政治とカネの問題と言われていますが、舛添さんの一件で言えば、政治資金の使い方に違法性という意味ではさほど問題はありませんでした。

政治資金の問題というのは大抵、入り。
どこからお金が入ってきたのかというのが問題になりましが、今回舛添さんが突かれたのは出の部分。出て行くお金に規則は設けていませんから、舛添さんが言うように違法性はありません。
絵画を300点購入しても問題はないわけです。

もう一つ問題になったのが、公費の使い方というか金銭感覚。ファーストクラスでヨーロッパ視察をするなどの行動が「豪遊」と取られました。
個人的意見として、役人は市民に奉仕する立場だと考えています。
舛添さんにはその意識が欠けていて、それが要所要所に現れて都民の嫌悪感が増したのではと思っています。
ただ冒頭にも述べたように違法というわけではなく、舛添さんの倫理観が問題視された事件でした。

また、今回の件のマスコミの対応は別に考えたほうがいいでしょう。
私はテレビを見ないので最近やっと知ったのですが、舛添さんが退任するまでには参院選の話題を放っておいて異常なまでの加熱報道がされたようです。

はじめに私の考えを述べさせて頂くと、舛添さんが都知事の地位を退いたのは良かった。。。と感じています。
厚生大臣時代の子宮がんワクチン認可問題では10代の少女達が今も戦っています。
女性、老人、子供といった社会の弱者を鑑みない性格の人でしたから、そう言った政策には全く手を付けませんでした。
今回問題にもなったセコイ性格とやり方。
もっとも知事として問題だったのは、都の代表だから顔だから金をそれなりに使うとか品格がと言った割には、やっている政策は都民のためではなく、自分がやりたいことばかりという印象しかありませんでした。
また、実績を見てみても使ったお金にみあう成果が見えない都政であったと思います。

舛添さんが石原都知事と比べてそれほど悪い都知事だったかといえばそんなことはなく、行政、経済、歴史観など石原さんよりよっぽど優れた知識と見識のある知事でした。
確かに今回舛添さんは対応が後手に回ったこともあり、必要以上に都民の反感を買いました。
そして、マスコミの吊るし上げ方には大きな疑問を感じています。
民衆を煽るような報道をしたことで、舛添さん退任の問題の本質が全く報道されてませんでした。
東京都という莫大なお金を持っている行政への批判でなく個人バッシングに終始した報道でした。

都の規定を超えたホテル代や飛行機代。
もっとも問題とすべき大名行列の視察旅行での職員レベルの規定を超えた旅行代金。
これらにOKを出すには都人事委員会の了承があれば良いので実質的には何でもありです。
問題にすべきだったのは会計処理でした。
規定を超えた部分をどの予算から出してきたのか?
今回の舛添退任問題でマスメディアが社会の役割としてツッコミを入れるべきは、都の金の流れがどうなっているかでした。
規定を超えた金はどの予算区分から出してきたのか。
その事にツッコミを入れない都議会の馴れ合い体質。
都知事の退陣で全ての問題を片付けて百条委員会も開かれず、何の資料公開要求もできませんでした。

これで任期を全うせずその地位を降りた知事は連続して3人です。

問題のコアが全く手付かずでマスコミを使って大騒ぎしての幕引きなので結局何も解決せず、同じ問題が都庁で起こっています。

都は国からの補助がないので会計監査が入りません。
巨額の金が都民の知らないところで動き、役人たちがうまい汁を吸う仕組みが壊れない限り同じ問題は起こるでしょう。会計処理の問題には今回の都知事候補は全員気づいているはずです。

知事選では、候補者の元防衛大臣の小池さんが、透明化と言う言葉を使いお金の流れに問題があることを示唆しましたが、具体案は示していません。
フリージャーナリストの上杉さんは、都から地方に投げれている数千億円の金を4年間凍結と言う表現を使ってお金の問題に触れました。他候補者からは都政の財政、支出問題に触れる発言は聞こえてきません。
都民のためになる政策をするにはまず、お金の流れを我々に明らかにする監査を導入することが必要で、今度の都知事選では、都議会、都の役人が美味しくて離したくない曖昧な予算の使い方にどれだけ切り込んでいける人を選べるかが重要であると思います。