※この記事は過去記事の再構成です
諸君、ご壮健かな。
機動戦士ガンダム。
数々の戦いがあったが、その中でも、多くの戦士たちが命を散らした戦い。
この戦いの中では、シャア・アズナブルやアムロ・レイといった英雄だけではなく、名もなき多くの戦士たちが命を燃や漆黒の宇宙へと消えていった。
かれら一人一人に夢があり、大事な人がいて、でもそれを胸に抱えていたと考えると、心が痛んでくる。
この残酷な戦争の契機となったのが。
いわゆる、人が住むべきスペースコロニーを弾頭にみたてて、地球に落下させるという奇襲作戦である。
突然現れた巨大なコロニーに、地球に住む人々はどれだけ驚いたことだろう。雲を割って落下していく圧倒的な質量を前に、呆然としたことであろう。
これに匹敵する奇襲作戦。それが、太平洋戦争でもあった。
真珠湾作戦。
日本はアメリカへの宣戦布告を行ったが、アメリカの日本大使館が処理に手間取ったため布告前の攻撃となった。この手間取ったことが伏せられたため、卑怯な作戦の代表的な扱いをされることも多い。
これはアメリカが国内世論を、戦争寄りに持っていこうとした策謀といううわさも根強く、政治という世界の本質が透けて見える。
しかし、兵士たちにはそんな上層部の思惑は関係ない。
日本の戦闘機乗りたちは、正義を信じて作戦を遂行し勝利に酔った。アメリカの兵士たちは、不義を信じて反攻を心に誓った。
ひとついえるのは多くの命が、ここで犠牲となり。その恨みが恨みを呼び、さらに恨みを引き起こす。一つ一つの思いが、からみもつれあっていくのだ。
その象徴が。
戦艦「アリゾナ」の沈没。
多くの船員を乗せたまま、その船体は海の底に沈んでいった。それは怨嗟の象徴として、アメリカ兵たちの心に刻まれた。
「リメンバーパールハーバー」
シャア!はかつてハワイに行った時、まず真珠湾を訪れた。
そこでは。
その周りでは、まだオイルが丸い輪をいくつも作っている。まるで、無念に沈む兵士の涙のように。
まだ多くの人が、この下で眠っている。その事実を思い、戦争は絶対にしてはいけないと思うのだ。
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