みなさま、こんにちは。
Mrs.Burkeの部屋へようこそ。

本日は「脱毛症治療」Part 2といたしまして、脱毛症という病気について少し考えを巡らせてみたいと思っております。

わたくし、よく考えるのですが。。。脱毛症とはどのような病気なのでしょうか。
髪が抜ける。。。
それだけの病気でしょうか。

こんな、実験がございます。
脱毛症のネズミに、脱毛症でないネズミの皮膚を移植します。脱毛症だったネズミの移植部分にはえている毛はしばらくそこに定着しますが、時間が経つと抜け落ちてしまいます。

もし原因が皮膚疾患であるならば、移植を受けた皮膚は毛が生え続けるはずですが、このネズミに施した皮膚移植部分の毛も抜け落ちました。

以前の脱毛の原因
でも書いたのですが、脱毛症は免疫疾患です。毛包のメラニン関連の蛋白を免疫細胞Tリンパ球が、ガシガシと攻撃するので髪が抜けます。

ですので、個人的にはなぜ皮膚科で治療するのかが疑問なところでございます。局所免疫法(アセトンのような科学物質を頭皮に塗る)治療は皮膚にほどこしますから、それで皮膚科。。
なのでございましょうか。
それとも昔から皮膚科で扱っていた病気なので今もその名残があるだけでしょうか。

今でもわたくしは医療現場でこの病気に重きを置いていないのでは。。という雰囲気を感じる事がございます。確かに髪が抜ける事で死んだりするわけではありませんが、これは大きなストレスの原因になりかねません。
大抵の方は見た目の変化にとまどい、大きなストレスをうけます。
時間が経てば人間慣れてくるものですが、それでも帽子やウィッグで生活するのは快適とは言えません。
それにお金もかかります。脱毛は長期にわたる場合も多いですから薬代もばかになりません。
化学治療をされている癌患者の中には脱毛を経験する方が多数おられます。報告書にもありますが、既に化学治療で体が弱っているところに脱毛という明らかな表面的変化によりストレスをうけ二次的疾患を誘発する場合があります。

前回(脱毛症の治療-Part 1-)でご案内したガイドラインにも

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AA (脱毛症)患者では脱毛の他に身体的障害はないことが多い。患者の悩みは深く、精神的ダメージにより QOL (Quality of Life)の低下をみるのが普通である。一方,医師は「身体的 障害を持たない患者に,全身性の副作用が必発するよ うな治療は行いたくない」との思いを持ちがちである が,精神的ダメージや QOL 低下を重篤な臨床症状と考えた場合,AA はあらゆる方法を用いて治療しなく てはならない皮膚疾患として位置づけられる。
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としています。
まぁ、あたくしとしてはこの短い文章の中にも色々言いたい事はございますが
医療現場においても深い精神ダメージをあたえるという認識はあるんです。そして、忘れて頂きたくないのが大きなストレス。大きな精神負担は、二次疾患を誘発します。
最近現場では脱毛症とストレスの関係はあまり重きを置かれていませんが、先天性と推測される脱毛症患者に精神的治療も含めたケアを行い改善がみられたケースもあります。
髪がどんどん抜けて見た目がかわるというストレス。そのストレスが場合によっては他の病気のもとになりかねないという事です。
癌で化学治療を受けている方々も同様です。治療の一環とは言え髪が抜けて行く姿を毎日鏡の前で見るのは少なくとも気持ちの良いものではございません。
人によっては大きなストレスを感じる場合もございます。

国会で医療用かつら(実際はそんなカテゴリーの商品は国内にありません。)の保険適用または医療控除について議論された際、
ある国会議員がいいました。
「かつらをかぶらなくても死なない」
いかにも。
そのとおりでございます。
ですけどねぇ、患者によっては多くの人が日常生活の質を著しく下げるような二次疾患に苦しむことになるのよ

まったく知識がないにも程があると思いながらその議員の答弁を聞いておりました。

毛が無いのを甘く見ないで頂きたいと常々思います。

厚生省にお手紙しまして、
「どうしてかつらは医療控除がきかないの?」
とお伺いいたしますと、
「案件によりましては回答にお時間をいただく
ものがございます。」・・・・(にこっ)
という事で何年経ってもお返事を頂く事はございません。

脱毛症患者は髪が抜けるだけではありません。
高頻度でアトピーやアレルギーのような発疹、
結構不良による大変つらい肩こり。
軽く扱えない合併症になりますと、
甲状腺疾患,
尋常性白斑,
SLE,
関節リウマチあるいは重症筋無力症 などの
自己免疫性疾患が合併することが知られおります。

色々大変なんでございますよ、この病気も。

医療機関ももう少しプロアクティブな対応とデリカシーをもってあたって頂きたいものです。
皮膚科がこの病気を担当しているわけですが、免疫疾患としての治療や精神面でのアプローチが必要である事を認識するならば、他の科との連携も積極的してほしいものだと思うわけです。

いろいろ文句を申しましてもすぐに現状が改善されるわけではございません。では私達はどうしたら良いかということです。
これだけ書いといて申し訳ないのですが、
正しい答えがございません。涙

ただ、わたくしの経験から申し上げますと、この病気はよく分りません。だからこそ、一人で悩まずある程度知識のあるお医者様に相談することでちょっと気が楽になります。
お医者様とはよくコミュニケーションをとり、信頼関係を気づく努力が必要です。
残念ながら、日本では先生からのアプローチをまっていたら何も前に進みません。
ちょっと積極的くらいが丁度よいかしら。。
と感じております。
先生と病気について話し合い、治療の効果について納得した上での治療を初めることが大切と思っております。治療は一時的に発毛が見られるものもありますが、一過性でまた抜けてしまうケースも少なくありません。そういった事もきちんと聞いておく必要があります。

はえてきた毛がまた抜けるのもストレスです。
止める事は難しくても「知る」事により受け止める心の準備ができます。
脱毛症は「つき合っていく」という観点も時には必要であると思うのです。

本日は、なんとも結論の無い思考にお付き合いいただいてありがとうございました。本日はこれにておいとまさせて頂きたいと思います。

それではみなさま、ごきげんよう。


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