【戦士へ贈る唄】蛍(TUBE) ~スレッガー・ロウ~ | シャアに恋して ~デスラー総統のロマン航路~
諸君、ご壮健かな。


機動戦士ガンダムの世界で。
宇宙の歴史の澱になった戦士たち。

激動の時代を駆け抜けた彼らへ。
シャア!なりの鎮魂歌(レクイエム)を贈りたい。


 
スレッガー・ロウ(機動戦士ガンダム)
※人物伝はコチラを参照

一年戦争も終盤。
アムロ・レイが乗るホワイトベースに、一人の男が配属された。

クルーは少年兵ばかりであり。
経験豊かなパイロットはいなかった。
それを補うべく、彼がやってきたのだ。

それが、スレッガー・ロウ。


 

言葉は粗野。
当初は少年兵たちを時には叱責し、時には誉め。
その起伏の激しさに、クルーから反感を買う。

しかし、やがてその内面に秘める心の温かさが。
徐々に理解されていき、少しずつ慕われはじめる。
その中の一人が、女性クルーのミライ・ヤシマであった。

そんな中。
ジオン公国から凶悪な機体、ビグ・ザムが襲ってくる。

またたく間に自軍の機体を焼き尽くすビグ・ザム。
絶望的な戦いに臨もうとする、スレッガーをミライが必死で止める。

そしてスレッガーも、自分のミライへの気持ちに気がついていた。


 

スレッガーは優しくミライに語りかける。
「俺にとっちゃあ、少尉はまぶしすぎるんだ。世界が違うんだな。」

そして、スレッガーは飛び立つ。
ミライを守るために。


アムロ・レイの駆るガンダムは、ビグ・ザムに歯が立たない。
その打開策として、スレッガーは特攻をかけようという。

そして、ガンダムの突破口を開くべく。


 

スレッガーは機体ごと体当たりをする。

その瞬間、彼はぽつりとつぶやく。
「悲しいけど、これ戦争なのよね。」
 
そして次の瞬間。
彼の存在は、過去のものとなった。


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彼はひとりぼっち。

各部隊を転々と移り。
愛する恋人もいない。

そんな時に。
ホワイトベースのクルーたちと出会った。
彼らは、しみこむような温もりをくれる。

ララァ・スンはアムロ・レイに問うた。
「愛する人がいないと戦えないでしょ?」

スレッガーの生き方は真逆。
彼は優しすぎるから。
愛する人がいると、死ぬのが怖くなる。

だから彼は、再びひとりぼっちを選んだ。

「死にざま」という言葉は好きではない。
人は生きるために戦うのだから。

スレッガーは「生きざま」をみせつけた。
他人を生かそうとする「生きざま」を。

彼の初めての拠所になりそうな場所を守るべく。
最期に拠所に背を向けて散った彼の。

彼の心によぎったのはなんだろう。

それをいつも考えるが。
永久に、答えは出ない。






蛍 (TUBE)
作詞:前田亘輝 作曲:春畑道哉

愛すること 誰かに教えて
もらった訳でもないのに

なんでかな 知っているこの胸
ずっと前から 生まれる前から

誰かのためでなく まして見返りでもない
愛を灯し宙(そら)を舞う 僕はホタル
今日に汚されながら 明日に傷つきながら
いつか巡り会える 君に
見えるように

変えられない 宿命(さだめ)がある事
知りながら儚く光る

一瞬が 永遠に続くと
信じるように 伝えるように

愛に裏切られても 恋に泣いたとしても
命灯し宙(そら)を舞う 僕はホタル
その胸の奥深く 澄みきった水辺で
涙こらえている 君を
守るように

誰かのためでなく まして見返りでもない
愛を灯し宙(そら)を舞う 僕はホタル
今日に汚されながら 明日に傷つきながら
いつか巡り会える 君に
見えるように

届けホタル





(参考文献:機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編)
 
(収録CD:蛍/TUBE)



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