電気事業連合という組織の名前を聞いたことはあるでしょうか。
この団体は日本における電気事業の運営の円滑化を図るため設立された、電力会社各社の連合会です。 
法人格はなく、任意団体として運営されています。

俳優の石坂浩二さんを宣伝アイコンにして我々の電源供給が原子力なしだとどれだけ心もとないかをアピールしています。

元経産相で数々の大臣職も務め、慶應大学大学院教授でありエイベックス・マーケティング株式会社取締役の岸博幸も参加して、原発再稼働の必要性を説いています。


有名で権力のある人たちを起用して、手を変え品を変え我々国民に原発の必要性を訴えています。

ここでちょっと5年前の震災でわたしが感じた事を書かせてください。

わたしは、福島原発事故以前に特に原発に反対はしていませんでした。

原発施設の安全性、日本の電力会社の技術力の高さ、重大事故に対する対策。これらに1ミリの疑問も持っていなかったからです。

ところが、その信頼はあの東北の大震災で木っ端微塵となりました。

地震の被害の大きさに驚愕し、親戚とも連絡が取れない状況。

そこに飛び込んできた福島原発爆発のニュース。
実のところを言えばニュースを聞いたときはさほど心配していませんでした。

ですが、事態は収束するどこか2号機、3号機が爆発。

しかも爆発した炉の温度制御ができないどころか注水ができないという過酷事故。

夫の勤め先では、外国籍の人たちが数日後に全員姿を消し、外国人で残ったのは夫ただ一人でした。

なぜか日本中の公的モニタリングポストは全く数字を表示しなくなっていました。

線量を伝える放送局など一つもありません。

しかたがないので、民間のガイガーカウンターモニタリングポストの情報で自分の住んでいる近隣の線量をチェックしていました。

市民には、情報が一勢開示されない恐怖の中、どんどん都内の線量が上がっていきました。

極め付けは自衛隊ヘリでの空からの給水。

もう何も手立てがないのだと愕然としたの瞬間は今も覚えています。

そして、日本の原子力業界への信頼が崩れ去った瞬間でもありました。

わたしは、ガイガーカウンターの線量が上がっていく状況に関西に避難する用意をしました。

当時新幹線は完全に停止、内陸経路も塩尻より先へは関東からでれない状況だったので車を手配。ガソリンスタンドでのガスの供給は停止していましたが、なんとか頼んでガソリンを確保しました。結局想定していた線量をこえなかったので避難をする事はありませんでしたが、我が家に小さな子供がいたら躊躇せず避難していたでしょう。

あれから5年、日本の災害対策は何が変わったのか?

火山の噴火や九州地震を経て私たちは日本の安全対策が変わったと実感してるのでしょうか?

そして、原発再開の問題。

政府、電力会社は粛々と再稼働を進めていますが、わたしはあれから何が変わったのかとつくづく思います。

私は、あの震災で経験した日に何度もガイガーカウンターを確認するような生活は二度と送りたくないと思っています。
雨が降った後、雨どいや道路の側溝の線量があがっているんじゃないかと思いながら生活した最初の2年間。
あのような生活は二度としたいくないとお思います。

さて、あれから5年経って、電力会社、経産省、そのた関連機関は本格的に原発再開に乗り出しました。

まずは彼らが原発を再開すべきだという理由を見ていただきたいと思います。

1 資源自給率の低さ 94%を輸入に頼っている

2 現在化石燃料にシフトしたために温室効果ガスが35%増加

3 自然エネルギの選択肢はコストが高く電気代が高くなる

電力会社が指摘するこれら3つの問題をクリアするのは原発の再会しかないのでしょうか? 次回、福島原発事故の原因と共に原発再会が電力会社が指摘する日本のエネルギー問題解決の唯一の手段かなどを考えてみようと思います。

いまも続く日本の原発安全神話:わたしが原発再開に賛成できない理由その2