常に相手を意識しつつ、でも目を合わせるとケンカ勃発。
だけど、うっかり目を離すと、相手だけが何かオイシイ思いをしているのではないかと、常に戦々恐々とし続けていた、このお二人さん。
こうして、すぐ近くで寝るなんて、とてもじゃないけど考えられなかったライムとハナコ。
そのうち、ライムが先に寝ている所へ、自分から近づいて行って一緒に寝ようとするようになっていったハナコ大先生。
でも、たいてい、ハナコが近くに来ると、いかにも不愉快そうに
「プイっ!」
って感じでその場を離れちゃってたライムちゃん。
徐々に距離が縮まっていったのは、いつ頃のことだったか。
だんだん、近くにいてもお互いにリラックスして寝るようになって。
顔が近づいても、威嚇しあわなくなって。
いつの間にか、お互いに寝ながら顔を見合わせて、明らかに何か会話してる時もあったっけ。
この写真は、7月に会津若松に出かけて帰宅した日の夜のもの。
カッパ号から洗濯しようと持って来たお出かけベッドを、廊下に置いといたほんのわずかな時間に、ハナコ大先生が占領してお休みになってた。
よっぽどお疲れだったのか、ホンの短い時間だけお話してたみたいなライムとハナコは、いつの間にやら寝落ち
今にして思えば、これがハナコの所謂
『最期の日々』
だったなんて。
ライムとハナコがこうして、仲良くベッドで寛いでいる写真の、これが最後の一枚。
この時だけは、寝ているハナコのそばに、自分から近づいて行ってた。
火葬する日の朝。
いつもベッドを置いていた、慣れ親しんだ縁側でハナコ大先生におやすみ頂いて。
状況としては、
「安置する」
という表現が適切になってしまっていたんだけど。
ハナコのすぐそばに自分からやって来たライム。
このまま、長々と横になったライムは、もう動かないハナコの後頭部を、鼻でツンツンつついてた。
まるでハナコを起こそうとするみたいに。
なんて書くと、ライムがず~っとハナコが逝ってしまったのを悲しみ続けているみたいなんだけど。
実は野性児ライムちゃん、前日にやらかしてくれていた。
亡くなったハナコが横たわっている、その脇腹のあたりに両手をついて伸びあがって、
『オヤツくださ~い』
の猛アピール。
なんてヤツだ…。
ハナコ大先生を踏み台のようにしてしまうなんて
これに激怒したハナコ大先生が、死んだのも忘れて飛び起きて、ライムにギャンギャン怒ってくれたら、事成れりだったのに。
仲が良かったのか悪かったのか。
でも、ある種のデタントが確固として成立していた、ライムとハナコの関係。
いつも大爆笑させてくれたヤツらのやりとりも、現世ではもう見納めだけど。
明日はハナコ大先生の四十九日。
ハナコをハナコたらしめていた、あの
「意識」
あるいは、それを
「魂」
と呼ぶのか…
それはいったい、今どこにいるんだろう。
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