あの頃は、食べられそうなものなら、なんでも片っぱしから食べちゃう拾い食い魔神だったハナコ。
それに、自分の要求が通らないと、昼夜かまわずいつまでも吠えまくる、なかなかにウルサイ奴だった。
そんな時に、当時お世話になっていたドッグトレーナーさんに教えて頂いた、コレを初めて着けて見た。
この写真を撮ったのは、既に今を去ること5年前。
しかも今日、2月3日。
見た目も、ものすご～く、変。
なんか勘違いしちゃった覆面強盗みたいなハナコ大先生の顔。
それに、ハナコ自身は、何がどうしてこうなったのか、イマイチ分かってない様子だったし。
口が開かないから、ぎゃんぎゃん吠えまくることも拾い食いもできないんだけど。
固まっちゃったまま動かないハナコ大先生を見ているのに忍びなくて…
10分も経たないうちに外しちゃったけど。
この姿じゃ、満足にお水も飲めないしね。
結局、これをハナコに着けたのは、後にも先にもこの時だけ。
今もあるよ…わが家に。
きれいにお洗濯して、小さい衣装ケースに保管中。
私が
「玉手箱」
と名付けたこの衣装ケース、いろんなハナコ用グッズが眠ってる。
カイカイがひどくて、指の間を齧ってばかりいるハナコに履かせようと、試しに買ってみた靴下とか。
中にフードを入れて、ワンコが知恵を絞って取り出す遊びができるオモチャとか。
寒くなった頃には、ハナコの弱々しい足が冷たかろうと、オーダーメイドでお取り寄せした靴とか。
ワンコグッズって、買う時には、
『これを活用して、充実の時を過ごせるようになるはず』
って、あり得ないほど明るく楽しいイメージで、頭がパンパンに膨らんじゃうんだけど。
靴下は、脱ぐのが面倒だったのかそれとも意図して破壊したのか…。
靴下の上から指の間を齧ろうとしたハナコの暴挙により、４個1組のうち2個があえなくビリビリに…。
なら残りの2個も捨てろってか
そんな運命を辿った靴下が2組あるから、必要になったらまだ使えるってもんさ。
…色柄が全く違うのなんか、気にしなけりゃいいのよ。
フードを入れて遊ばせるオモチャは、それでも3週間くらいは役立ってくれた。
ライムとハナコに、大きさの違う同じオモチャを買ってあげたから、これで少しは平和になるかと、淡い期待も抱いていたんだけど。
このオモチャ、なんでリタイアしちゃったかというと…
やれ
『もう中のフードがなくなっちゃった』
だの、
『遠くに転がってっちゃったから取って来て～』
甚だしきは、
『ライムの分もよこせ～』
ハナコの更なるギャンギャン吠えと、ライムの新たなストレスの素となってしまったもんで。
靴に至っては、通販で購入してウチに届いたものをハナコに履かせてお庭に出したら…。
1歩たりとも動かないハナコ大先生。
宥めたりあやしたり、おだてたりすかしたり…
いろいろ頑張って30分あまり。
本人は、文字通り１歩たりとも動かないので、カッパさんが抱っこして外に連れ出したけど…。
結局、靴を履いている間は、一瞬たりともフリーズが解けなかったハナコ大先生。
外で履いちゃったこの靴、返品なんてできるはずもないし…ね。
せめてフリマに出そうと取り出してみたら、何たることか傷だらけだし。
歩かなかったのに、なんでだ～
とはいえ、失敗しちゃったお買い物の墓場と化しているだけでもないのよ、この玉手箱。
近い将来、もしかしたらハナコのお散歩で必要になるかもしれない物もいろいろ。
たとえば、体重を支えながら連れて歩けるハーネスとか、おむつカバーとか。
フリマで見つけるたびに、いろいろ買ってみてるもんで。
いざって時に、使い方がわからない…なんてことにならないように、ね。
おむつも体重を支えるハーネスも、使わないで済めばそれにこしたことはないんだけど。
って考えると、結局、この衣装ケース、開ける機会もない上に、開けない方がいいもの…ってことなのかな。
別にそんな意味で、
「玉手箱」
と、名付けたわけじゃないんだけどね。
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