ザクに関する記事を読んで、ふと思い出した「ジム・スナイパーカスタム」の狙撃手扱いの疑問。 | ガンダム アラフィフ

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マグミクスに「いつからザクはザクIIになったの? 歴史を振り返ると見えてきた誤解のワケ」という記事がありました。

 

「ザクがいつ頃からザクIIと呼ばれるようになったか」、「子供の間でザクIIに関する誤解が多発した訳」などを著者の視点で記事にされています。

 

記事の中で唯一気になった点はMSVの高機動型ザクIIのパッケージが「MS-06R ZAKU II」と表記されていて、他のザクキャノンなどはともかく誤解の助長の一つとしてMSVの「ザク・マインレイヤー」がパッケージに「ザクII・マインレイヤー」と表記されていないと指摘している点。

 

確かに大きく「MS-06F ZAKU MINE LAYER」と表記されているのですが、その下にはちゃんと黒文字で「ZAKU II MINE LAYER」と記載されていますから、別にマインレイヤーを指摘する必要は不要だったんじゃないかな。

 

しかし改めて「MS-06R ザクII」としかパッケージに書かれていなかったのを目の当たりにすると、キットを購入だけした子なんかは勘違いしても確かにおかしくなかったかもと思いましたね。

 

私が子供の頃は「MS-06R ザクII」のことを仲間内では「06R」または「06Rのザク」なんて呼称していて、「ザクII」とは誰も言ってなかった。

 

うろ覚えだったので調べてみたけど、やはり「コミックボンボン」などでキット化前の作例が掲載されている時には「06-Rタイプザク」と紹介されていました。

 

だから、キット化前に「06Rのザク」とか「06R」として認知していたので、キット化されて「ザクII」とパッケージに記載されていても「ザクII」とは呼称せず、あえて「06RザクII」なんて呼称していたのかもしれない。

 

そういう意味でいえば、私は「ジム・スナイパーカスタム」がいつから「狙撃手」というイメージが定着したかの方が気になる。
 
私は「ジム・スナイパーカスタム」は「格闘専用機」のイメージでした。
 
「ジム・スナイパーカスタム」のデザインを見てください。
 
頭部にはゴーグルタイプのカメラアイ部を保護するためのバイザーが増設されていて、胸部や腰部には増加装甲、腕には「ボックス型ビームサーベル」、脚部には「二連装ビームガン」。
 
スナイパーらしい要素といえば「R4タイプ・ビーム・ライフル」ということでしょうが、MSVでデザインが発表された当初はそんなライフルなんて持ってなかった気がする。
 
昭和の映画や刑事ドラマなんかにはよくスナイパーは狙撃するために結構よく出てきていて、遠距離からの映像にスコープ(標準)で狙いを定める演出なんてよく観てましたから、スナイパーが狙撃手という意味は小学生の頃には知っていて、狙撃手のイメージ(サングラスでストックの大きいライフルをビルの上から構えているとかね)なんかも小学生の時でもちゃんとありましたけど、「ジム・スナイパーカスタム」に狙撃手というイメージは全くありませんでした。
 
私がガンダム、ガンプラに一番ハマったのは小学校6年から中1とかくらいなので、MSVに関してはコミックボンボンなどの情報で止まっていて、実物大ガンダムがお台場に立ってから、またガンダムに関してハマって今に至る訳ので、昭和の頃の記憶から色々と変更されていることが多くて戸惑うこともしばしば。
 
MSVの後に発表された第08MS小隊の「ジム・スナイパー」、ポケ戦の「ジム・スナイパーII」が狙撃手という扱いなのはカラーリング的にもデザイン的にも分かるんですよ。
 
「ジム・スナイパー」は狙撃するためだから通常の陸戦型ジムとはカラーリングのみの違いだけで、一目で長距離ライフルと理解できるような「ロング・レンジ・ビームライフル」を持っているし、「ジム・スナイパーII」は頭部バイザーに狙撃時にの動作も設定されていますし、狙撃手らしい「75mmスナイパー・ライフル」も持ってますからね。
 
しかし、「ジム・スナイパーカスタム」は頭部のヘッドギアは殴られた時にゴーグルのカメラアイを守るためのモノというデザインのハズで、各部には増加装甲があるし、接近戦で使うような腕に固定された「ボックス型ビームサーベル」、脚部にはライフルじゃない近距離戦用らしき「二連ビームガン」もあるじゃないですか。
 
少なくとも私の記憶では「コミックボンボン」などで設定画や作例が掲載されている時点では「エース専用機」とか「格闘機」と紹介されていて、「狙撃タイプ」とは説明されていなかった。
 
「ジム・スナイパーカスタム」に狙撃手と説得させるデザイン要素は全くありませんよね。
 
唯一スナイパーらしい長い形状の「R4タイプ・ビーム・ライフル」も、「コミックボンボン」などで「ジム・スナイパーカスタム」が発表された時には持っていなかった記憶。
 
ガンプラのパッケージとかストリームベースのキットを使った作例では持ってた記憶ですけどね。
 
そんな感じでネット検索したら、やはり「ジム・スナイパーカスタム」は「コミックボンボン」で「熟練度の高いパイロットによって使用される格闘専用タイプ」と紹介されている大津好満さんのキット化前の作例画像を発見。
 
他にも「模型情報」の裏表紙にデザイン画が掲載されていて、そこでも説明を読むと「格闘専用タイプ」とあり、武装に関しても「380mmバズーカ」と説明されている画像も発見。
 
やはり当初は「380mmバズーカ」を装備しているという設定で、「R4タイプ・ビーム・ライフル」なんて設定はなかったようです。
 
キット化されたパッケージアートでは「R4タイプ・ビームライフル」を持っているし、キットに付属しているのは「R4タイプ・ビーム・ライフル」で「380mmバズーカ」は付属しませんから、キット化辺りで何かしらの動きはあったのでしょう。
 
「コミックボンボン」に掲載された「ストリームベース」御三方による「ジム・スナイパーカスタム」のキット作例では高橋さん以外の御二方は「R4タイプ・ビーム・ライフル」を右手に持たせてますし、小田さんは「インターセプタータイプ(腰後部に380mmバズーカをマウント)」、高橋さんは「フルアーマータイプ(右手にはザブングルのような三連ハンドキャノン、胸部腰部などにミサイルポッド装備)」、川口さんは「長距離狙撃タイプ(左脚部に予備のR4タイプ・ビーム・ライフルをマウント)」を作られています。
 
やはり、子供の頃の記憶は間違っていなかったようですが、最初のデザイン発表からキット化辺りで何かしら動きがあったのかな。
 
メカデザインには分かりやすい記号的なデザインというか、これはどういう用途に使われるメカなんだと分かるデザインってありますよね。
 
ボンベを背負っていたり各部にフィンがあったり、水中銃みたいな装備をしていれば、一目でこれは水中用だと判断できる、みたいな。
 
「ジム・スナイパーカスタム」の記号的なデザインは、今見てもどちらかといえばやはり「格闘機」のデザイン。
 
やっぱり「スナイパーカスタム」を「狙撃手用カスタム機」と判断した関係者がいたのか、キット化するにあたり、設定を煮詰める際に狙撃手という位置付けにしたのか分かりませんが、時系列で考えると「ジム・スナイパーII」が「ジム・スナイパーカスタム」のリデザインのようなモノだから、ここが分水嶺だったかもしれないなぁ。
 
最後に豆。
 
「ジム・スナイパーカスタム」は「ジム」の「スナイパーカスタム」。
 
「ジム・スナイパー」は「ジム」の「スナイパー」で「ジム・スナイパーII」は「ジム」の「スナイパーII」。
 
「・」が「の」という意味で、「ジム・スナイパーカスタム」は「スナイパーのカスタム」ではありません。
 
このユーザー側は適当に使っている「・」の位置が実は重要なんですよ。