前回の記事(総工費400億円!新たなる汚染源)で女性自身が除染ででた汚染物質を燃やしているという記事。今回はその汚染物質を黒い袋に詰めるのにどれほどのお金がかかったのか?

安倍政権は除染国家プロジェクトに総額6500億円を投入。
つまりゼネコンがこの金を手にした事になる。

この除染、
環境省と元請けとの契約した『作業ルール』は、
①はぎ取った土や落ち葉は袋に入れて回収し、飛散しないように管理、
②住宅の屋根や壁は手でふき取るか、ブラシでこする。高圧洗浄機は、雨どいなど限定される部分にしか使用を認めていない。
③洗浄につかった水は回収するきまりになっている。
 以上が『作業ルール』の基本。
 『作業ルール』通りにおこなったら、手間も時間もかかるかり、非能率であるのは、第三者にもわかるが、それを守らないと、洗浄、除染したことにならない。

 朝日新聞記者4人が、楢葉町、飯館村、田村市に入り、約一週間(2013年12月11日~18日)合計180時間を監視。
楢葉町、飯館村、田村市の市町村の13か所で作業員の行動を見守った。
それによると、作業員が土、枝葉、洗浄に使った水を回収しないで捨てるのを目撃。
作業員20名からの聞き取りでは、ゼネコン、下請け会社からの指示で廃棄したのだという事だった。
また、「『作業ルール』どおりにやっていたら、この作業は予定通りには終えられない」とも証言した。

楢葉町の道路わきで作業していた作業員は、「刈り取った草木は崖下に捨てるように、大日本土木の現場監督の指示された」と語ったのを記者が録音している
田村市で働いていた作業員4名は、下請けのリーダーから、落ち葉や土は熊手で集めて川にかき落とすように指示されたと証言。
飯館村では、屋根や壁を高圧洗浄機で洗浄していた水がそのまま側溝へ流れ、そのまま流れて行った。それも、カメラで撮影した。大成建設では、当時事実を確認中としていた。

こうした契約違反、放射能汚染物質の環境汚染の対処に関する特措法の違反、廃棄物の投棄に関して、環境省は「事実なら重大な問題だ」とゼネコン各社から事情を聴く予定としたが大きなペナルティーもなくその後も大手と契約を結び国家予算が彼らの懐に大量に流れ続ける。

2014年、水田で実行された除染はなんとも中途半端なものだった。
水田の除染は表土を5センチほど削り取って袋にいれる。
長年水田として肥やしを混ぜ手入れしてきた土壌だ。実は、この堆肥が放射性物質を閉じ込めて、稲がセシウムなどを吸い上げない機能を果たしていたが表土を全て削り取って、何の栄養素もない山砂を敷くだけの作業を除染と称しやり続けた。しかも水田の上にある山は除染しない。除染しない山からの水が除染した水田に注がれる。だが、その水田はセシウムを吸収してくれていた堆肥層がない砂山なのだ。

この意味のない除染契約の内容が以下。
南相馬地区と飯館村におけるこの除染を請け負った大成建設と国の契約書
飯館村 平成26年2月28日~平成27年2月20日
契約金額 46、645、200、000円

南相馬 平成26年5月 7日~平成27年3月27日 
契約金額 42、876、000、000円


しかも、除染の入札を手にするのはいつも大成建設系列の会社。談合が行われているのが露骨に見えるが報道はされない。
こして適当にやってきた除染作業であったがここ5年であつまった黒いゴミ袋は膨大な量だ。海外だけではなく日本の科学者からもこのいい加減な除染作業とこのゴミの量に大きな批判の声が上がっている。
これだけ膨大な金をかけ、綺麗に袋詰めにしてきた汚染廃棄物。
これらは昨年12月から稼働している仮設というにはあまりにも大きな焼却場で燃やされている。


丸山大臣は福島県下で自治体を越えて処理を行う施設は初めてであり、村と蕨平地区の皆さんの英断に敬意と感謝を申し上げます」と述べ、安全対策に万全を期すと約束しました。また、菅野村長もあいさつに立ち、「先人から受け継いできた『までいの精神』によるところです。お互い様であると(施設建設を)受け入れてくれた村民を誇りに思います」と住民への感謝を述べました。


この、県飯舘村の蕨平減容化施設では除染廃棄物や家屋解体で出た廃材などに加え、近隣の福島市や伊達市、南相馬市、川俣町、国見町の5市町の稲わらや堆肥などの農林業系廃棄物と下水汚泥も受け入れる。処理量は1日約240トンを見込んでいる。稼働は5年を予定し、約36万トンを焼却する計画。
放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8000ベクレルを超える指定廃棄物36万トンが今後5年間燃やされ続ける。
焼却炉に設置したバグフィルターで99.9%放射性物質が除去されるとアピールしているが、研究結果から専門家らは実際は6~7割程度と計算している。

震災前は100Bbq/kg以上は”放射性廃棄物”としてドラム缶で保管していたが、今や8000bq/kgの放射性廃棄物は燃やせる。その上燃やせないものについてはコンクリートに練りこんで再利用するという計画も持ち上がっているという。

丸山大臣はまた先月から福島第一施設の大半の場所で防護服も手袋も着けずに作業できるよう段階的に運用を見直す方針を認めています。

これまでの対策で、敷地内の放射線量が大幅に下がったためで、廃炉現場で働く作業員の負担軽減を図りたいとのことです。毎時5マイクロシーベルト以下になったから防護服も手袋も着けずに一般的な作業服だけで作業をさせる。
手袋での作業効率が悪く細かい作業に支障がでるのだそうだ。
原子炉建屋などの周辺や高濃度の汚染水が入っているタンクの周辺は、引き続き防護服やゴム手袋が必要で、作業服のままでこうした場所に近づかないよう出入りの管理を厳しく指導するということだ。
さて、昨年11月だったか就任後に初めて福島を訪れた丸山大臣はこれでもかというほど完全防備。
お大臣さまと労働者では命の価値も違うというのかと言いたくなる画像が以下。

映像:
福島第1原発を視察 「風評払拭が復興に不可欠」とコメント