東京15区は、公職選挙法違反事件で自民党を離党した柿沢未途前法務副大臣の辞職に伴う補欠選挙だ。
クリーンな政治家を選ばなくてはならないが、混乱の仕方があまりに低俗である。
今回注目されたのは、言わずもがなとファーストの会副代表に就任しながら前回の参院選同様「無所属」で立候補した乙武洋匡氏だ。
混乱が低俗というのは乙武叩きがあまりに度を過ぎているからだ。
まず最初に、私は彼を支持しない。その理由はのちに述べるが彼を今回バッシングした連中は支持しないというだけでなく、人としての品位と人格に疑問を感じるレベルだ。
ネット上でリベラルを謳っていたフォロワー数が一定以上あるアカウントも同様のバッシングをしており目にあまる。
彼のプライベートな問題は8年も前で、しかも離婚しており彼が公の場で説明する必要など全くない。
しかも事実と異なる内容を選挙カーの上で説明しろとはあまりに馬鹿げている。何よりそんな事を実際すれば、彼の家族や元妻はどんな精神的被害を被るか当然予想できるのに、そんな暴言を垂れ流し、選挙妨害する輩は醜悪極まりない。
安芸高田市 石丸市長の言葉を借りるなら、「恥を知れ!」だ。
自称リベラルの政治活動をメインとするアカウントも同じだ。
彼の好感度が彼自身の私生活の事で悪いのは彼の問題で、第三者が私生活にクレームをつける権利は全くないし公の場で議論する論調などは馬鹿げているにも程がある。
今回の選挙で彼に関して語るなら、彼の政治的スタンスや政策に関して論ずる方が遥かに有益なのが分からない政治活動をメインとするアカウントは、自分達が自ら頭の悪さを印象付ける行為をしていると認識した方がいい。何よりやってることはネトウヨトロールと同じだ。
さて、私自身が乙武氏を前回の選挙同様支持しない理由だが今回は前回よりも反対の理由が増えてしまった。
彼の義足の活動など見てきて、応援したい気持ちがあっても政治家として、しかも国政に出るのであればきちんとしてほしい。
1つ、 無所属じゃないよね?
小池百合子率いる都民ファーストの副代表に就任してこのポスターでその詭弁は馬鹿にされている気にすらなる。
二期目を迎えた小池都知事は自民と連携する形を二階氏を通してしている。国政に関する事は自民と二人三脚だ。
国民民主玉木氏は自民と連立まで口にしたが、彼の年齢なら昔から自民が裏金だけでなく金の始末が悪い政党というのは昭和世代なら誰でも知っている。政権交代もされてるじゃないか。
だが裏金問題が大きなニュースになると突然野党に変身。自民の推薦が乙武氏の妨げになると玉木氏は言うが国民民主も同じだと感じた。
しかし、乙武氏に保守層の票を取り込む目算があるなら話は別だ。受けた推薦やポスターを見れば保守政党。しかも自民に頗る近い政党だ。
今まで多くの政治家がそうであったように、ほとぼりが過ぎれば自民と連携するだろうという予想は難しくない。
乙武氏もそうではないのかという疑念がある。何せその辺の記者の質問には答えないのだから。
しかも無所属を前面に押し出して?と考えると誠実なやり方とは程遠いと感じる。
2つ、政治的スタンスが曖昧。
これは前回の参議院選の時もそうだったが、今回も同様の理由から乙武氏を支持できない。最大の問題は有権者に対し大変不誠実なやり方。
前回はリベラル票を当てにしていたようで記者から憲法9条改正には頑なに答えなかった。
だが、テレビ局のアンケートにははっきり賛成と書いていた。
緊急事態条項に関しては、なんと災害、緊急時に必要と繰り返すのみ。家庭用ビニールプールより浅い私見を披露した。
緊急時の定義や人権の制限には一切触れず、人権に興味がないかという印象しか残らなかった。
今回は保守層票も取り込みたかったようで、前回そうした態度が仇となったのかネットには憲法改正反対派という根も葉もないフェイクが拡散され火消しに追われていた。私は憲法改憲賛成ですとツイートしたらしい。改憲をこれだけ保守政党が公に叫ぶようになっていて、参院選でも立候補したのに護憲派と勘違いされるのは一重に乙武氏が政治的スタンスを意図的に曖昧にした結果に他ならない。
今回の選挙では記者会見で野党与党問わず幅広く支援を受けると語るも、流石に記者からはそこに疑問を呈する質問が何度もされた。
当たり前の話だが、国政に関わるのなら自身の政治的スタンスを明らかにするのは当然だ。
しかも、上のポスターを見れば当選したら保守政党に移る気満々なのが伺える。
3つ、 国政で1議席の重さがわかっていない。
一人では何もできないかもしれないが、と言っているがその一票は国政では法案を左右する重要な議席だ。
自民、公明、国民民主、維新の会は9条、国会議員の任期延長など多くの憲法改正について言及している。
国会に行った議員の票で法案が可決される最もシンプルで重要な事がわからないなら、国会議員としての資質に疑問を持たざる得ない。
4つ、 弱者と選挙は相性が悪いって意味がわからないんだが。
乙武氏のいう弱者とは誰なのか?
障害者?難病患者?誰?
私は社会的弱者の中身を見ればそこで最も底辺にいるのは常に女性と子供だと思う。
子供達に選挙権はないが、彼らはそう遠くない未来成人となる。子供達には親がいる。
そして人口の半分近くは女性だ。
また、日本社会において、女性が大変理不尽な状況にある弱者である確かな事実だ。
先進国で最低レベルでもある。
地方でまともな仕事はほぼなく、東京に出てくるしかない。競争を勝ち抜いて入社しても男性と比べられないどころか生計を立てるのもどうかという給与格差。結婚して子供ができ、シングルマザーにでもなったら貧困生活まっしぐらだ。
被災地では健常者でさえ避難所で身の危険を感じる人は多かった。
何をもって弱者の声を国政に届ける事を重視する人々と選挙の相性が悪いと言ってるんだろうか。
この国は権力者、金持ち、企業の声を届ける人達ばかりが与党議員になっている。決して相性が悪いとは思えない。
だから私は、彼の言う弱者とはどこの枠で、どのように線を引いたどんな人達なのかと疑問が湧く。
5つ、 都政の政策コピペで、だから無所属乙武の政策が何も見えない。
選挙のために、ホームページを開設した乙武氏だが会見の時言っていた事が全く見えないホームページの構成。
その上、弱者のためにの部分が一文も見えないんだが。
しかも具体的政策が全く見えない。XでYouTubeに何をしたいかあげたとツイートという見出しを見たが、私は前回参院選でここでしている批判と同様の批判をあげたせいでブロックされている。選挙前に彼のツイッターを訪れた事はなく、選挙に立候補して少しして政策を見たいとXアカウントを覗いたらばブロックされていた。河野太郎君のように政治家が公務で得た情報をSNSアカウントを利用し発信する場合、恣意的に国民をブロックする事はアメリカでは違法行為であると、トランプ元大統領を相手取った裁判で確定済みだ。アメリカではこうした行為は言論の自由を担保する国の憲法に違反しているという判決が出た。既に乙武氏は自民党議員と同じ印象しか持てない状態になっている。
つまりは、
一見リベラルのフリをして票を集めようとする行為は著しく有権者の利益を損ねる行為で、大変不誠実だ。
同様の理由で自民との連立を口にして離党者まで出したのに総括もせず突然野党スタンスに切り替えた国民民主党を1ミリも信用しない。
以上の理由から今回も乙武氏が国会議員になる事に反対だ。
その手の政治家はもうたくさんいるのだから。
それに日本社会の弱者が見えていないように私には見える。乙武氏は色々な肉体的不自由を持った市民の目線で福祉や街づくりの視点を行政指摘するにおいては的確な人材だと思う。
ただ、政治はそれだけではないし、彼の政治家としてのスタンスや大きな政党との関係を見るにつけそれを堂々と語れないと言う姿に懸念しか覚えない。
一体誰の声を国政に届けようというのかが疑問だし、他の重要法案に関しどのような見解を持っているのか明らかにすべきだった。
あれだけ無所属をアピールしたのに、ホームページに無所属乙武の政策や視点はない。
公式ホームページには都民ファの制作のコピペで、乙武候補の訴えは一ミリも見えないのには流石に興醒めだ。
私は女性の声を届けてくれる女性目線の候補者がこの国にはもっと必要だと思う。
乙武氏のバックグラウンドを見ても、これだけ知名度があり、メディアの露出があり、一度はキャンセルされてしまうスキャンダルを経験しても、こうして大きな政党や現役国会議員が応援に駆けつける。乙武氏は社会の弱者だろうかと思うことすらある。
女性の候補を求める理由は単純だ。女性というだけで、この国ではまともに生活費が稼げない。
地方では女性というだけで、仕事すら見つからない。かくいう私も女性というだけで、仕事に就けなかった経験がこの国ではある。
ある業界では学歴も実績も同年代の男性よりあるのに、給与が半分などというのも見た事がある。
理系、物理、エンジニア系の仕事では日本企業で女性が活躍できる場はほぼない。
地方では10%行くか行かないかの女性の議員の数。
国会議員に占める女性の割合は、衆議院10.1%。参議院では20.7%
投票するならリベラルな女性議員って方がまだ政治に希望ができるというものだ。
最後に、
週末の乙武氏の街頭演説。私には何も響いてくるものがなかった。
彼のホームページにある7本柱は都民ファーストの完コピペ。
しつこいようだがなぜ無所属?!