小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (16)
ホリホリモン江掘貴之は武道館から駿河台方面臣民軍兵士を三列縦隊で出発させた。臣
民軍兵士のスタイルは全員が鉄筋工やとび職が現場で着用する作業着だった。ニッカズボ
ンは危険な身体動作には適していた。その建築専門職作業着は黒。黒いとび職の上着には
前の胸のところに「改革」という縦文字が白抜きされている。背中に「日本独立」という
白い文字が縦にロゴとして入っていた。頭は黒い無地のヘルメットだった。腰には安全ベ
ルトを締め建設現場でみかける腰袋をしている。腰袋にはバルサンとラッカーシンナーペ
ットボトルが入っていた。足場の鉄パイプを組み合わせクランプの六角ネジをしめるラジ
ュエットを入れておく、ベルトの場所にはナチス棒が差し込んであった。肩から背中には
木刀替わりの鉄管がはすかいになって掛けられていた。それはまるで日本刀を背負った佐
々木小次郎のようだった。手首には手甲を巻いていた。部隊が黒い安全靴で行進する足音
は周囲を威圧するだろう。両手は建設作業用の皮手袋をはめていた。全員が顔に建設現場
解体用の白いマスクを被り、異様さは増幅していた。港湾労働も貨物船から荷物を運び出
すとき、同じ作業着制服を着た港湾労働者の軍団がバスから貨物船に乗り込むが、軍団展
開の作業制服を着た職人が帝都の道路を行進する姿はまるで、これから都市が解体される
かのような雰囲気があった。黒いカラス軍団は田安門をくぐり、桜並木を降り、靖国神社
にかかる歩道橋を渡りはじめた。靖国方面隊は駿河台方面隊の後から靖国通りに出る作戦
だった。靖国通りからは城壁の田安門によって、見えるのは武道館の屋根のみだった。城
壁は靖国神社境内の敵から臣民軍の戦闘準備を隠してくれた。
突然、武道館方面から黒いとび職人たちの行進であるカラス軍団が出現し、靖国通りを
渡る歩道橋を行進している姿は、靖国神社第一鳥居前の広場に陣取り街宣車の上にいたを
軍隊服の右翼驚嘆させた。大村益次郎銅像が建つ境内の集会参加者たちからは下の様子が
見えなかったので混乱はなかった。靖国神社の門の前で徒党を組みながら旧右翼の動向を
ウオッチしていた私服の警視庁公安部右翼担当平沢克栄が、襟につけているピンマイクで
武道館方面から登場したとび職スタイルのカラス軍団について警視庁警備司令部に報告す
る。警備司令部は皇居前にある警視庁ビルにあった。
「ゼネコンが送り込んできた建設職人連合の右翼だんべ」
「自民党幹事長の武部がゼネコンに話をつけて靖国に送ってくれたんだべよ」
「それにしてもカッコよがんべ」
栃木県から参加している街宣車の右翼が興奮して栃木弁まるだしで話していた。
「続々と靖国神社には万世の隊列が結集している。九段会館に向けて突撃だ!国家生活
党大会を撲滅しろ!」
旧右翼青年愛国党の幹部がカラス軍団の登場に興奮して街宣車の上からマイクで絶叫し
た。その日靖国神社には三十台の旧右翼街宣車が結集していた。
「あれぇーーー、なんだべ、靖国の正門から境内に入って来ねぇよぉ、先頭は通り過ぎて
いってしまうべよぉ、どうしたんだんべ」
「きっと、街を練り歩いてくるんだっぺよ、祭りとおんなじだんべよ」
栃木県から来た右翼はカラス軍団に圧倒されていた。カラス軍団の先頭は靖国神社の幅
二メートルはある巨大な第一鳥居をくぐり境内に向かうのではなくその目の前の東京理科
大学から九段下交差点に向かっていた。靖国通りの神田神保町方向は三車線。歩道側の一
車線を占領し車道を行進していく。
「映像を送信しろ」
警備司令部から靖国神社に張り付き情報を現場で収集する警視庁公安部の私服に指示が
飛んだ。携帯用小型動画カメラで私服はカラス軍団の行進を歩道から撮影し、オンライン
で警備司令部に送信する。警視庁警備司令部は、靖国に張り付いていた私服軍団の半分を
カラス軍団ウオッチに回す指示を出した。カラス軍団が何処の党派か、それを特定するこ
とが公安私服の最初の仕事だった。警視庁公安部は公安総務課(国家生活党、日本共産党、
オウム真理教などを捜査対担当)、公安第一課(新左翼・労働争議担当)、公安第二課
(労働団体、革マル派等を捜査担当)、公安第三課(右翼の捜査担当)、公安第四課(資
料収集・統計)、外事第一課(外交官、外国人警備担当)、外事第二課(アジア出身外国
人担当)、外事第三課(国際テロ担当)、公安機動捜査隊、NBCテロ捜査隊(理系大学
などの出身者を中心に構成)などによって機構化されている。右翼担当は公安第三課だっ
た。
靖国集会の情報チーム親分である平沢克栄は警備司令部にカラス軍団は革マル派の偽装
デモ隊かもしれないから、公安第二課の出動を要請した。新左翼担当の公安第三課は明治
大学での集会をウオッチしているので、そちらから回すことはできなかった。平沢克栄は
九段会館をウオッチしている公安総務課の親分である亀井静香にカラス軍団が靖国通りに
突然登場したことを無線のピンマイクで連絡した。もちろん使用しているのは、革マル派
による警察無線盗聴事件の総括から盗聴防止のデジタル暗号化された無線だった。
「カラス軍団がまだどこの党派か、まだ特定できない。国家生活党である情報はないのか」
平沢克栄は怒鳴りながら亀井静香に無線で質問した。九段会館の敷地で徒党を組んでウ
オッチしていた公安総務課の現場指揮者親分の亀井静香は走った。九段会館の駐車場から
昭和館は通り抜けでき靖国通りの歩道に出ることができる。昭和館の一階はアーチ型だっ
た。靖国通りの九段坂を行進しているカラス軍団がいた。平沢克栄は明治大学の集会ウオ
ッチ担当の前原誠司にもカラス軍団の登場を携帯電話で連絡した。前原誠司は御茶ノ水駅
前路地にある画廊純喫茶「ミロ」で平沢からの連絡を受けた。そして外に飛び出した。前
原誠司は部下に、革マルの偽装部隊が登場するかもしれない情報が入ったから注意しろと
部下に指示した。
民軍兵士のスタイルは全員が鉄筋工やとび職が現場で着用する作業着だった。ニッカズボ
ンは危険な身体動作には適していた。その建築専門職作業着は黒。黒いとび職の上着には
前の胸のところに「改革」という縦文字が白抜きされている。背中に「日本独立」という
白い文字が縦にロゴとして入っていた。頭は黒い無地のヘルメットだった。腰には安全ベ
ルトを締め建設現場でみかける腰袋をしている。腰袋にはバルサンとラッカーシンナーペ
ットボトルが入っていた。足場の鉄パイプを組み合わせクランプの六角ネジをしめるラジ
ュエットを入れておく、ベルトの場所にはナチス棒が差し込んであった。肩から背中には
木刀替わりの鉄管がはすかいになって掛けられていた。それはまるで日本刀を背負った佐
々木小次郎のようだった。手首には手甲を巻いていた。部隊が黒い安全靴で行進する足音
は周囲を威圧するだろう。両手は建設作業用の皮手袋をはめていた。全員が顔に建設現場
解体用の白いマスクを被り、異様さは増幅していた。港湾労働も貨物船から荷物を運び出
すとき、同じ作業着制服を着た港湾労働者の軍団がバスから貨物船に乗り込むが、軍団展
開の作業制服を着た職人が帝都の道路を行進する姿はまるで、これから都市が解体される
かのような雰囲気があった。黒いカラス軍団は田安門をくぐり、桜並木を降り、靖国神社
にかかる歩道橋を渡りはじめた。靖国方面隊は駿河台方面隊の後から靖国通りに出る作戦
だった。靖国通りからは城壁の田安門によって、見えるのは武道館の屋根のみだった。城
壁は靖国神社境内の敵から臣民軍の戦闘準備を隠してくれた。
突然、武道館方面から黒いとび職人たちの行進であるカラス軍団が出現し、靖国通りを
渡る歩道橋を行進している姿は、靖国神社第一鳥居前の広場に陣取り街宣車の上にいたを
軍隊服の右翼驚嘆させた。大村益次郎銅像が建つ境内の集会参加者たちからは下の様子が
見えなかったので混乱はなかった。靖国神社の門の前で徒党を組みながら旧右翼の動向を
ウオッチしていた私服の警視庁公安部右翼担当平沢克栄が、襟につけているピンマイクで
武道館方面から登場したとび職スタイルのカラス軍団について警視庁警備司令部に報告す
る。警備司令部は皇居前にある警視庁ビルにあった。
「ゼネコンが送り込んできた建設職人連合の右翼だんべ」
「自民党幹事長の武部がゼネコンに話をつけて靖国に送ってくれたんだべよ」
「それにしてもカッコよがんべ」
栃木県から参加している街宣車の右翼が興奮して栃木弁まるだしで話していた。
「続々と靖国神社には万世の隊列が結集している。九段会館に向けて突撃だ!国家生活
党大会を撲滅しろ!」
旧右翼青年愛国党の幹部がカラス軍団の登場に興奮して街宣車の上からマイクで絶叫し
た。その日靖国神社には三十台の旧右翼街宣車が結集していた。
「あれぇーーー、なんだべ、靖国の正門から境内に入って来ねぇよぉ、先頭は通り過ぎて
いってしまうべよぉ、どうしたんだんべ」
「きっと、街を練り歩いてくるんだっぺよ、祭りとおんなじだんべよ」
栃木県から来た右翼はカラス軍団に圧倒されていた。カラス軍団の先頭は靖国神社の幅
二メートルはある巨大な第一鳥居をくぐり境内に向かうのではなくその目の前の東京理科
大学から九段下交差点に向かっていた。靖国通りの神田神保町方向は三車線。歩道側の一
車線を占領し車道を行進していく。
「映像を送信しろ」
警備司令部から靖国神社に張り付き情報を現場で収集する警視庁公安部の私服に指示が
飛んだ。携帯用小型動画カメラで私服はカラス軍団の行進を歩道から撮影し、オンライン
で警備司令部に送信する。警視庁警備司令部は、靖国に張り付いていた私服軍団の半分を
カラス軍団ウオッチに回す指示を出した。カラス軍団が何処の党派か、それを特定するこ
とが公安私服の最初の仕事だった。警視庁公安部は公安総務課(国家生活党、日本共産党、
オウム真理教などを捜査対担当)、公安第一課(新左翼・労働争議担当)、公安第二課
(労働団体、革マル派等を捜査担当)、公安第三課(右翼の捜査担当)、公安第四課(資
料収集・統計)、外事第一課(外交官、外国人警備担当)、外事第二課(アジア出身外国
人担当)、外事第三課(国際テロ担当)、公安機動捜査隊、NBCテロ捜査隊(理系大学
などの出身者を中心に構成)などによって機構化されている。右翼担当は公安第三課だっ
た。
靖国集会の情報チーム親分である平沢克栄は警備司令部にカラス軍団は革マル派の偽装
デモ隊かもしれないから、公安第二課の出動を要請した。新左翼担当の公安第三課は明治
大学での集会をウオッチしているので、そちらから回すことはできなかった。平沢克栄は
九段会館をウオッチしている公安総務課の親分である亀井静香にカラス軍団が靖国通りに
突然登場したことを無線のピンマイクで連絡した。もちろん使用しているのは、革マル派
による警察無線盗聴事件の総括から盗聴防止のデジタル暗号化された無線だった。
「カラス軍団がまだどこの党派か、まだ特定できない。国家生活党である情報はないのか」
平沢克栄は怒鳴りながら亀井静香に無線で質問した。九段会館の敷地で徒党を組んでウ
オッチしていた公安総務課の現場指揮者親分の亀井静香は走った。九段会館の駐車場から
昭和館は通り抜けでき靖国通りの歩道に出ることができる。昭和館の一階はアーチ型だっ
た。靖国通りの九段坂を行進しているカラス軍団がいた。平沢克栄は明治大学の集会ウオ
ッチ担当の前原誠司にもカラス軍団の登場を携帯電話で連絡した。前原誠司は御茶ノ水駅
前路地にある画廊純喫茶「ミロ」で平沢からの連絡を受けた。そして外に飛び出した。前
原誠司は部下に、革マルの偽装部隊が登場するかもしれない情報が入ったから注意しろと
部下に指示した。