峠の風 | 専業主婦詩人/gumiyosikoの風模様

峠の風

 天国から返事が・・・・


お盆も過ぎた今日 天国に帰られた母から

メッセージが・・・

 「小瀬田峠」の二編目「峠の風」があるはず・・・・と

「はい はい!」確かにありました。

 やっぱり 峠の風は私の「人生峠」なのかも・・・

 「ねぇ かあちゃん・・・」

 盆月なので・・・まだ近くに居てくれて・・・か?

 ではあらためて・・・・・ここに・・・


        峠の風

     

   亡母を思い出させて

   緑の風が渡っていく

   地図からさえ

   その名も消された「小瀬田峠」


   かつて この辺りを吹き渡っていった 峠の風は 

   母の歩き方を見ていたろう 

   その背に重い 行商の荷や

   駒下駄を減らしながらの汗を

   そして どんな思いで

   峠越えをしていたかを・・・


   ゴルフ場の造成地の一隅に

   落陽を連想させるカラスウリが

   自己主張の旗を振るかのように

   風を巻き込み 朱赤の実を揺らしている


   峠の風は昔日の私の風を蘇らせ

   亡母の歩いた道で母の風と合唱する

   風は年々歳々の模様を濃く淡く再現しつつ

   私のなかの季節風となった


   峠の風は 私の道標

   その道々には 心澄まさす

   私への風の仕掛けがある


   風に真向かい 耳を澄まし

   亡母からのメッセージを賜おう



  

     ※ 蝉の声を総身で聞いている・・・盆明け・・・