先日夫とデヴィッド・ボウイのリリースされたばかりのアルバムを聴いたばかり。突然の訃報ニュースに驚きました。夫は数年前に父を癌で亡くしました。義理の父の癌は移転と増殖のスピードが早いタイプのもので発見されてすぐ医師から余命を告げられました。

先進医療国の日本。平均寿命は世界一なのに、先進国で癌患者が増加しているのは日本だけです。
日本人のがんによる死亡数はアメリカの1.6倍もあることが報告されています。
その原因のもっとも大きなところは高齢化。
ただこれだけで日本の癌患者が増えている事の原因は説明できません。アメリカも高齢化傾向はありますが、癌患者は減少傾向ににあります。

実は日本は癌治療へのアプローチに問題があると言われています。
日本のお医者さんは手術が上手です。
大腸がんにおける手術後の5年生存率は
日本→71.4%、
米国→47.5%。
日本では病変部だけの切除だけでなく転移している可能性を探るために周辺のリンパ節も取り除きます。
リンパ節を取り除くことをリンパ節廓清といい、細かい手術になり、根気の必要な手術ですが、日本の医師は病変から流れ出るリンパ節を一個一個丹念に切り取っていきます。
日本では平均20個のリンパ節を取り除きますが、米国の平均はなんとたったの9個です。
病理検査も日本の方が圧倒的に丁寧なんです。
ところが、総合的に見るとがん全体の5年生存率は米国では62.4%、日本40.6%で圧倒的にアメリカの方が高い。

「治療の考え方」
「外科手術」が主流の日本。日本では早期発見してとってしまうのが一番という考え方があります。
ところが、毎年受ける健康診断は癌を早期発見するためのものではありませんので、この健康診断で早期の癌が発見されることは少ないのです。そりゃ早いうちに見つかってとってしまうのは大変有効ですが、1cm未満の癌を発見するにはPET検査(陽電子放射断層撮影)が必要です。
欧米では外科医に加えて放射線科医や抗がん剤を専門とする脳腫内科医の3者がその患者にとってベストな治療法を話し合うというのが基本です。
放射線治療がアメリカが60%ですが、日本では25%と圧倒的に少ないのです。

「予防の意識」
日本ではとにかく早期発見!
というったイメージの植え付けがあるように見えます。
小さいうちに早くとってしまうのが一番だ。。みたいに思っている人が多いと思います。
でも大切なのは手術しないように「癌予防」をする事のほうが大切です。

そして治療法。
癌といっても色々あります。患者と十分な話し合いをして色々なアプローチを模索するかしないかで大きな差が出ているようです。
こういった治療を行うには専門医が必要ですが、日本では専門医の育成が遅れています。
また、日本では医師と患者十分に医師の疎通を取らず、先生のお話をお伺いするスタイルがほとんどです。
日本は病気に関して情報が得にくいので患者もただ聞くしかないのかもしれません。
早期発見が良いとかざっくりした情報サイトしか政府や医療期間は作っていません。
アメリカなどは癌細胞の特徴、増殖スピード、遠隔転移など詳しい情報を簡単に入手する事が可能です。
日本での癌の死亡率が増えているというのは統計的に示されています。

癌治療と予防に対しての意識向上と専門医の育成を早急に検討するべきでしょう。

そんな事を考えながら今日はボウイの古いアルバムを聴いています。