あらゆる生物に備わる生存戦略オートファジー。
科学や技術、文化の発展に大きな貢献を果たした人物に授与される「第28回京都賞」(稲盛財団)の授賞式で大隈氏が話題になったのは2012年11月。
飢餓状態に置かれた細胞が飢餓を乗り切るために自らの細胞の一部を分解し、栄養源とする「オートファジー(自食作用)」機能を世界で初めて肉眼で確認し、さらにそのメカニズムや関連する遺伝子の発見に対する功績がたたえられました。
先生が研究でフォーカスしたのは酵母。

 

今でこそ大ブームのオートファジーの研究ですが先生が研究を始めた頃は誰もおらず、自分一人だけの研究室から始めたそうです。
他にこの研究に貢献したと言っても思いつく人はいないくらいで、今日日グループ受賞が多いノーベル賞ですが、今回単独受賞となりました。
他に研究者がいなかったこともあり、日本にあった基礎生物学研究所では世界で類のない研究をすることができたとコメントしておられます。

 

会見では、
自分は誰もやらないことをやるのが研究者を支えるもので、それが研究、科学の楽しさだとおっしゃっています。
そして、オートファジーは最も基礎的なもので、今後広く利用されるものだと思っているが、最初にこの研究に取り組んだ時、自分はこの研究や癌や生命に繋がるものだとは思っていなかったとコメント。
また科学はその結果がどこに行くか分からないもので、それが醍醐味でもある。
研究に取り組んでいる間もこれがノーベル賞に繋がると考えたこともないし、それが励みになった記憶もない。
一般の皆さんには基礎科学はそういうものだという目で眺めて欲しいとおっしゃっていたのがとても印象でした。

 

今後については、
まだ分からないことがたくさんあり、多くの研究者が研究を広げることを強く願っている。
残された時間はこれが代謝にどのように関わっているのかを掘り下げていきたいとコメントされました。

 

また、会見ではトレードマークのお髭について聞かれると、

もともと童顔だったので、留学を前にして馬鹿にされたくなかったのでヒゲを生やしたのがきっかけだったと、記者からも笑いが漏れる先生のプライベートなイピソードも披露しておられました。

 

普段政府、省庁の批判が多いこのブログですが、先生のこの研究を支えてきたのは日本の文科省。
いいこともやってるのねー。。。ニコ