先日、物資配給所(食品スーパー)に、買い物に行ったときのこと。照準を定め、三倍の速さで宙域を離脱しようとした刹那。
「何なんだよ!」
余りの大きい声に、私が言われたかとビクリと足を止めた。そしてその主を見ると。
50代半ば、小太り男。浅黒。
どうも奥さんと来ているらしいが、荷物は持っていない。ポケットに両手を突っ込みながら、奥さんとおぼしき人に不平を言っている。
「今日は冷凍餃子かー」
「明日の分よ、私仕事だから」
・・・。
胃の奥の反吐がムズムズする。生理的に鳥肌、ブルブルが止まりません!キシリア閣下!
袋パンパンの食べ物を持つ小柄な奥さん、表情が読み取れない。というか、感情が消えている。
辺りでは奥さまたちがイソイソとビニール袋に商品を積め、短期離脱で入れ替わる。コロナ禍の中、家族のためにこの物凄い雑踏という戦場で、買い物して帰っていく。
感動にすら近い、そんな感情が芽生えた頃。
男「こんなに人が集まってよー!密だろうが!!!」
・・・。