民主党は環太平洋連携協定(TPP)に関し、コメなど農業重要5項目の「聖域」確保が不十分との中間報告案をまとめ、政府の承認案に反対する方向で調整に入った。案には「国益が守られたとは評価できない」と明記した。衆院で統一会派を組む維新の党にも同調を求めた。民主党幹部が15日明らかにした。参院選に向け農業票を取り込む狙いとみられるが、同党は政権時代に交渉参加の方針を表明した経緯がある。与党からは「選挙目当てで方針を変えるのか」(自民党中堅)などの批判が出ている。

 中間報告案は15日の民主、維新合同会議で示された。民主党は来週中にも党内手続きを経て正式決定する。

(共同)

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初めに立場を明確にしますと、わたくしは安倍政権を全く支持していません。
ですので選挙を控え、最大野党民主党が本当に政権を追われた理由を噛みしめているかが問われるところですが今の所私にはそれがみえません。

まずTPP。
本当にこんな議論で済ませて選挙に勝てると思ってるんでしょうか?さすがに怒りを覚えます。

1 TPP、TTIPは世界で議論が活発にされています。今年大統領選を控えるアメリカ。今の所もっとも大統領職に近いヒラリー・クリントンは今回のTPP合意を支持していません。
また、世界でこの貿易協定が議論されている理由は、貿易協定といいながら貿易に関することはこの条項のたった5%にすぎません。
あとの95%は我々の労働基準、医療、法治国家の根幹にかかわる問題です。
それを農業問題にすり替えるだけの民主党には怒りを感じます。

2 そもそもTPPを表立って推進し参加を推し進めたのは民主党でした。当時自民党は選挙を控えていたので反対の「ふり」をして地方の農業関係者向けにはTPP反対のビラを配っていましたが政権をとったらそんなことは関係なくTPP協議を進めました。
TPPが世界で問題となっているのは庶民になんの恩恵もないということがもう一つの理由です。
大企業が今後10年、20年、いかに楽して稼げるようにするかという内容で、庶民や中小企業は恩恵がないどころかマイナスが多すぎるのです。
日本では大企業優遇のおっさん政治家賛成しています。
今回TPPの内容を評価しなかった民主党ですが幹部は軒並み賛成、推進派です。(菅直人氏と海江田氏は立場を明確にしていない)
民主党のマニュフェストには脱退をも辞さない姿勢でTPPを議論としていますが具体的なことは何も書かれていません。
本当に嘘くさい!

3 農業は大事。
食料を安定的に国民に提供するための食料安全保障の機能。
水資源の涵養。
農業を維持することは農産物の問題でなく、日本の美しい風景を保っていくことにもつながります。
ただ、消費者無視の農家所得の保証はもう見直さなくてはなりませんし、そこに拠り所を求めていては日本の農業は本当に手がつけられないことになってしまいます。
問題は農家の平均年齢は65歳を超えているところ。
働けない年齢じゃない。
でも、まだ10年20年ある余生を考えると、もっと保証を。。。ということでしょうが、本当に次の世代に農業を継がせていくのならもうこれまでの愚策はやめにしなくてはなりません。
ところが民主党も自民党も本当に農業のことなど考えていません。TPPを進める代わりに自民党はTPPで農業に出る損失国民の税金で補填するとしました。
おかしなところはまだあります。
2010年に戸別所得補償というのが民主党によって導入されました。
10アールの水田について1万5000円(その積算根拠は農家への保証価格と市場価格との差)を支払い、また米価が一定の水準より下がったら、下がった分を支払うというもので、本業がサラリーマンの農家にも農業の所得を補償する制度です。
当時自民党はバラマキだと批判したものの未だ廃止されていません。
これに関して民主党は黙認、公約違反というメディアもいない状態です。
今の所日本は与党も野党も代わりがない。
これが最大の問題。
我々に残された選択肢は候補者の今までの成果をよく見て投票するしかありません。

腹立たしい