みなさんこんにちは。
Mrs.Burkeの部屋へようこそ。

3月11日。。。震災から一年が経ちました。
改めて被災者の方々に、心からのお見舞いとお悔やみを申し上げます。 本日は瓦礫処理について考えてみたいと思います。

この日野田首相は瓦礫の広域処理について全国に文書にて協力を求めました。瓦礫の受け入れ反対派の映像がメディアで流れました。あれは確か静岡のお茶農家だったと思います。瓦礫を受け入れると、仮にこの廃棄物が日本国憲法の安全基準値を満たしていても風評被害の原因となる。。ということに各局はフォーカスし、報道をしていました。

反対派: 
瓦礫の状態でどうやって安全基準値を満たすのだ。そもそも瓦礫の状態ではきちっとした放射線量を測ることが出来んだろう。

それにほとんどはセメントなんかのリサイクル材になるか埋め立てじゃないか。
     
ゴミを燃やした後の放射線量が8,000ベクレル以下の場合はみんな埋めちゃって事だろ。

危ないじゃないか。震災前は100ベクレルが基準だぞ。


どういう科学的根拠で一気に基準を7,900ベクレル上がったんだぁ。

賛成派: 
そんな事言ったって24,000万トン強の瓦礫が散乱して復興の妨げになっているんだ。

これをどかさないでどうやってその土地を復興するというんだ。    

震災から一年たっているのに7%弱しか処理されていないんだぞ。被災者をゴミの中に住まわせとけというのか。

県内での処理能力が追いつかないんだからみんなで分担するしか無いだろう。

この瓦礫処理をどうにかしないと後に続く復興事業が送れさらに苦しい思いを被災者は強いられるんだぞ。

メディアで騒がれているのはこんな感じでしょうか。
あまりに簡単にまとめてしまってすみません。

ですが今の所賛成派、反対派という観点からしかこの問題が報道されていない気がします。各社新聞の記事、また国立図書館、及び公的機関の処理を見ますと、まともに見る事が出来る資料というのが去年の6月。すなわち、震災から3ヶ月たった時点の事ばかりで現在どのようになっているかがよく見えてきません。

はかどっていないというのですが何がどうはかどっていなのか内容が分りません。私はこの「分らない状態」が一番の問題であると感じています。
もう一つ。放射性物質が原因で風評被害が起きないかと心配され受け入れ側の理解がえられないと大きく報道しています。

この「風評被害」「放射性物質」という言葉は広域処理の話をする時にお約束のように出てきます。

この言葉を使うのは新聞やデレビだけではあいません。環境大臣の細野氏をはじめとした公的機関にいる役人がみずからこの点に話をもっていっているように見えてなりません。

阪神淡路、ロスのノースリッジ地震もそうでしたが被災地での瓦礫処理は常に大きな課題です。にも関わらず、放射能や風評被害にばかり焦点をあてられると何か他に隠したい事があるのではと勘ぐってしまいます。

もっとすべき事、説明すべきとを明らかにし粛々と対応にあってほしいと思います。

まず、災害で出た瓦礫を受け入れる場合、政府は「がれき」とは何であるか。受け入れた場合どのように処理がなされるのか。これは最低限説明しなくてはいけません。

まずこの受け入れを要請している400万トン分の瓦礫は廃棄物です。
廃棄物は、家庭から出る一般廃棄物と有毒物質を多く含む工場等の生産過程で排出される産業廃棄物と大きく二つに分ける事が出来ます。(本当はもっと細かくなります。別の機会にゴミの分類についても改めて考えたいと思います。)

今回の震災はご存知のように津波が民家のみならず、畑、工場など全てを飲み込んで行きました。この津波で多くの瓦礫が海へ流れました。のこったが可燃ゴミについては現地に焼却施設を設置し現在も処理が続いています。

受け入れ分は廃棄物です。

どのメディア、政府関係者までもこのがれきがどのようなゴミとして受け入れられるのか説明をしていません。原油や化学物質(カドミウム、六価クロムなど)、コンクリート、アスベストが含まれる事は容易に憶測出来ますから産業廃棄物と普通は思います。しかし産業廃棄物を県をまたいで処理する場合下処理がきちんとされており輸送するのに有毒物質や匂いがあってはダメですよという法律があります。これは改正されていませんし、今回例外を設けているようなことは耳にしていません。すると、このがれきは一般廃棄物として扱われているのでしょうか。

阪神淡路の震災でゴミについて以下のように言っています。
「震災ガレキのリサイクル率は50.1%であるが,リサイクル量の90%は土地造成による利用である。大量のガレキは土地造成以外の目的では短期間に大量にリサイクルすることは困難である。」

受け入れたがれきはほとんどリサイクルされるか埋め立てられるのに、政府が何も説明をしない事に違和感を覚えます。なぜ放射性物質の事にしか言及しないのでしょうか。ほかにも危険な物質が多く含まれていると思って間違いはありません。日本には危険廃棄物、産業廃棄物を処理する際の決まりが法律があります。もちろん放射性物質もそこに含まれます。

政府は:
「放射性物質は心配いりません。空間線量を測りますし、その都作業時に測って皆さんに公表します。」
とこう説明します。

これでは皆不安で納得いかないのは当然です。
まず危険物処理には処理方法と規定値が法によって既に定められています。まずそれを国民に説明します。その決まり事を守る為に震災前はこのようなプロセスで審査、検査をしてきました。この震災前の方法で理解は得らると思いますし、処理基準は決まっているんですから新たに何かを測る必要は無いと思います。
しかし、それでも不安だと言われたら、そこで初めて何が不安か聞く話し合う。。ということになるのではないでしょうか。
今のように震災前のプロセスをまるで無視したようなやり方では、誰の理解も得られません。すべき事は既に決まっているのですから、まずそれきちんとクリアしてほしいと強く思います。
それが普通のやり方で、震災前、震災後に関わらずこれはしなくてはならない事でもあります。

ところが政府と自治体は日本にこの瓦礫を扱う基準や決まり事がないかのような騒ぎです。
実に不思議です。

もう一つ阪神淡路地震のがれきに関する提言で、
「災害発生時にはリサイクル材料の需要と供給のバランスが崩れるので,災害廃棄物のリサイクルにおいては処理・再生のための施設とストックヤードを有するリ サイクル拠点を長期間設置することが不可欠であり,港湾地域内の埋立地を活用が考えられる。」

先ず現状です。昨年の初夏以降のゴミ処理の状況が明らかにされていないため、なんとも言いようがありませんが、少ないながら分っている事をみながら考えてみます。
例えば、一番がれきの量が多い石巻。一次置き場、二次置き場と場所を海岸付近に確保し今年に入ってはかなりピッチがあがり分別もはかどっていると細野大臣が言っていました。

ストックヤード(仮置き場)の確保はとりあず出来ているようです。

可燃ゴミ焼却の施設もここは設置されていて処理が進んでいます。長期的なリサイクル拠点という点ですが、ここはどうなっているのか分りません。災害から一年経っていますが、リサイクル処理の施設を建設する話は聞いていません。では、今回の広域処理でそれは必要ないのでしょうか。3県で発生した建物のがれきの量は、推計で計2490万トンに上ります。(内訳は宮城1600万トン、岩手600万トン、福島290万トン。)道路や橋などの公共インフラや自動車、船舶などのがれきは含んでおらず、量はさらに増える見通しであると細野大臣は言います。
そのうち広域処理されるのが400万トン。これは全体の17%くらいでしょうか。

80%以上は県内で処理しなくてはいけないのに、現地での処理施設の事はなぜ何も聞こえてこないのか心配になります。

政府は去年の6月ゴミ処理が6%ちょっとしか処理がすすんでいないと言っていました。
匂いが酷いと報道されていましたが、当たり前です。夏のあの気温と湿気の中ヘドロでなくとも悪臭をはなちハエとうじがわくでしょう。本当なら夏前に解体と分別処理を終わらせなくてはなりませんでした。
この解体や分別は広域処理とは関係ありません。
現在広域処理するがれきについても分別は県内ですませる事になっています。分別をして燃やす物はどんどん燃やすという現在の状態をもっと速くやっておかなければならなかったのですが、政府は今回のゴミ処理は国が負担するとしたものの、全てのプロセスを県にまかせた上、予算が落ちるのが大変遅かった為に瓦礫から悪臭が漂う事態が起きてしまいました。

さて、このころ政府では一次予算がやっと成立し、3519億円が計上されました。この時点で阪神淡路での処理費用をこえています。さらに、政府はこの時期に最終的には1兆円程度になると概算しています。

そして、この時既に広域処理については明記がされています。

二次予算以降は広域処理ありきで予算を見積もったのでは。。。 
ちらりと思いました。

今回の震災は大きな被害がでましたから、今まで無かったよな大きな予算が組まれるのは当然でかつ速やかに行われるべきですが、それと説明をしない事とは話が別です。説明はしなくてはなりません。

私がもっとも説明してほしいのは、

なぜ全体の20%にも満たないゴミしか広域処理にまわさないのか。
のこりの80%は県内処理で全く問題ないのか。
この8割のがれき処理には何年かかるのか。。そういく事はなぜ報道されないのでしょう

広域処理に出すゴミはなぜ1トンあたりの処理費用が高額なのか。

阪神淡路ではトンあたり7,000から2万円だとしています。今回の広域処理では1トンあたり5万から6万も値がついた所があります。

予算についてはもう一点。復興にはゴミ処理だけでなく海岸付近の整備、新たな津波対策もあります。住んでいた土地をあきらめて高台に移転する方々がおられます。

この高台移転計画に予算がゴミ処理よりも少なく見積もられているのはなぜなのか。
住民、国民の理解を得るのに、今回震災があったから問いって特別な事をする必要はないと思います。
今ある法律とその内容、プロセスを説明し、迅速に対応すればよいだけです。今回他の省庁より強い権限をもたせた復興庁なるものまで設置したのですから災害復興対策にこの省は全力を尽くすべきでしょう。

私は今の政府の言っている事がどうも霞がかかっていて分りづらいと感じています。

皆さんはどう感じていらっしゃいますか。

ここまで読んで下さったみなさま、有り難うございました。
感感謝