「宇宙世紀0079…」 | シャアに恋して ~デスラー総統のロマン航路~
諸君、ご壮健かな。


機動戦士ガンダムのナレーション。
毎回、「宇宙世紀0079…」から始まる。

あの妙に写実的な口調が。
幼い私には怖かった。

スペースコロニーが降ってきて。
地球の半数の命を奪ってしまう。

そして、ジオン公国と、名乗る。
正体不明の存在が攻めてくる。

あまりにもリアルに感じた。


あの声を担当していたのが。

永井一郎。


今ではサザエさんの波平さんの声で有名。
あのいそうでいない絶妙な頑固サラリーマン。

彼の声はどこか真実味がありながら。
架空の世界。


その彼が広島のホテルで急死した。

心のどこかで架空の世界ではないか?
そう思いながら、あまりにも哀しいが、事実だ。


人気声優と言えば。

野沢雅子。
古谷徹。
神谷明。

みんな主役を演じた人ばかり。
しかし彼は脇役やナレーションの声ばかり。

しかし、人気の声優となった。


人は死に瀕して。
心に残る台詞を放つ。

彼のように。
脇役という近い存在でありながら。
輝いた男の最期の台詞。

聞いてみたかった。

きっと。
我々庶民に響く金言になったはず。


でもふと思う。

死ぬまで現役。

その生き方は。
逆に勇気をくれるものかもしれない。

そんなことを思いながら。
自らに残された人生を思うのだ。





ご冥福をお祈りいたします。



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