東京電力は、福島第一原子力発電所の事故発生から2か月たって核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が起きたことを認めましたが、当時の社内のマニュアルでは事故発生の3日後にはメルトダウンと判断できたことを24日になって明らかにし、専門家は「大きな過失で、このままでは国民との信頼は築けない」と指摘しています。

福島第一原発の事故では1号機から3号機までの3基で核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」、「炉心溶融」が起きましたが、東京電力が正式に認めたのは発生から2か月後でした。
東京電力はこれまで、「メルトダウンを判断する根拠がなかった」と説明していましたが、調査の結果、社内のマニュアルには炉心損傷割合が5%を超えていれば炉心溶融と判定すると明記されていたことが分かり、事故発生から3日後にはメルトダウンと判断できたことを24日になって明らかにしました。
災害心理学が専門で、東京女子大学名誉教授の広瀬弘忠さんは「事故の際に当然、参照すべきマニュアルの規定に気付かなかったのは大きな過失だ。発表が遅れたことによって、それほど深刻な状態ではないのではないかという印象を与えてしまった」と批判しています。
そのうえで「これまでにも事故やデータ改ざんがたくさんあったが、このようなことをしていては、誰も信用できなくなる。自分たちの誤りを積極的に出していかないと、国民との信頼関係は築けない」と指摘しています。

NHK「かぶん」ブログから