諸君、ご壮健かな。
さて、シャア!は。
大友克洋が。
久しぶりに制作した作品。
短いストーリーを。
様々な人の手がつくり、連続して上映するスタイル。
その新しい手法が。
どんなものだろう。
そう思って見てきた。
これは、物語ではない。
「場面」だ。
長い流れの中のクライマックスを切り取って。
そこに絞って映像化していく。
最高の場面に全身全霊を込めた作品を。
連続して見られる。
なんとぜいたくなのだろう。
この感覚。
何かで感じたことがある。
そうだ。
歌舞伎は長い物語のほんの一瞬の魂の揺らぎを切り取り。
そこを芸術の域まで高めた。
前後の流れは自分で調べろという。
暴力的なまでの集中的な演目。
でも、大学時代に観た勧進帳は衝撃だった。
逃げる主君・義経の正体がばれないように。
関所で泣きながら彼を棒で打つ、家臣・弁慶。
それを観て途中で気付くが。
弁慶の心に打たれ、黙って通す番人・富樫。
弁慶の心に涙する観衆の心が。
富樫とシンクロしていく。
そこから感ずるもの。
そこから学ぶもの。
作り手の思いがほとばしる。
シャア!はどちらかというと。
作り手より、キャラクターに共感する方だ。
富野由悠季よりシャア・アズナブル。
宮沢賢治よりジョバンニ。
宮崎駿より堀越二郎。
でも、この場面を切りとり、前後を考える。
そこで感じとる、作り手の思いを。
思い出した。
そんな作品が、シャア!にもある。
戦争をとりあげ。
そこに意義を見出し、散っていく戦士たち。
それは戦争賛美のように見え。
実はものすごく反戦だと思う。
夢をあきらめ、すすんで散っていく男。
そう思わせる「戦争」の恐るべき力。
その思いが伝わってくる。
西崎義展プロデューサー。
あなたが太平洋に散った後に始まった「宇宙戦艦ヤマト2199」。
8月に完結する。
その魂を引き継いだ結末を。
どこかで見ていてくれるのでしょうか。
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