彼の盟友、ドリフターズの三人、研ナオコ、いしのようこが出演していた。しめやかな始まりは似合わないといい、みんな笑顔だった。
でもワイプに映っていた加藤茶、最後の高木ブー、溢れていた。抑えきれない哀しみが。
私が幼き頃、志村けんの大丈夫だぁ!が全盛期で、ダントツの人気だったのが変なおじさん。だっふんだっふん、連呼だった。
辛いことが合ったとき、「大丈夫だ」。そう仲間が慰めてきて、大丈夫だぁ!を思い出して笑い、オゲレツな志村の話になりどうでもよくなった。
大丈夫だぁ!
大丈夫だぁ!
大丈夫だぁ!
今つぶやいてみる。
出演していた五人は大丈夫じゃない。
志村を失った我らは大丈夫じゃない。
そして。
日本は大丈夫じゃない。
まもなく経済は破綻するだろう。でも危機感は伝播せず、遊ぶ若者はいなくならないだろう。彼らの目には、安倍晋三や小池百合子が懸命に訴える姿すら、滑稽に映っているのかもしれない。
笑いが伝播して、だれもが笑顔になった志村けん。その彼の果たすべきだった役割はあまりにも大きく、その死をもって僅かな波紋を広げてくれたのもいくばくか。
嗚呼、次の世代に日本を残せないのか。そんな絶望に似た気持ちを抑えきれず、それでもいつか来いと思いたい。
日本は大丈夫だぁ。
だっふんだ。
ものすごく哀しい。