いまも続く日本の原発安全神話:わたしが原発再開に賛成できない理由その3

まとめ

電力会社が国民に今もって提供する「固有の安全性」という神話。
その安全神話を前提にした原発の安全対策を日本はいつまで続けていくのでしょうか。

日本は大陸の継ぎ目に乗っかった島国です。保険会社などのハザードマップをみれば地震における日本のリスクはとても高い。
そんな小さな島国に原発施設が54基もあります。
たった一つの原発施設の事故であの大惨事でした。
不幸中の幸ともいえた当時の風向き。海に流れたおかげでこの程度の汚染で済みました。あの時かぜが逆方向や北、南とふいたら、避難区域は福島県内だけでは済まなかったでしょう。

アメリカのスリーマイル。
旧ソビエトのチェルノブイリという事故を経て、原発施設に対する安全対策の拡充は国際的に呼びかけられていました。
また2001年の同時多発テロ発生後世界中の原子力機関に対し安全対策を引き上げるよう「B5b対策」と呼ばれる「原子力施設に対する攻撃の可能性」に備えた特別の対策を各原発に義務づける命令が米国内で出されています。
ところが日本の原発村の住人はことごとくこれら世界で起きている原発の安全対策を無視し、結果日本の原子力施設は世界の安全対策のれべるから大きく後退している状態になり、それは事故後も続いています。

54基も普通に考えれば必要はありません。
当初政府は古い原子炉は廃炉にしていくような話を国民にしていましたが案の定40年越えの原発施設の延長申請を電力会社はしており、それを原子力村の住人は認めました。
しかもその延長機関が20年。
これがまかり通ると日本では40年以上前に作った原子炉が今後20年も現役で稼働することになります。
そして、関西電力の延長申請の理由は、
「2030年時点の電源構成で原発の比率を20~22%にする国の目標を達成するには、高経年原発の運転延長が欠かせない。」というものですから、意味がわかりません。

メルトダウンという過酷事故を起こしたにもかかわらず、事態を隠蔽。
東電の社内のマニュアルには炉心損傷割合が5%を超えていれば炉心溶融と判定すると明記されていたことが分かり、事故発生から3日後にはメルトダウンと判断できたことを後に認めています。
日本のマスコミはそのニュースに触れようともせず、3月12日、経済産業省原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官(当時)が記者会見で「炉心溶融がほぼ進んでいる」と言及し、彼は更迭されています。

1 電力会社の安全性は神話を前提
2 電力会社と監督官庁の隠蔽癖
3 マスコミの未熟さ
4 国民に約束した「原発40年」原則を最も簡単にご破算にする体質
5 原子力施設から出た汚染廃棄物の焼却 基準値をこれでもかと下げて汚染ゴミや除染で出た核汚染物質を焼却したりコンクリートに練りこんで再利用することを決定

日本の技術は確かに高い。それに疑問はありません。
私が不安でならないのはこの危険な施設を運営する人達の感覚です。
安全第一ではなく、いかにお金を捻出するかが第一で都合の悪いことは隠してしまう。

過酷事故がおきて5年の月日が流れましたが、事故の後の処理のなにが収束しているでしょうか。

汚染物質の始末は国民が同意したものでしょうか。

「原発40年」原則を始めとする政府が国民の安全のためにと約束したことは守られているでしょうか。

私はこのビジネスに関わる人達が全く信用できません。