにリコイルスプリングガイドの先端を丸く削って黒染めしてみました。
実銃の9mm仕様P226のリコイルスプリングガイド先端形状に近づいたかな?
(Gunプロ誌見てると口径によっても形状が異なるご様子…)
トリガーバー周辺を調整することでスライドの手で引いた時の戻りは良くなりました。
調整後の作動動画です