Facebookで友人がこんな記事をシェアしていたのを見かけました。

この記事はアレルギーへの理解でなく、アレルギー患者や家族への配慮について書いた記事でした。

日本ではやっと公共のレストランなどでもアレルギー対策という言葉を目にするようになり始めた程度で、社会でアレルギー疾患や免疫疾患について情報を積極的に共有し理解を深めると言った雰囲気は残念ながらありません。

この記事をシェアしていた女性は海外の暮らしが長いので、日本ではあまり話題にならない患者への配慮についても一歩議論を進めるような環境で生活しているのかな。。。などとも思いました。

 

以下記事のリンク

食物アレルギー患者に言ってはいけない10のこと。

 

アレルギー。

今や日本では国民病。二人に一人が、なにがしかのアレルギー症状があります。

国民のアレルギー症状による経済損失は4.4兆円に登ります。

 

喘息、食物アレルギー、花粉症、動物、光、金属あたりがよく知られるところでしょうか。

アメリカでもアレルギーって色々話題になるのだけれど、こう言った体の機能が正常に動作しない疾患について日本、アメリカ共に疾患についての基本知識の認知度が低いと常々感じています。

 

無認知が原因で起きる疾患のない人と疾患を持つ人のギャップは、患者にとっては日常的なストレスになり、彼らの疾患を悪化させることも少なくありません。

免疫疾患やアレルギーに限らず病気に対する社会の理解というのはすごく重要で、かくいう私も40歳を目の前にした頃、激しい自己免疫疾患に襲われました。

1週間で髪はもちろん全身の毛が抜け落ち、あらゆるものに対しアレルギーが発症。

薬にもその例外ではなく、治療をすることもできなくなったことがありました。

こういった体の誤作動というのはまだ治療法が確立されていない分野でもあり、現場の医師も治療には大変苦労をしています。

なぜなら突き詰めると誤作動の原因がわからないからです。

私の場合は幸運にも症状が和らぎ、今は色々アレルギーがあるものの普通に生活を継続できる状態になりました。

ですが、多くのアレルギー反応が体に出るようになってから病気に対する理解という面ではかなりのストレスも感じています。

 

私の場合は、正確にはアレルギーではなく自己免疫疾患です。

人口の5%がなんらかの自己免疫疾患を持っていると言われ、根治治療はありません。

対処療法を中心に治療が行われます。

 

先に触れたように、疾患がどう発症するかの解明が根治治療につながるわけですが、現状は自己免疫疾患に関与する遺伝子がいくつか報告されている程度で、遺伝子がどのように協調して働き、どのように疾患を発症を制御しているかのメカニズムはほとんど分かっていません。

日本人の多くが悩まされている花粉症、やアトピー性皮膚炎。

これらはアレルギー疾患。女性に多い関節リュウマチ(SLE)。これらは共に免疫の異常により起こる病気です。

 

ということで、(どういうことで?うーん

今回はアレルギと自己免疫疾患について久々に記事を書いてみようと思いました。

 

免疫は外から侵入していくる病原体、もしくは体内で癌化した細胞を免疫担当細胞で攻撃して取り除く体の防護機能です。

私たちが摂取するワクチンの効果もこの免疫の仕組みを利用しています。

免疫細胞が攻撃するターゲットを抗原と言います。

免疫疾患を持つ患者は本来攻撃する相手ではない花粉や自分の体の一部を攻撃してしまいます。

私の場合は内臓やメラニン色素でした。メラニンへの攻撃などは全身の毛が抜け落ちる程度でしたが、内臓への攻撃は深刻です。

体重が減少し、最終的には骨が椅子にあたるのが痛くて15分も椅子に座っていられなかったり、体が弱り食事をするという当然の営みで使うエネルギーの消費に耐えられなくなって食事のたびに床にへたるほど疲労するなど普通にできたことが困難な生活をしいられます。

臓器への攻撃というのは重篤な症状を発症しますが、有効な治療法がありません。

 

アレルギーと自己免疫疾患

アレルギーというのは自己免疫疾患の一つでもあります。

アレルギーと言うと少し理解ある反応が返ってきますが、自己免疫疾患という言葉になるとあまり認知されていないように思います。

 

ですので、以下に自己免疫疾患の例を三つに分けて例をあげてみました。

 

1. 特定異性自己免疫疾患(特定の臓器に起こる自己免疫疾患)

・ギラン・バレー症候群

神経や筋組織に起こる症状の総称で、カンピロバクターを始めとした細菌感染をきっかけとして発症する危険性が指摘されています。

症状は主に急性、かつ多発性の根神経炎です。運動機能の低下や、手足に力が入らなくなるといったサインを見逃さないようにしたいところです。

悪化すれば呼吸機能にも障害が起こります。厚生労働省「特定疾患」に指定。

好発年齢平均39歳。有病率は人口10万人対年間2人程度。比較的男性がハイリスクです。

 

・自己免疫性肝炎

好発年代は中年以降。女性に多い疾患です。肝臓に炎症が起こるので進展すると肝硬変の危険も。

診断基準については国際自己免疫性肝炎グループが示した数値が用いられます。

抗体検査やIgG測定、肝生検によって確定。治療は免疫抑制剤かステロイドが主流です。

 

・潰瘍性大腸炎

安倍首相が以前お腹が痛いといって首相を辞めたことにより、日本では認知度がアップしました。

厚生労働省「特定疾患」に指定。好発年代は10歳から30歳および50歳から60歳。年間新規患者はおよそ5,000人。

潰瘍性大腸炎の患者総数は厚生労働省登録データによるとおよそ166,000人。

原因不明の炎症性腸疾患で、大腸粘膜の潰瘍が多発します。

 

・クローン病

原因不明の炎症性腸疾患のひとつという意味では潰瘍性大腸炎と同様です。

こちらは口腔から肛門までのすべてで慢性肉芽腫性炎症が多発し、繰り返します。

厚生労働省「特定疾患」に指定。好発年代は10歳から20歳。

日本で確認されている罹患者は約40,000人。

潰瘍性大腸炎よりは発生頻度が低いですが、欧米的な食生活や喫煙、ストレス、経口避妊薬(ピル)、抗生物質との関連が疑われています。

「ごく当たり前の習慣」がリスクを引き上げている可能性があり、注意が必要です。

クローン病の自覚症状は「腹痛」「痔」「下痢」「発熱」「体重減少」など。

血便、下痢、便秘を繰り返し、風邪をひきやすくなるなど、徐々に全身へと影響が波及していきます。

 

2. 全身性自己免疫疾患

英語でsystemic lupus erythematosusといい、その頭文字をとってSLEと略して呼ばれます。

この病気が全身のさまざまな場所、臓器に、多彩な症状を引き起こし、皮膚に出来る発疹が、狼に噛まれた痕のような赤い紅斑であることから、こう名付けられました(lupus、ループス:ラテン語で狼の意味)。

発熱、全身倦怠感などの炎症を思わせる症状と、関節、皮膚、そして腎臓、肺、中枢神経などの内臓のさまざまな症状が一度に、あるいは経過とともに起こります。

日本全国に約6~10万人程の患者がいると考えられています。

2013年にSLEとして難病の申請をしている方は、61,528人ですが、申請をしていない方、医療機関に受診していない方などを含めると、この2倍位の人がこの病気をもっていると推定されます。

 

・全身症状

発熱、全身倦怠感、易疲労感、食欲不振など

このような症状に悩まされる患者は特に社会で理解を得られていないように見えます。

単なる、虚弱やひどい時には怠け者扱いされる場合もあります。

 

・関節症状

手や指が腫れて痛い関節炎を起こします。肘、膝などの大きな関節や手の指など、日によって場所が変わる移動性の関節炎が見られることもあります。

 

・皮膚症状

もっとも有名なのは、頬に出来る赤い発疹で、蝶が羽を広げている形をしているので、蝶型紅斑(バタフライ・ラッシュ)と呼ばれています。 皮膚をさわると、発疹が重なりあい、少し盛り上がっているのが特徴です。同じ、頬に出来るものでも、盛り上がりのない、ハケで薄紅色の絵の具をぬったような紅斑も見られます。また、一つ一つが丸く、ディスク状(レコード盤様)のディスコイド疹も、この病気に特徴的で、顔面、耳介、頭部、関節背面などによくみられます。

 

・日光感敏症

強い紫外線にあたった後に、皮膚に赤い発疹、水膨れ、あるいは熱が出る人がいます。このような症状は、日光過敏症といい、この病気でよく見られます。この症状が、病気の始まりであることも少なくありません。しかし、この病気以外にも、日光過敏症を起こす病気がいくつかありますので、それらとの区別が必要です。

 

・口内炎

多くは、口の奥、頬にあたる部位や上顎側に出来る粘膜面がへこんだもので、痛みが無く自分で気付かないことがしばしばですが、時に痛みを伴うこともあります。

 

・脱毛

朝起きたときに、枕にこれまでなかったほどたくさん髪の毛がつくようになります。また、円形脱毛のように、部分的に髪の毛が抜けたり、全体の髪の量が減ったりすることもあります。また、髪が痛みやすく、髪の毛が途中から折れてしまう人もいます。上で述べたディスコイド疹が頭部に見られると、その部分の脱毛が治らないことが多いので、積極的に治療をする必要があります。

 

・臓器障害

様々なものが知られています。すべての症状が起こるわけではなく、一人一人によって、出てくる症状、障害される臓器の数が違います。全く臓器障害のない、軽症の人もいます。特に腎臓(ループス腎炎と呼ばれることがあります)、神経精神症状、心病変、肺病変、消化器病変、血液異常などは生命に関わる重要な障害になることがありますから、きちんとした診断と治療が必要です。

 

3. アレルギー

免疫とは、自分の体を病原微生物などの異物から護る仕組みですが、この機能が時には体を傷害するように働いて病気の原因となることがあります。

外来異物(抗原)に対して必要以上に過剰に反応して体に不都合が生じるようになったものが「アレルギー」です。

非自己の抗原に対して引き起こされた免疫応答なのですが、反応が過度であることにより副次的に組織障害が起こるもので、自己免疫疾患とは異なり、免疫系には本質的な異常はありません。

 

アレルギーは、抗原と接触してから発症するまでの時間によって、「即時型過敏症」と「遅延型過敏症」に分類されます。

即時型では抗原と反応してから2~3分で障害反応が現れ、10数分で反応の強さが最高になります。このタイプの過敏症は抗体による障害反応です。遅延型では、抗原と反応後、数時間経って障害反応が現れ始め、最高の強さになるのに24~48時間かかります。このタイプの過敏症はリンパ球のT細胞によって発症します。

 

アレルギーは発症機構から4つの型に分類されます(5つに分類する人もいます)。

Ⅰ型:IgE抗体による過敏症(喘息、花粉症、鼻炎、蕁麻疹など)

Ⅱ型:IgG、IgM抗体による細胞障害(細胞融解反応・・・血液型不適合)など

Ⅲ型:免疫複合体による過敏症(アルサス反応、血清病など)

Ⅳ型:細胞性免疫による過敏症(ツベルクリン反応、接触性皮膚炎など)

このアレルギー症状がある人は上に示した免疫疾患のを引き起こす遺伝子因子を持っていることが多数あります。ですので、アレルギー症状のある人は膠原病などをはじめとする免疫疾患をのちに発症する人もいます。

 

また、アレルギーマーチとう言葉を聞いたことがあるでしょうか。

同愛記念病院小児科医長の馬場実先生が提唱した言葉です。

それによると

 「アトピー素因のある人に、アレルギー性疾患が次から次へと発症してくるようすをアレレギー・マーチ(アレルギーの行進)というものです。

典型的には、乳児期に牛乳、卵などの摂取により皮膚症状(湿疹やアトビー性皮膚炎)や消化器症状(下痢、腹痛、便秘など)がおこり、生後6カ月頃になると喘鳴、1~2歳になると呼吸困難も加わって気管支喘息発作をおこすようになります。

このころから食物抗原にかわってハウスダストなど吸入性抗原に感作されることが増えてきます。

気管支喘息は一部は7~8歳で治りますが、大部分は学齢期まで持ち越し、約70%が14~15歳までに治ります。残りは成人型気管支喘息に移行します。この間アレルギー性鼻炎が発症したり、じんま疹を経験することもあります。

このように次から次へとアレルギーが形を変えて、進行してゆく傾向があります。

上は子供の例ですが、大人になってから発症したアレルギー、その後の免疫疾患の発症も様々な症状をマーチさえる場合があります。

睡眠、食生活の改善などでそう言った連鎖を緩和することができるなど患者自身の病気への認知も大切です。

 

 

いかがでしょうか。よく聞き覚えのあるのものから、これも免疫疾患だったのか、これもこの類の疾患だったのかと思ったものもあったのではないでしょうか。

 

免疫疾患のメカニズム

免疫の司令塔

自己免疫疾患、アレルギー疾患の患者さんのリンパ球では、多くの場合、「ヘルパーT細胞」に何らかの異常がおきています。

ヘルパーT細胞は、ほかの免疫担当細胞に指令を与え、抗体の産出や殺菌作用などを作動させる、免疫の司令塔です。

 

ヘルパーT細胞は、そのもととなる細胞(前駆細胞)が骨髄で誕生した後、心臓の上にある胸腺に移動して、「ナイーブT細胞(Th0細胞)」という役割の決まらない状態のT細胞として生まれます。胸腺を出たナイーブT細胞は身体の隅々の末梢のリンパ組織を循環しており、抗原の刺激を受けると、抗原の種類や環境に応じて役割の決まったエフェクターT細胞(Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞、制御性T細胞)へと分化します(図3)。

身体中をまわっているナイーブT細胞が、いつ、どこで、どのタイプのエフェクターT細胞に分化するかは、とても重要です。

たとえば、Th1細胞やTh17細胞というエフェクターT細胞がつくられすぎると、自己組織への攻撃が過剰になり関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患が起こります。また、Th2細胞がつくられすぎると、外部からの異物に対する攻撃が過剰になりアレルギー疾患が起こりやすくなることが分かっています。

 

このようなT細胞の分化の運命を決定づけるのがエピゲノムと言われるものです。

色々聞きなれない言葉が出ていますが要は免疫疾患を引き起こす遺伝子のスイッチオン・オフにDNAのメチル化などをはじめとするゲノムエピジェネティックの変化が関与しています。

またエピゲノムは、それぞれのT細胞の分化が後戻りしたり、別のタイプのThにならないように固定する役割もあります。

ですのでT細胞のエピゲノム状態を操作して治療する研究が今進んでいます。

そのほか自己免疫疾患に多く関与するたんぱく質の発見などこの分野の研究には昨今資金が集まっています。

しかし、免疫疾患とエピゲノムの研究はガンとエビゲノムの研究と比較するとまだまだ日が浅く研究は始まったばかりです。

将来このオンオフを制御する目印を安全に操作する方法が見つかると今治療法がなく生涯これらの免疫疾患に苦しんできた患者に治療をすることができますが、それはまだまだ先のことです。

遺伝子というと遺伝する病気で家族にそういった人がいなければいいと思う人も多いのですが、これらの免疫疾患の因子は多くの人が持っており、いつスイッチが入るかは誰にも分かっていません。

 

治療法が見つかっていない現状では社会の病気に対する理解が最も重要です。

免疫疾患い限ったことではありませんが、病気を悪化させる最も大きなトリガーはストレスです。

年をとると誰でもなにがしかの病気と付き合うことにはなるわけですから、病気は人生の一部と認知し社会として患者に対しての理解深めることが大変重要だと思います。

 

病気への理解とは

免疫疾患だけでなくあらゆる病気にたいして医療機関がすべきことは治療の確立ですが、社会がすべきこともあります。

学校、会社などはどういう配慮をすることができるでしょうか。

 

日本でも色々な独立法人が病気への理解を促進するための活動を行なっており、実はパンフレットなども配布されています。

最近熱心に取り組まれているのが、ならかの疾患を持つ子供たちに対する理解への取り組み。

以前目を通しましたが、学校だけでなく会社などあらゆる組織でも考える必要がある課題であると感じました。

 

どのような配慮を組織(学校、会社)はすることできて、何を考える必要があるのか以下に記載してみました。

 

ー病名を知っているだけでは不十分

同じ病名であっても、症状や治療のしかたなどはひとりひとり違うことを理解することの方が大切です。

同じ病気でも治療法が異なります。

病気は個々で症状の出方、重度が異なりますので治療法もそれに合わせて適応されます。

一元的な対応をマニュアルとして導入しても、現場で病気を持ちながら働いたり勉強する人たちの支援になりません。

 

ー配慮

病気を持った人たちに配慮が必要であることを普通のことして取り入れるには組織としてそれを導入する部署が必要で、それをシステムとして導入する取り組みが重要。

 

病気だから休む場合がでてくるのは当たり前ですが、病気ー>欠勤・欠席させるという単純な思考だけですと病気を発症した人がいわゆる普通の生活をすることや、復帰することを困難にさせますし、社会から隔離されることは大きなストレスです。

ITの普及で、病気だから休んで治療に専念するという固定観念から離れ体の調子が良い時は遠隔で仕事や学校の事業に復帰するという選択ができるようになりました。

しかし、社会が病気に対して理解を示さない。

つまり、病気になることが特別な状況であるという枠組みにしている限り、病気になると普通の生活ができないという社会になってしまします。

病気は人生の一部であり、治療を受けることが当然の権利で、できる限り健常者と共に生活を継続するとが重要であるということへの理解が大切です。

病気をしたら社会から隔離されてしまう社会は社会の損失が大きいだけでなく、多くの人に病気になった途端に多くの負担がのしかかる社会になってしまうこと理解することも大切だと思います。

 

ーブライパシーへの配慮

一方で病気というのは守秘義務がある個人情報であることを組織は理解しなくてはありません。

病名、治療内容、薬の名前全て守秘義務のある個人情報です。

 

社会での理解は重要ですが、並行して守秘義務の観点から本人の意向を明確に確認して誰に、こどまで、どのように伝えるかについてのコミュニケーションをとることが大切です。

同僚や学校の友人にどこまで話すかは本人、主治医、家族の意向で決定がされなくてはなりません。

特に子供のケースでは本人が病気について十分理解をしているとしても他の子や第三者に本人、主治医、保護者間で決定された内容以外を話すことは望ましくありません。

テレビはネットで情報を入手できる状況ですが、誤った情報が多くあります。

病名を明かしたことにより、善意で「こうしたほうがいいよ」とアドバイスする人が周りに増えてそれがストレスになることは少なくないからです。

 

ー心と体は繋がっている

ストレスが多くの病気を発症させるトリガーになっていることは今や常識ですが、日本では心のケアに対する配慮への取り組みが組織的にはほとんどありません。

社会、組織から病気への理解が示されていない場所では、患者は我慢をするしかありません。

その状態が日常的に継続すればいまある疾患だけでなく二次疾患を引き起こします。

 

以前国会で議員が

「髪の毛がないことは病気ではない。医療用かつらの補助は妥当でない。ハゲは病気じゃない」

とまで国会中継で発言した議員がいました。なんとも悲しい映像でした。えーんポーン叫び

 

例えばガンになって、治療で髪が全てなくなってしまったとしましょう。

抗ガン治療によっては普段の生活を継続できる場合がありますが、坊主頭で突然出勤するのは結構度胸がいるものです。

私などは医療機関で医師から、「もう坊主もなれたでしょう?」と言われたこともありましたが、「なれるかボケ!明日から頭丸めて出勤してみろ!ムキーッ」心の中で叫んだのを覚えています。

 

深刻なのは、そのストレスから二次疾患が発生することです。

元々の病気で体が弱っていますから、そこにストレスが加えられると他の病気が発症するすることは珍しくありません。

病気は体だけでなく心のケアも必要です。

 

こんな記事を書いている私も自身が病気をしたり、夫の大病や親の介護が現実に迫るまであまり関心のないトピックでした。

自分が病気にならなかったとしても、家族が病気になればこういう状況になったと考えるようにもなりました。

 

病気と闘うという状況は人生を送るにおいて想定すべき事柄であるということです。

 

社会が病気に理解を示す仕組みを組織的に形成する取り組みは、私たちにとって住み良さ、安心を確保することであるとも感じています。