[コラム] 閃光のハサウェイ、将来の子供たちへ。 | シャアに恋して ~デスラー総統のロマン航路~

諸君、ご壮健かな。



さて、先日やっと陽の目を観た映画。


 

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』劇場先行通常版 Blu-ray

 

機動戦士ガンダム

閃光のハサウェイ


「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の第二次ネオ・ジオン抗争から12年後の世界。現実の12年前を想像すると。


 

合衆国再生―大いなる希望を抱いて

 

バラク・オバマが、黒人初のアメリカ合衆国の大統領になった年。


遠くになった希望の熱狂だが、過去ではない。そう、ハサウェイにとっても、シャアの熱狂はつきまとう残像なのだ。



かつて、小説で「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」が執筆された時代とは、違った捉え方をされる単語。


テロリスト。


ニューヨークの貿易センタービルに飛行機が飛び込んだ衝撃、アルカイダによる国家転覆、イスラム国による個人への制裁・・・。


余りにも身近になり過ぎた。


若かりし日は、沈滞し腐敗した地球連邦に制裁を加え、覆して欲しいと観ていた、マフティーという英雄も、今の私にはそうは見えない。


大きな思想があろうが、それと引き換えに多くの人々の日常を犠牲にしていいのか。


もはやただの「迷惑」でしかないのではないか。




今回の作品では、ハサウェイは悩んだ。自らの手段は合っているのか?この苦悩が、私には一縷の望み。



近年、SDGsという誰一人取り残すことなく無理なく、地球の将来を大事にする思想が生まれている。


これはあのシャア・アズナブルですらたどり着けなかった境地。これは机上の空論であるのか、起死回生の共生策なのか。


その結果が見えるのは何十年後、何百年後。私がいなくなったあとの子供たちが、笑顔で迎える将来を夢見るのだ。



ハサウェイ・ノア。


彼の行き着く先がどこなのか。私は祈るように次作を待つのだ。