諸君、ご壮健かな。
近年、日中関係が緊迫化している。
お互いの国民が相手の国のことをどう思っているか。
「嫌い」がともに90%を超えているという。
でも実は元々、日本国民の方が相手を嫌いな割合が多かったそうだ。
しかし、直近では中国国民が追い抜いたらしい。
なぜ、両国はこうなってしまったか。
機動戦士ガンダムを考えてみる。
もともと、地球は一つの地球連邦国家だった。
しかしいつしか地球は飽和状態になり、富裕層は貧困層を、宇宙のコロニーに移民させた。
ここで宇宙に住むもの「スペースノイド」。
地球に住むもの「アースノイド」。
二つの人種が生まれてしまった。
そして、この政策。
なんと呼ばれたか。
棄民政策。
この愛すべき地球を、侮蔑的に追われた人々が。
いつしか植民地と化したコロニーで蜂起する。
それが、ジオン公国が地球に攻めてくる。
あの、シャア・アズナブルが登場するシーンだ。
今一度、現実の社会に戻ってみる。
第二次世界大戦。
日本は逼塞した島国から、利益を中国本土に求めた。
その利益追求の行い(様々な考えがあるので、あえて侵略とはいいません)。
結末は、世界中から非難を浴び敗戦で終った。
利益を求め軍をすすめたという、汚名。
敗戦国と言う、汚名。
日本は、二つの汚名と。
中国に怨恨と侮蔑の種を残してしまった。
中国は、自らの国に進軍した日本を非難した。
敗戦国だから償いをせよ、と迫った。
そして、それはいつしか奢りとなり。
日本に過大な要求を突き付け始めた。
そんな中、歴代の日本の首相は靖国神社に参拝し。
石原都知事が尖閣の国有化宣言をした。
これは日本国民なら、是認する人も多い。
私も、あの戦争で失われた戦没者には敬意を覚える。
しかし、指導者たちがそれを行動に起こした時。
公式だろうが私的だろうが、国の意思と世界は受け取ってしまう。
それに対し、中国は暴動をおこし。
中国を思ってくれた松下電器の向上にまで火をつけてしまった。
日本には、敗戦と言うトラウマがある。
しかし、世界にも日本が歩んだ帝国主義が生んだ戦争にトラウマがある。
そのトラウマが、より敏感な感覚を持つ中国国民の間で。
また、日本の指導者たちの行動で沸き上がってしまった。
今年、安倍晋三首相は靖国に参拝しないと中国に伝えた。
これは弱腰だと思うかもしれない。
英霊を思う彼本人にとっては、どんなにか断腸の思いであろう。
しかし戦後長く続き、終わる気配の見せないこの問題。
彼の判断は、もしかしたら英断なのかもしれない。
私はこの日本が大好きである。
その心はいつも、意識の奥に持っている。
あの時、日本にだって事情はあった。
そして今、世界が思うほど悪い国ではない。
でも、その思いを押さえて。
終戦の日を間もなく迎える今、この文章を書いてみた。
前回とりあげた。
モンスターと表現した相手を理解しようとしない人達。
彼ら彼女らは、確実に増え続けている。
でもそれは、理解しまいとかたくなになる思いと。
その相手がそれに応酬する負の連鎖の結果なのかもしれない。
人の本質が変わるのではなく。
もしかしたら伝染していくのかも、と思う。
その負の連鎖を。
過去の戦没者たちは望んだだろうか。
私の中で理性と感情が揺れる。
そんなことを考える夏が、間もなく終わる。
- (参考文献:機動戦士ガンダム)
(過去のコラム )