諸君、ご壮健かな。
キャフェテラス。
この人と人が交わる人間交差点は、時に興味深い情報が集まる座標。
その日、私は湯気を立てるコーフィーをすすりながら、書物(漫画)を開き一息をついていた。
女子「◯◯の鍋さー、取っ手が取れるから欲しいんだよね」
チラリと声の主を見ると、二十代ほどの男女。夫婦か情人かわからないが、近い関係のようだ。
男子「いらねー、役立たねーしさー、金の無駄」
男子(以下、オニーン)はバッサリ。話も聞かないし、どんなものかわからないうちから全否定。どうしようどうしよう。
勝手に無関係者がドキドキ。
女子「重なるからしまうの便利なんだよ」
オニーン「取れるだけだろー?なんかもっと楽しいことに使おうよ」
なんなの?このパープーな発言。というか、女子!もっと文句言え!どうせオニーン、料理作ったことないバブバブだろう?
オニーン「しょうがねーなー、どれだよ。いま調べっから」
女子「ありがとう」
泣ける!不貞腐れてようにスマートフォンをいじるオニーンを前に、お願いお願いと手を合わせる姿、涙無くして見られようか!
オニーン「…」
女子「…」
無言が続く。シャッシャッとオニーンがスマートフォンをいじる。そして口を開いた。
オニーン「いいじゃん!何で買わないの!」
シャア!(!!!)
オニーン「聞く前に買えばいいのに」
何だその謎の強気!手のひら返しもいいとこだ。ぐぅっ…これは…女子は怒りに震え…。
女子「ありがとう!やさし!」
!!!
わーい!お花畑だぁー!